3か月ぶりの更新となります。
在宅ワークが増えたのでプロ野球をよく見るようになりました。
2020年のプロ野球ペナントレースはセリーグはジャイアンツが優勝し、パリーグはホークスが優勝という結果になりました。
父親がプロ野球が好きだった影響で昔からナイターを見ており野球好きとなり、高橋由伸が巨人に入団したくらいからずっと巨人ファンの自分にとっては巨人が優勝したということで大変に充実したシーズンでありました。
優勝翌日には駅の売店に読売新聞と各種スポーツ新聞を記念に買いに行きました。
特に今年は新型コロナの影響もあり在宅ワークの比重が増えた結果、ナイター中継をテレビで見ることのできる日が激増しました。思わぬコロナの好効果でした。
働き出してからは野球中継を毎日家でゆっくり見るなんてことは不可能で、テレビで野球を見るという機会も減ってプロ野球界の動きに疎くなっていましたが、今年は久方ぶりにジャイアンツ戦をしっかりと見て一喜一憂することができました。
これほどナイター中継をどっぷり見たのは20年ぶりです。
2000年の長嶋監督時代の仁志清水江藤松井高橋マルティネス二岡村田上原のミレニアム200発打線で優勝しON対決を制して日本一になった翌年の投壊によってチーム防御率が崩壊しヤクルトペタジーニに.378、11本塁打、34打点を対巨人戦で食らって松井のホームラン王、清原の打点王を味方投手陣が逆アシストしてペタジーニにタイトルを奪われた苦き2001年以来です。
あれから20年か、もう生き過ぎたよパトラッシュ。
2020年の巨人は、エース菅野が日本新記録となる開幕投手による13連勝を達成し、若き生え抜きの4番である岡本はシーズン当初は三冠王をとるのではと思えるほど打ちまくってホームラン王、打点王の二冠がほぼ確定している状況、高梨中川といった鉄壁のリリーフ陣が獅子奮迅の活躍をした結果、9月半ばにはマジックが点灯し、完全に独走状態でありました。
他チームから見ると、早々に独走状態となった今年の巨人は強く見えたことと思います。結果として独走して優勝しましたので実際強かったんでしょう。
しかし、試合を見ていると、とてもストレスがたまる救いようのない試合が多かったというか、いち巨人ファンとしては数字ほどの強さを全然感じない勝っているのになぜここまで勝っているか理解できない、このチーム弱すぎだろと感じるのになぜか首位を走ってしまうとても珍しいシーズンであった印象を抱いています。
今年の巨人はとても弱かったです。弱すぎて辛かった。
原監督の采配も終盤は本当にひどかったですね。
なぜ優勝できたかよくわかりません。巨人を独走させた他チームがそれ以上に弱すぎたように思えてなりません。
弱いと感じた理由をいくつか挙げていきます。なお実際の数字を見ると強かったので、各種印象は、巨人ファン歴が長い私が見てきた当チーム優勝したシーズン比によります。
1・とにかく貧打線
3割打者が1人もチームにいないという珍しい年でした。
今年は本当に打てませんでした。つまらない眠くなるような貧打戦を何回見せられたことか。
中継を見ているとよく実況が、「強力巨人打線ですからねー」などと話すのですが、この虚弱打線のどこが強力打線やちゃんと曇りなきまなこでよく見ろとつっ込んでました。
今年は点を取れませんでした。3割打者もチームに1人もいませんし、ホームランの数も例年と比べて少なかったです。
巨人といえばFAで4番打者を集めていたころの伝統から強力打線が代名詞になっていますが、ホームランを5発打って派手に勝ったとか、終盤に劇的なグランドスラムで逆転するといったエンタメ要素の多い打ち勝った試合が少なかった印象を持ちました。
要はスカッとする勝ちかたが少なかったですね(当チームの優勝したシーズン比)。
勝つとしても粘り強く守り勝つというか、2対1とか3対2とか、序盤に先制点を入れたもののその後相手ピッチャーを打てずに追加点が取れない中で、逆転されない程度に追いつかれながらもリリーフピッチャーがなんとかしのいで僅差で勝利するという、9回が終わるまで安心して見ることができない、ハラハラドキドキが止まらない試合が多かったです。
勝っても疲れる試合です。
逆に負ける時も1点、2点しか取れなかったり、素人が見ていても全く相手投手を打てる気がしないというか、このクソ打線いい加減にしろやほんまと絶望する日がとても多かったです。
ホームラン王、打点王の二冠がほぼ確定している岡本も、よく頑張ったと思いますが物足りなさのが勝ります。
序盤戦の神がかり的な活躍は物凄かったですが、そのあとは打率は下がる一方で後半には失速し、4番として情けない内容のない凡打の方が目立つようになってきました。
一時期阪神大山とホームラン王をめぐってデッドヒートしていた時は岡本になんとか打って欲しいと願っていたのですが、ストレスの溜まる凡退が蓄積した結果むしろ大山お前がホームラン王にふさわしいという思考に変質しましたよ私は。
出塁率も4割に及びませんし、打席での威圧感も感じません。
巨人は打率が低く出塁率も4割を超えることのできない岡本を4番ではなく5番におけるような打線になるのが理想のように思います。
4番には.330、40発打てるどっしりした打者を入れたいですね。そんな人いませんね。
2000年以降で優勝したシーズンで、1番打線が弱かった年ではないかと思います。
2・10勝したピッチャーは菅野以外にいない
先発ピッチャーに苦労した年でした。
リリーフ投手がとても良かっただけに、シーズン半ばは先発の崩壊ぶりが目立ちました。
一時は菅野、戸郷以外に計算できる先発がおらず、裏ローテの時は毎試合先発が崩壊して連敗し、菅野が連敗ストッパーになるという状況でした。
先発は投壊するは打線は打てないわで、非常にストレスフルでしたね。
8月とかまさにそんな感じでした。
3・マジックが減るごとに失速していくチーム
通常はマジックが減るに従ってチームの雰囲気も上がり、連勝を重ねたりドラマチックな逆転勝利、サヨナラ勝ちをしてどんどんと盛り上がっていきます。
しかし今年のジャイアンツは、マジックが減ることに比例して弱体化し情けなくなるありさまでした。
2020年の優勝は引き分けによって決定しましたが、その日の前までになんと巨人は5連敗していました。
ビジターの球場では全く打てず貧打に喘ぎ、先発も中継ぎも打たれて無様な試合を見せ、すべての要素が弱すぎて救いようがなく12球団最弱のチームにしか見えなかったです。
日本シリーズでソフトバンクに瞬殺される以外のシナリオが描けません。セリーグの恥。
史上初の6連敗での優勝決定になるところでした。
優勝を決めた試合も勝てず、引き分けに終わりました。
これも優勝決定後原監督も言っていましたが、今季を象徴しているというか、なかなか打てないんですね。
優勝決定戦で9回裏にランナーが出てチャンスに坂本岡本丸に打席が回って、誰もが一打サヨナラでの劇的な優勝決定を期待していたのですが、誰も劇的な一打を打てずにそのまま延長に入って引き分けです。
優勝したからなんでも良いのですが、やはりテンション下がりますよね笑
本当に今年らしい優勝の仕方でした。
4・開幕13連勝した菅野に数字ほどの圧倒感はない
今年のセリーグMVPは開幕から13連勝というプロ野球新記録を樹立した菅野で間違いないでしょう。
勝ち星、防御率ともに文句ない圧倒的な成績を残しています。
おそらく10年後に2020年のシーズンをリアルタイムで観ていない野球ファンが今年の菅野の成績を見るとその数字に圧倒され、神格化されるでしょう。
しかし、これも菅野の登板を毎回見ている巨人ファンなら共感してもらえると思うのですが、今年の菅野は良くなかったです。
確かに数字だけ見ると圧倒的なのですが、数字以上に印象は非常に悪いです。
投球の内容自体は2017年とか2018年の方が圧倒感がありました。
なぜ防御率が2.04という素晴らしい数字なのか、なぜ14勝もできているのか、良くわかりません。
前半戦は確かに完封や、ここぞの場面でギアチェンジして打者を圧倒するシーンもありましたが、後半になるにつれて、簡単に先制を許したり、味方が先制点を入れたり追いついたりしたすぐ次のイニングで簡単に失点したり、下位打線に粘られて四球を出したり簡単にヒットを打たれて出塁されたりといつ炎上しても全く不思議ではない登板が続いており、「エースとして求められるピッチング」ができていない場面を何回も目にしました。
よく言えば粘り強いというか、打者を圧倒する投球はできないけどでも6回3失点を超える悪い内容にはならないという絶妙な感じだったように思います。
悪くても試合を作るのが先発の役目ですので、そういう意味では結果を残しているのはすごいのですが、今年後半の投球の内容だと、メジャーで良い成績を残すことができるイメージは全く浮かびません。
20勝した上原のルーキー時代や、ダルビッシュや田中将大の全盛期のような「こいつまじ打てないからお手上げ」感がなかったです。普通に攻略できそうな雰囲気でした。
5・吉川松原の1、2番はきつい
今年は長年固定できなかったセカンドに吉川が、結構他の選手に代わられるシーンはありましたが一応固定され、さらに松原という育成の若い選手が2番としてブレイクしました。
今年の優勝はこの新1、2番の活躍が大きく、メディアでも「吉松コンビ」としてよく取り上げられています。
僕としても、若い選手が活躍してくれるのは大変嬉しいです。
ですが、ちょっと待って欲しい。
この2人は、正直優勝したから取り上げられているだけで、成績的にはかなりきついです。
2割7分台でホームラン8本の四球を選べないフリースインガーの1番と、2割6分台で三振が大変多くケースバッティングのできない2番です。2人とも出塁率は.330ほどです。
どうですかこれ。仁志清水の1、2番や、高橋谷の1、2番のようがはるかに強力ですよ。
この貧弱な1、2番で本当に岡本はよく打点王取れたと思います。
吉川の早打ちが好きじゃなく、2球目打ってセカンドゴロのアウトとかため息が出ます。
粘りモードに入った松原のバッティングは好きです。来年は三振の数を減らして欲しい。
石井琢朗コーチの99年の出塁率は確か.380ありました。
石井琢朗のような出塁率が高くて粘りうちのできるリードオフマンが欲しい。
まだまだ伸びしろのある2人だと思いますので、2021年は安定感ある成績を出して期待します。
あと原は中島を贔屓起用するんじゃなく、北村を是非使ってくれ。
巨人では珍しい長打力もあってボールをしっかり待って打てるタイプで、出塁率も高いバッターだから、我慢して使って欲しい。
数試合打てなかったら代えるんじゃなくて、しばらく我慢して使わないと大砲は育たんよ。
原監督が育てた長距離砲ってこれまでいるのだろうか。
結局優勝したのはとっても嬉しい
なんだかんだ書きましたが、巨人が優勝したのは本当に嬉しいですし、選手も本当によく頑張ったと思います。
2020年の巨人は弱いと書きましたが、結果が全て、優勝したのは事実です。
強く見えないのに勝っているというのは数字に出ない、目に見えない強さがあるんでしょう。
そういうのが実は1番強かったりします。経営でも同じです。
勝つべく試合を当たり前に買ったり、地味に守り買ったり、選手層の厚さや、派手さはないものの増田の走塁やここぞの地味なヒットで1点を奪ったりと、他球団が容易に真似ることのできない本当の強さがあったんでしょう。
花形の選手の一発ではなく、打力、投手力、守備力、走塁力、監督の采配、勝負勘、控え選手の強さ、コーチ、裏方等、チーム力を構成するそれぞれの分野の厚みが総合力となって全体としての確かな強さにつながっていったのだと思います。
岡本にも先に今年は活躍しているけど物足りないと批判するようなことを書きましたが、岡本の打席が見ていて1番楽しいですし、1番ホームランを打って欲しい選手です。
今年万が一ホームラン王逃すようなことがあれば悔しくて悔しくて、あんたのすべてを壊して俺が勝つ状態になってしまいます。
菅野も是非沢村賞をとってほしい。
広いナゴヤドーム補正のかかる大野よりも東京ドームのドームランで相当防御率を損している菅野の方が優れた投手だと思います。長野に打たれた3ランとかロペスに打たれた2ランとか、ナゴヤドームだったら絶対スタンド入ってないです。
優勝した翌日は読売新聞と報知スポーツその他各社のスポーツ新聞をワクワクしながら駅の売店まで記念に買いに行きました。
優勝記念本も買漁ると思います。
愚痴のように書いたのも、巨人が好きで、自分の理想系の巨人になって欲しいと思うからこそです。
ジャイアンツが負けると本当に悔しいしムカつくついてイライラするので、パワプロでコンピュータのレベルを適度に下げてイチロー柳田長嶋松井王落合野村坂本の打線で滅多打ちしないと心が晴れないくらいです。
日本シリーズは去年4連敗で大敗を喫したソフトバンクに出てもらって、リベンジを果たして欲しいですね。