貧困でも幸せな専業主婦/ 貧困専業主婦の感想

選択的夫婦別姓制度の是非がメディアをにぎわせております。

暇だよねほんと。

こんな些末な問題議論するならもっと国のリソースを国防力増強とか非核三原則撤廃とか大事なところに優先的に割けばいいのに。

賛成も反対もしませんが、本当に愛し合う2人の結婚で旧姓を名乗れないことが最大の障壁になって結婚しないという選択をするというシチュエーションなんかウルトラレアケースでほとんど想定できないんじゃないでしょうか。

大抵女性が苗字を夫側に変えるので、女性差別とか平等という文脈で語られることがありますが、結婚する幸せ絶頂の当人たちがそんなこと考えてるとはとても思えません。

愛する男性の苗字をこれから名乗ることができることに喜びを感じたり、体からときめいたりするものなんじゃないでしょうか。

そういう体からときめく感情になってないんだったらむしろ結婚しないほうがいいような・・。

そこに従属とか差別とかそんな理屈的な意味合いは一切ないと思います。

例えば学生時代のカップルとか、彼女が自分のスイカやパスモの苗字を嬉しそうに彼氏の苗字にして申し込んで使ったりとか、そういうことしませんでしたかね。

僕の今の嫁(あえて嫁と言う)は昔そういう感じでしたが。

苗字を変えるって、そういう純粋に嬉しくて素敵でロマンチックなことだと思うのですが。

そういう受け止め方をしてくれる人と結婚したいと思うし、旧姓のままでいたいからという人と男は結婚すべきではないのではと思ってしまいます。

さて、先日以下のような記事を書きました。

共働き世帯のが専業主婦世帯より多いとするのは間違い/ 専業主婦モデルが今も健在な日本

この記事を書くときにあげた「貧困専業主婦」(新潮選書)についてのレビューです。

著者は中国生まれの周燕飛氏です。

この本はマーケティング的には成功していると思います。

貧困専業主婦というタイトルネーミングがインパクトがあり、新聞の書評とか雑誌とかメディアが飛びついてきそうな内容です。

内容はとても読みやすくコンパクトで、3、4時間あれば読破できてしまうようなボリュームです。

扱っている題材自体がなじみやすい内容ですので、金利とか為替とか経済学の新説とか難しい数字も出てこないので、パワパラと消化できます。

専業主婦というとどのようなことをイメージするでしょうか?

女の勝ち組。旦那が高収入。女子大生のなりたい職業No.1。日々繰り返しの家事で暇も余裕もない。自立できなくてかわいそう。

専業主婦をしているというのは、最低限夫の収入で生活ができることが担保されているからこそだと思われがちですが、本書は統計データに基づき専業主婦のうち約8人に1人が貧困に陥っており、妻がパートの共働き世帯よりも専業主婦世帯のほうが貧困であることを明らかにします。

これは僕も意外でした。

共働き世帯が優勢になって久しく、「貧困なのに専業主婦をしている」というと変な感じがしますが、どういうメカニズムでそうなっているのか。

本書は、高度経済成長期に制度的・文化的に作られた「専業主婦モデル」誕生の歴史や、現在でもパート主婦を含めた専業主婦世帯のほうが夫妻ともに正社員として働いている共働き世帯よりもずっと数が多く、日本では「専業主婦モデル」が今も元気に健在であること、親の格差が子供の格差を引き起こすメカニズムや、一度正社員労働市場を離れた元キャリア女性が当人に見合う仕事に復帰する難しさ、貧困なのに意図的に専業主婦になる理由などを解説します。

いろいろな側面から語られる専業主婦ですが、自称ジャーナリストの印象論ではなく、統計数字に基づいたちゃんとしたバックグラウンドのある学者の客観的な分析・知見を得ることができるコンパクトな良書だと思います。

本屋で手にとって「迷ったら買い」に分類される本です。

ただ引用されている貧困世帯の専業主婦の例に該当する人を身近で見たことがないので、やや極端な事例が引用されているような感想は持ちました。

そこまではっきり記述はなかったように見受けられましたが、著者自身は専業主婦の女性が適切な就業選択ができるような行政的支援をすべきと考えているようです。

なお本書で引用している統計調査によると、専業主婦の女性のほうが働く女性よりも幸福度が高いという結果が出ています。

その理由の分析も本書ではなされています。

貧困専業主婦のサマリーや主張は以下の東洋経済のサイトによくまとまっています。

著者の対談録です。

https://toyokeizai.net/articles/-/299625