多様性のある組織で働きたいなんて微塵も思わない

毎度やる気ない系サラリーマンの記事でおそれいります。

いつまでブームが続くのかはわかりませんが、世の中「多様性(ダイバーシティ)」という言葉が脚光を浴びることが多いです。

組織にとっても多様性が重要であるとよく言われます。多様性があるのが強い組織だとか、多様性こそが創造性やイノベーションを引き起こすとか。

財務に余裕のあるホワイトでやる気のある意識高い系の企業なんかは、職場環境の多様化を推進する専門の部署なんかをここ数年で新たに設けてプレスリリースでアピールしているなんてところもあるでしょう。

その道のコンサル業界などにとっては、「多様性ビジネス」はよい飯のタネですね。

株主や経営者の目線では、なんとなく多様性のある組織のほうが安心して投資したり経営できる感覚なのだろうと思います。

生物学的には、多様性を確保できる種が生存競争を勝ち抜きます。同じ遺伝子コピーの複製しかできない単細胞生物よりも、有性生殖によって多様な遺伝子を後世に残すことのできる種が環境変化に適応して生存していきます。

その観点からは、単一性・同一性のある集団よりも多様性のある集団のほうが環境変化に柔軟に適応して持続していくと考えるのは自然です。

RPGゲームでも、脳筋な戦士ばかりのパーティだと特定の環境下ではものすごい強さを発揮することもありますが、バランスが悪くゲームを先に進めることができなくなります。

物理耐性のない魔法使いのみのパーティ編成でも同じです。

戦士、武闘家、魔法使い、僧侶といったそれぞれ異なる能力を相互補完できるダイバーシティに富むパーティが様々なエネミーやボスに柔軟に対応できて一般的には強くサステナビリティーがありますし、操作していても楽しいです。

しかしながら、僕は自分が多様性のある組織でぜひとも働きたいなんて断じて思いません。

転職活動中に応募先企業の募集要項に「多様性のある組織ですキリッ」みたいなアピール文があったら年収1500万円もらえる会社でも応募しません。まあそもそもそんな企業に応募してもまず採用されませんが。

考えてもみて下さい。人間なんて10人いたらそのうち9人とは気が合わない宿命なんです。

一戸建てでもマンションでも、隣の家や上下階の住人が変人ではない可能性のが低いんです。

同一世代、同一性でも互いにこいつとは気が合わないなと思う人間のが過半数なのに、それが年齢・性別・国籍・経歴・その他バックグラウンド諸々が異なる集団で働くなんて、現場の従業員にはどれだけストレスがかかることになってしまうんだろうやれやれと思ってしまいます。

ひたすら気遣いしたり超えることのできない思考形式の差異による相互のストレスに疲弊して終わりそう。

性別による越えがたい思考形式の差異・出身国の違いによる根本的な思考方法の差異は感覚的には存在していると考えています。

意識低い系サラリーマンとしての僕は、多様性ある集団で働くよりも同一性のある集団で働くほうが自分の仕事のパフォーマンは上がるように思っています。

自分の会社が突然、部署横断型の「多様性推進チーム」みたいな会社のコストの無駄遣いの部署やチームを作ってホームページでアピールしだしたら、弊社の株主様にはとっとと株を売ってくださいと切に訴えるとともに微力をもって多様化推進の動きを妨害したいです。

変化とはサラリーマンの最大の脅威だ。

物事には流行りと廃れが波のように交互に来ます。

幸せの中心点である振り子のバランスのとれた中心点に物事が落ち着くことは極めてまれです。

グローバル化万歳の流れが来てその弊害が明らかになってくるとグローバリズムを排除する「反グローバリズム」が興隆するように。

多様性も、今はメリットばかりが強調されることが多い印象があり、併せ持つデメリットやコストに光が当たることは少ないですが、やがて多様性推進で実際に多様性の中で活動する個々の人間が疲弊してくると反動で「反多様性」の勢力が強くなってくるのかなと思っています。

現実的に、景気や企業業績が良く余裕のあるうちはこのような成果が出るのか出ないのか検証不能な取り組みに投資する余裕もありますが、不況になって業績が悪くなると会社としても利益に直接結びつかない取り組みに投資する余力はありませんので、今後来るかもしれない不景気と合わせて取り組み自体が自然消滅していくのかもしれません。

多様性を推進した結果逆に組織が劣化しパフォーマンスが低下した、やっぱりおかしいよガラパゴスジャパンみたいな展開を期待しています。

こんなこというと元も子もないですが、人為的に多様性をつくったハリボテの組織よりも、多様性を備えようと意識しないでも結果として自然と多様性のある組織になっていたというメカニズムを持つ組織のが強いんでしょうね。

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