バフェットの受領配当金は4,200億円 ~バフェットからの手紙~

相変わらず新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、ニューヨーク株式市場をはじめ世界各国の市場が暴落しております。

全国の公立小中学校は休校となりました。みんなイオンかゲーセンに行くしかないよね。

日本の会社も在宅勤務が広がっており、仕事に影響を受けている人も多いことでしょう。

仕事で上の人がコロナウイルス対策で忙しくしており暇だったので、僕はずっと投資関連のニュースを見ていました。

もっと読み応えのある内容のものはないのかと思っていたところ、そうだ、バフェットの手紙読もう、と思いつき、世界一の投資家ウォーレン・バフェットが会長を務めるバークシャーハサウェイのHPにアクセスし、バフェットが年に1回バークシャーの株主あてに書いている「Shareholder Letters」(通称・バフェットからの手紙)を読みました。

2019年度版のバフェットからの手紙です。

バフェットからの手紙は、バークシャーハサウェイのHPから見ることができます。

投資家は、バークシャーハサウェイの質素で飾り気のない無駄なことにコストは使わないというバフェットの強い意思を感じるHPに感銘を受けることでしょう。

バフェットの言葉や投資法は色々な媒体で色々な人から引用されますが、所詮二次情報、三次情報にすぎません。

間接情報に触れるよりも、本人が書いた一次情報をしっかり読むほうがいいに決まっています。

というわけで、初めて原文で読みましたよバフェットからの手紙を。

もちろん全部英語で、専門用語や固有名詞もあり、投資家用の内容のためかなり読みにくい内容ですが、それでも英語にそこまでアレルギーのない人は3回読めば内容は頭に入ってくると思います。

僕は1回目の通読では何言っているか理解ができず骨が折れる箇所も多かったですが、粘って2回目になると、「Keynes」って経済学者の「ケインズ」のこと指しているのか!とようやく理解できたりしました。

読んだ感想を一言。

もう投資先はバークシャーハサウェイ1社でいいんじゃね?

以上でございます。

ごちゃごちゃセンスのないマイポートフォリオを作るよりも、ポートフォリオの50%をバークシャーにして、残り50%で何か自分のオリジナリティを出すシンプルなもので良いのではと思ってしまいました。

バフェットからの手紙の内容や読んで考えたことを幾つか記事を分けて書いていこうと思っていますが、今回はバフェット(バークシャーハサウェイ)って年間いくらくらい投資先の会社から配当金をもらっているの?という命題を明らかにしようと思います。

バークシャーハサウェイは、アップルやアメリカンエキスプレスやコカ・コーラ、ウェルズファーゴなどいわゆるバフェット銘柄として知られる銘柄その他多くの銘柄の株式を多く保有しています。

その投資先の企業のバークシャーの持分の時価は、2019年12月末の時点の市場価値でなんと2,480億ドルです。

日本円換算だと、27.5兆円!です。

この数字は、バークシャーが支配権を持つクラフト・ハインツを除いています。

バークシャーハサウェイの会計は、バークシャーが50%以上の持分を所有する企業(支配権を有している企業)については、その企業が稼いだ利益がバークシャーの営業利益としてカウントされるのに対して、バークシャーが50%以上の持分を所有していない企業(支配権を有していない企業)に関しては、その企業が稼いだ利益はバークシャーの営業利益としてカウントされず、配当のみが営業利益に含まれる処理をしているようです。

つまりコカ・コーラ(バークシャーの持分9.3%)については、コカ・コーラがどんなに稼いで純利益を積み上げても、その分はコカ・コーラの9.3%分の所有者であるバークシャーの利益としてカウントされずに、コカ・コーラから支払われる配当金のみがバークシャーの利益として会計処理されるということです。

バフェットからの手紙に、バークシャーの主要投資先10銘柄から受領する配当金額の列挙がありましたので、引用します。

配当金の単位は百万ドルです。

会社名 持分 配当金
アメリカンエクスプレス 18.7% 261
アップル 5.7% 773
バンクオブアメリカ 10.7% 682
バンクオブニューヨークメロン 9.0% 101
コカ・コーラ 9.3% 640
デルタ航空 11.0% 114
JPモルガンチェース 1.9% 216
ムーディーズ 13.1% 55
USバンコープ 9.7% 251
ウェルズファーゴ 8.4% 705
合計 3,798

これら10社から合計37.98億ドルの配当金を受領しています。

1ドル110円だと、4,200億円です。

何もしなくても年間4,200億円もの大金がバークシャーの財布に配当金として入ってくるわけです。

他の投資先の企業から入る配当金も含めるとこれ以上の金額となります。

すごい企業ですね。

そして意外にも最も配当金をもらっている企業はアップルの7.73億ドルです。

コカ・コーラからの配当金が6.4億ドルなので、コカ・コーラよりもアップルから入金される配当金の方が多いんですね。

配当の他に、上記の10銘柄のバークシャーの持分に相当する利益剰余金は、さらに83.32億ドルあります。

この83.32億ドル分が、会計上はバークシャーの営業利益として含まれていない計算になります。

念のためですが、もちろんバフェットは配当金目的の投資なんかしていません。

稼いだ利益を事業に投資して複利で事業がどんどん拡大して大きくなっていく企業のオーナーになるつもりで投資していますので、あくまでも配当金は投資の結果に過ぎません。