非分散投資(銘柄集中・セクター集中)をするウォーレン・バフェット最新ポートフォリオとバフェット銘柄ビッグ5(2018 3Q)

2018年9月30日時点での投資の神様ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハザウェイ)のポートフォリオの内容、特に組み入れ比率の高い上位5番までに位置する「ビッグ5」を確認していこうと思います。

バフェットは株を売ったら決して売らない永久投資家として知られていますが、バークシャー・ハザウェイのポートフォリオの推移を見ていると、結構普通に売買しています。

バフェット個人ではなくバークシャー・ハザウェイという巨大会社の資産なので、必ずしもバフェット個人だけの意向で売買しているわけではないのかもしれませんが、記憶に新しいものだけでもIBMやジョンソン・アンド・ジョンソン、ベライゾン、前はグラクソ・スミスクラインも持っていたけど売却してしまった記憶があります。

少し前にはかつて投資して失敗した経験のある航空銘柄に投資していましたが、これもかなり売却してしまっています。

バフェットの最新ポートフォリオ一覧

バフェットの最新ポートフォリオ一覧です。

46銘柄で、総額2,210億ドル(約24兆3,000億円)という巨大なポートフォリオになっています。

こんなポートフォリオ欲しいですね。

(出典:warrenbuffettstcokportofolio.com

銘柄集中投資・セクター集中投資

バフェットのポートフォリオを見て分かることは、「非分散投資」を実施しているということです。

24兆円もの資産額を、わずか46銘柄にしか投資していません。

上位6銘柄とその比率は以下の通りです。

アップル(APPL) 25.78%
バンク・オブ・アメリカ(BAC) 11.69%
ウェルズファーゴ(WFC) 10.51%
コカ・コーラ(KO) 8.35%
クラフトハインツ(KHC) 8.11%
アメリカンエクスプレス(AXP) 7.30%
その他 28.26%

驚くべきことに、上位6銘柄で71.74%もの比率になります。

24兆円の巨大資産の7割以上を、わずか6銘柄に集中投資しているのです。

7番目以降の銘柄は、すべて投資比率5%以下になっています。

これをさらにセクター別の比率で見ると次のようになります。

(出典:gurufocus

金融サービスがポートフォリオの42%とダントツでセクターNo.1を占めているのがわかります。

2018年7〜9月に金融機関の株に多く追加投資していますので、前タームよりも金融サービスの比率が6.45%も増加しています。

不況や金融危機になると金融機関や銀行の株は暴落するイメージが強いですが、金融機関を買い増すということは、バフェットはまだ金融機関に強気なのかもしれません。

2位のセクターはテクノロジーで、27.7%です。

これはほぼアップルへの投資分が占めています。

今回もバフェットはアップルを買い増しており、アップル株は最近低迷しているもののバフェットは俄然アップルに強気の姿勢となっています。

金融サービスとテクノロジーという2つのセクターで70%を占めており、特定のセクターに集中投資している状況です。セクター分散は実施されていません。

ディフェンジブな従来型の生活必需品銘柄の比率は20%に満たないです。

よく個人投資家はリスク分散の観点から銘柄分散・セクター分散が大切だと言われますが、バフェットは銘柄分散・セクター分散のいずれも実施していません。

もちろんバフェットと一般個人投資家は全く立場が違うので、バフェットが銘柄分散・セクター分散してないから俺も銘柄分散・セクター分散しないんだと安易に考えるのは愚かですが、バフェットが「投資の教科書的な教え」である分散投資をしていないことは示唆に富みます。

これでも十分分散投資をしているんだとバフェット本人は思っているのかもしれませんが(むしろ集中投資のが優れていると考えているといった方が正しいですね)。

では、現在のバフェット銘柄「ビッグ5」を見ていきます。

現在のバフェット銘柄ビッグ5

比率1位:アップル(APPL)

現在のバフェット銘柄第1位はアップルです。

バフェットのポートフォリオの実に25.78%をアップルが占有しています。

1年前の14.41%から比率は大幅にアップしました。

アップルの9.5%の大株主です。

バフェットの投資比率1位の銘柄は過去20年間、大抵は15%〜25%を占めます。

2015年にはウェルズ・ファーゴが24%を、2013年にはコカ・コーラが25%ほどを占め1位でした。

バフェットのアップルの保有株式数の推移のグラフです。

(出典:gurufocus.com。以下同じ)

2016年の投資からほぼ毎四半期にわたり投資を継続しており、飛躍的に投資金額は増額しています。

バフェットの後継者とも言われているテッド・ウェシュラーはアップルについて、競合他社と比べた「モート(経済的な堀)」が存在すると発言したことがあります。

ただ、アップルは最近の低迷する相場で下落が続いており、新製品の欠如やiPhoneの四半期ごとの売上を公表しない旨の決定もあり、投資家の懸念は高まっている状況です。

比率2位:バンク・オブ・アメリカ(BAC)

約12%を占める2位はバンク・オブ・アメリカです。

保有株式数の推移です。

新たに200万株近くの株を追加購入し、株数を約30%増加させました。

バンカメの5.32%の株式を保有していることになります。

リーマンショック後の2011年に同行を救済に近い形で投資したのはまだ記憶に新しいですね。

2017年に同行の株式7億株をワラント(新株予約権)の行使によって取得したことで、一気に大株主となっています。

バフェットは2017年にCNBCのインタビューで、バンカメの株式を「長く長く長く」保有するつもりであると述べていました。

ただバンク・オブ・アメリカの株価はずっと横ばいで全く冴えず、パフォーマンスとしては悪いです。

比率3位:ウェルズファーゴ(WFC)

3位は10.5%を占めるバフェット銘柄代表格のウェルズファーゴです。

同行の9.4%の株式を保有しています。

バフェットがウェルズファーゴに投資したのは1989年で、当時の株価は3ドルでした。

保有株式数の推移のグラフです。

バフェットは、ウェルズファーゴを2.14%売却しています。

ウェルズファーゴはコカ・コーラと並んで永久保有銘柄だと思っていましたが、こうしてみるとちょっとずつ売っているんですね。

この銘柄は一時は不祥事でだいぶ叩かれました。

ウェルズファーゴの株価は金利上昇を背景に2018年年初は65ドルまで上昇していましたが、現在は50ドルまで下落しています。

比率4位:コカ・コーラ(KO)

4位はポートフォリオの8.35%を占めるザ・バフェット銘柄コカ・コーラです。

コカ・コーラは株価好調です。直近決算もオーガニックな売上が6%上昇し好調で、年初来で株価は10%ほど上昇しています。

最近のダウ暴落でもみんなが待ち望んでいたディフェンス力を発揮しています。

コカ・コーラの保有株式数の推移です。

10年間ずっと追加投資も売却もしていません。

直近のタームでも追加投資も売却もありませんでした。

バフェットは1988年に初めてコカ・コーラに投資し、その後2回(1989年、1994年)買い増しをしているようです。

久しぶりにバフェットがコカ・コーラ買い増し!なんてニュースが出るとホルダーとしては嬉しいですね。

比率5位:クラフト・ハインツ(KHC)

5位は比率8.11%のクラフト・ハインツです。

2015年に3Gキャピタルとバークシャー・ハザウェイの主導によってハインツとクラフト・フーズが合併した会社です。

バークシャー・ハザウェイは同社の26.7%の株式を保有する大株主となっています。

保有株式数は2015年から変化ありません。

株価は年初来で33%と暴落しています。合併以来の過去最安値を更新中です。

合併した時は誰がこんな状況を予想していたでしょうか。

直近決算でも、売上高は微増だったものの純利益が前年同期比30%以上下落しました。

新規の投資やマーケティング費用、原材料費等のコスト増加で苦境です。

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