高配当株投資は、仕事がつらい人には相性の悪い投資法だと思う

このブログを見ている方は、アメリカ株でも日本株でも、高配当株中心にポートフォリオを組んでいる投資家の方が多いのではと思います。

私のポートフォリオも高配当株、連続増配株が中心になっています。多くの方は、シーゲル本を読んだり、あるいはシーゲル本を推奨するブロガーの記事を読んで高配当株投資に足を踏み入れたというのが端緒ではないでしょうか。

高配当株投資は資産が増えるのに時間がかかりすぎる

シーゲル本や米国株高配当株ホルダーのブログを読むと、自分でも簡単に投資でき、時間を掛ければ誰でも安全に簡単に増やせるような錯覚に陥ります。僕もシーゲル本を読んだときは、これが自分が探していた聖杯だと舞い上がりました。それも、インディ・ジョーンズ/最後の聖戦のラストシーンで登場する、キラキラ眩い幾多の黄金の聖杯の中にある、ただ一つの薄汚れた地味な、でも本当の聖杯のイメージです。

1年で資産が10倍になるといった派手さはないが、継続さえすれば地味かつ着実かつ確実に資産を指数関数的に増やしてくれる。

でも普通のサラリーマン、特に妻が専業主婦で子持ちの属性の方が実際にこれを実践して資産を増殖させようと思うと、かなりの時間がかかります。仮に30歳で株式資産を1000万、配当金を年間30万と仮定します。

年間の株式資産の成長率は、S&P500の平均をとって7%、増配率7%とします。追加投資なしで考えると、10年後に株式資産は2000万、配当金は60万と2倍になります。、さらに10年後は株式資産4000万、配当金は120万と同様に2倍になります。

この計算だと50歳になっても、配当金が年120万しかなく、リタイアどころかセミリタイアすらできません。これに追加投資の条件を追加すれば状況はかなり変わってきますが、今現在の仕事が辛くてそこから逃げるために高配当株投資をしても、短期的には問題は何も解決しません。

ストレスなく仕事ができ、安定的に追加投資できる環境が1番大切

僕は、仕事が辛くて高配当株投資を初めた方には、投資手法を継続するために環境を変えることこそが必要だと考えています。高配当株投資を継続できる環境に移行しないと、そもそも高配当株投資の継続は著しく困難だと思うからです。

高配当株投資は、3年後に1億円貯まる投資ではありません。定期的な投資金額を可能にする安定したキャッシュフローが望まれますが、専業主婦と子ども2人では、高収入の方でも月10万投資に回せればよいほうでないでしょうか。

仕事にストレスを抱えている状況では、長い投資期間に耐えきれず、増えない資産にどこかで気持ちが切れて短期的に資産を拡大できる(と思ってしまう)存在しない聖杯探しに足を踏み入れてしまう蓋然性が高いのではと感じます。また、日々辛い思いをしながら長期投資をするのは、あまりに辛いです。それならば、むしろ投資なんかできなくても、平穏に暮らせる環境のほうが価値があるのではないでしょうか。

高配当株の長期投資は、アイアンハートが必要です。短期的な出来事に動じず浮気せず、当初の方針を一貫して貫く鋼の信念が要求されます。そのためには、強い精神が不可欠です。安定した精神状態で投資を続けるために、平穏な心で働ける生き方や職場を探すのが懸命です。僕も転職経験者ですが、仕事が度を超えて辛いと正常な思考力が奪われ、生命力も気力も投資力もすべてが奪われていき抜け殻になっていきます。辞めても何とかなりますし、世の中に会社はたくさんあります。1つの会社にしがみ付く必要性は皆無です。



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