【PEP】ペプシコの2018年Q3決算~売上高・営業利益はアナリスト予想を上回るものの北米飲料事業の営業利益がマイナス14%

ペプシコ(Pepsico)が10月2日に2018年度第3四半期の決算を発表しました。

株価は決算内容を受けて下落していますが、決算の数値自体はアナリストの予想を上振れしています。

ペプシコ決算概要

  • 売上高は164.9億ドルでウォールストリートのアナリスト予想の163.6億ドルを上回る
  • 調整後EPSは1.59ドルで、アナリスト予想の1.57ドルを上回る
  • 2018年度の売上成長を3%とし、ドル高を理由として、通年の1株当たり利益を2017年度比で8%成長の5.65ドルとした

売上高・営業利益・純利益の前年同期比比較

営業利益は3%低下していますが、売上高は微増、純利益とEPSは16%と二桁の増加になっています。

百万ドル 2018Q3 2017Q3 増減%
売上高 16,485 16,240 1.50%
営業利益 2,844 2,924 -3%
純利益 2,509 2,156 16%
希薄化後EPS 1.75 1.49 16%

 

部門・地域別の売上と営業利益

ペプシコは、自社のビジネスを6つのカテゴリーに分け、それぞれについて売上高と営業利益を出していますので、部門ごとに数字を見てみます。

6つのカテゴリーとは、以下になります。

  1. 北米フリトレー部門(スナック菓子)
  2. 北米クエーカーフード部門(シリアル)
  3. 北米飲料部門
  4. ラテンアメリカ
  5. 欧州、サハラ砂漠以南アフリカ
  6. アジア、中東、北アフリカ

6カテゴリーの売上高と営業利益をまとめた表です。

おおよそのカテゴリーごとの売上と営業利益の規模感がわかるかと思います。

北米のフリトレーの営業利益の大きさが際立ちます。

北米飲料部門は売上高こそ1番大きいですが、営業利益では北米フリトレー部門に及びません。

炭酸飲料よりスナック菓子のが利益率がずっと高いのですね。

北米フリトレー部門(スナック菓子)

売上高アップとコスト削減効果により、営業利益が3.5%アップしています。

百万ドル 2018Q3 2017Q3 増減%
売上高 3,891 3,792 3%
営業  利益 1,241 1,199 3.5%

北米クエーカーフード部門(シリアル)

売上高の減少と原材料価格の上昇により、営業利益は2%減少しています。

百万ドル 2018Q3 2017Q3 増減%
売上高 567 578 -2%
営業  利益 143 145 -1.5%

北米飲料部門

炭酸飲料の苦戦が続いている北米飲料事業ですが、売上は2%伸長しました。

いっぽうで、営業利益が14%も下落しています。

原因としては、マーケティング費用の増加、輸送費や原材料価格の上昇等、販管費の上昇です。

百万ドル 2018Q3 2017Q3 増減%
売上高 5,456 5,332 2%
営業  利益 703 813 -14%

ラテンアメリカ

前年同期とフラットな数字です。

百万ドル 2018Q3 2017Q3 増減%
売上高 1,868 1,873 0%
営業  利益 284 284 0%

欧州、サハラ砂漠以南アフリカ

百万ドル 2018Q3 2017Q3 増減%
売上高 3,161 3,098 2%
営業  利益 439 427 3%

アジア、中東、北アフリカ

売上高の成長とコスト削減、タイとヨルダンにおける事業再編効果により、営業利益が伸長しています。

百万ドル 2018Q3 2017Q3 増減%
売上高 1,542 1,567 -2%
営業  利益 311 267 17%

 

ペプシコは、自宅で手軽に健康的な炭酸水をつくれる「インホーム炭酸水」ビジネスを展開するイスラエル企業・ソーダストリームを32億ドルで買収しています。

炭酸飲料事業の中での多角化が進んでいます。

いっぽうでライバルのコカ・コーラは、イギリスの大手コーヒーチェーン店であるコスタを買収し、成長続けるコーヒー市場の恩恵を受けようとしており、こちらも飲料事業のポートフォリオの多角化を図っています。

どちらも伝統的な炭酸飲料のみに依存しない事業ポートフォリオ構築の過渡期にあるような印象を受けます。

なおペプシコは、北米飲料事業の費用増加による営業利益の低下をカバーするために、9月から飲料の値上げをしており、第4四半期で値上げ効果が反映される見込みになっています。

特に売る気はありませんので、このままホールドです。

ペプシコは現在、配当利回りが約3.5%となっています。

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