新型コロナ・ウイルスで一時はどん底であった株価ですが、その後はコロナとは一体なんだったのかというくらい株価は好調に推移しています。
特にアメリカ大手ハイテク銘柄の上昇率は凄まじく、コロナ前よりも株価が慎重している具合です。
マイクロソフトに投資しておいて良かったです。
一方で、コロナ・ショックを皮切りに高配当株だった企業が配当金をカットするという事例が増加しています。
外国株だと、高配当を好む個人投資家にも人気が高かったロイヤルダッチ・シェルが66%減配したり、バフェット銘柄のウェルズファーゴが80%もの減配をしています。
近年株価が絶好調だったボーイングは無配になりました。
自社株買いしまくって債務超過になって国に血税による救済を求めるボーイング
日本株でも、多くの高配当株が配当カットや無配に転落しています。
5%を超える利回りだった日産は無配となり、過去30年にわたって配当金を減らしたことのないキヤノンも中間配当を50%減額するというアナウンスをしています。
キヤノンは一時投資していて、過去30年間減配したことのない銘柄ですエッヘンという時期があったのですが、撤退して本当に良かったと思いました。
株価も下落して配当金も減って、高配当株を中心にポートフォリオを組んでいる投資家には苦難でしょう。
これでアルトリアとかJTといった高配当たばこ銘柄が減配したら、もう高配当株投資のブームもどんどん下火になっていくように思えます。
JT減配したらJT減配被害者の会にたくさん人が参加しそう。
こういった連続増配株や減配しない銘柄が一気に何十%もの配当金カットをしている事例を見ていると、高配当株投資の脆弱さを感じるというか、結局配当金もコツコツドカンだなと思わされます。
よく株価は、上がる時はゆっくりゆっくりなだらかに上昇するが、下がる時は一瞬で下がると言われます。
なだらかな上昇カーブを描いた後で、ジェットコースターのように急降下します。
上がるスピードよりも下がるスピードのほうがずっと速いわけです。
この現象をコツコツドカンという擬音語で表すことが多いですが、配当金もまさにコツコツドカンだなと。
連続増配株だと、5%配当金上昇したり、2%上昇したりといった連続増配の記録を途絶えさせないという涙くましい努力によって毎年ちびちびちびちびと配当金が着実に増加していたのが、突然翌年に配当50%カットとか80%カットとか、これまでの毎年の数パーセントの積み重ねは何だったのかというくらい一気に減配します。
投資している側は、連続増配の歴史や減配したことのない歴史を見て、配当金だけは維持するであろうという期待を持って投資しているので、それが突然50%の減配とかなると当然ダメージも大きいわけです。
連続増配、累進配当だから大丈夫という鉄壁だった前提が一気に崩れます。
一気に大幅減配するならば、いっその事毎年5%ずつ減配するとか、一気にドカンと減配するんじゃなくて、少し業績が悪くなったらもうその時からなだらかに減配してくれたほうが結局は投資家のためになりますね。
自分もアメリカ株投資を始めた頃は配当金を出す銘柄に惹かれて高配当株に投資していましたが、何十年も配当目的で地道に配当金を出す企業に投資してきて、突然の不況や世界情勢の変化で一気に配当金が70%カットされる状況になるリスクを思うと、配当金だけを目的にした投資は危なすぎてとてもできないなと感じます。
高配当株だけに分散投資してもみんな減配したら全然分散投資の役割を果たしませんしね。
配当利回りだけを見ずに、ちゃんと収益や利益が成長している会社なのか、配当利回りは低くても、毎年二桁増配しているような業績の伸びを示している企業に投資してそれが長期投資となり、毎年の業績の伸びによって結果論としてそれが配当金の増加ももたらせてくれたという流れが理想でしょう。
なおそんなこと言ってもまだたばこ銘柄は持っております。