10月10日のニューヨークダウは831ドル安の3.2%の下落でしたが、日経平均は例によってそれを上回る915.18円安、3.89%の大幅な下落率となりました。今年2番目の下落幅となります。
日本株が大幅に下落した理由は、「アメリカ株が大幅下落したから」に尽きますので、日本固有の事情ではなくアメリカ株下落の理由が原因になるのがヘゲモニー国家に劣後する国家の口惜しいところです。
ところで、下がったあとに後付けの理由など特定することに意味はありませんが、教科書的には今回の株価大幅下落の「犯人」は複数いるようです。
- 最高値を更新する株のアメリカ中間選挙前の利益確定圧力
- アメリカ企業の決算発表前のポジション調整
- アメリカの長期金利(10年国債利回り)の上昇
- アメリカと中国の貿易摩擦の深刻化による企業業績への懸念
- IMFによる世界経済成長率の見通しの下方修正(いつも修正している気がします)
多数の日本の証券会社は今回の大幅下落を健全な調整局面であるとみています(これが1番懸念点かもしれません)。
アメリカ企業の決算前の調整売りと中間選挙前の利益確定売りという事業は短期的なものであり、アメリカ長期金利の動きが落ち着けば再び割安感が強い日経平均は2万4千円を回復する可能性は高いとみています。
今回の下落で、日経平均の予想PERは13となっています。
健全なスピード調整ということですね。
日本株とアメリカ株の値動きの比較と、アメリカ長期金利の推移の表です。
出典:明治安田生命アセットマネジメント:「日米株急落の背景と今後の見通し(10月11日)」
僕はアメリカ株メインで投資していますが、日本株も高配当株を中心に保有しています。
日本株も、今回の大幅な下落を受けて特に売る気はありません。
政府も企業の内部留保を目の敵にするのであれば、日本株がアメリカ株に釣られて一定程度下落したら内部留保する企業の貯金を国家が徴用して株価を支えてよいみたいな法律でもつくればいいと思います。
憲法第22条1項の企業の営業の自由の制約になりますが、国民の株式資産の毀損を防止し我が国の経済発展に資するとうい大義名分の前で公共の福祉に資すためと頭のよい人が適当にロジックを組み立てて合憲にしていいのではと思います。
しかし、株価の下落の原因を探求するのは、法律の解釈運用に似ているなと思うことがあります。
結果がまずあって、それを支えるような論理を後付けで構築するといいますか、立法者の手を離れて経典化した無味乾燥な条文の文言を、世の中の健全な社会通念なりバランス感覚に沿った妥当な結論がまず先にあって、それに合致するように理由をこねくり回して条文の解釈(その時の世界情勢・国内情勢から理由探し)をするところに類似性を感じてしまいます。
12日の日本市場はプラスで推移したので、ひとまずはつかの間ホッとしたというのが本音です。
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