過去のS&P500種株価指数を見ると、2018年のアメリカ株下落は全然暴落レベルではない

2018年の12月にアメリカ市場の株価は暴落しました。

S&P500は直近高値からは約20%ほど株価は下がっており、冷や汗をかいた個人投資家の方も多かったものと思います。

自分も数字として株式資産は溶けていき、心理的にも少なからずダメージを負っていたので暴落といって差し支えない下落具合だと感じていました。

客観的に2018年のアメリカ株のS&P500指数の下落具合が、過去の歴史から見ればどれほどのものだったのか、過去のデータ推移を見てみました。

すると、残念ながら全く大した下げではないことが分かりました。

2018年のS&P500の年間成績は、−6.24%です。

確かに直近高値からは20%も急落しているので、直近高値から12月末までの期間で見ると暴落と呼んでよいレベルかもしれませんが、年間成績でみるとたった6%ちょっとの下落幅に過ぎません。

年間ベースの成績で見ると、これでは到底暴落とはいえない下落幅です。

例えばアメリカ株が歴史上最大の下落を記録した世界大恐慌の時代の事例を挙げますが、世界恐慌が発生した1929年から1932年までの間、S&P500は4年連続で下落しました。その間の各年の下落率は、以下のように凄まじいものでした(高値と低値ではなく、年初と年末での比較の数字になります)。

  • 1929年:-11.91%
  • 1930年:-28.48%
  • 1931年:-47.07%
  • 1932年:-15.15%

1929年初めのS&P500は24.81でしたが、1932年終わりには6.89となりました。

4年間で72%暴落した計算になります。なお年間ベースではなく瞬間最大風速の下落率で見ると、もっと凄まじい数字になります。

90年前の大昔の事例を出されても何の参考にもならないかもしれませんが、形を変えてバブルの歴史が繰り返すように暴落の歴史もまた繰り返しますので、世界恐慌レベルの大暴落が発生しないことを願いつつも知識としては過去これだけの下落幅を記録したことがあったということは胸にとどめておいたほうがいいように思います。

続いて第二次世界大戦開始から枢軸国が優勢を保った1941年までのS&P500の推移も悪いものでした。

  • 1939年:-5.45%
  • 1940年:-15.29%
  • 1941年:-17.86%

続いてオイルショック時です。オイルショック時は2年連続で指数は下落しましたが、この時の下落率もひどいものでした。

  • 1973年:-17.37%
  • 1974年:-29.72%

2000年から2002年の推移も暴落レベルです。ITバブル崩壊時期ですね。

  • 2000年:-10.14%
  • 2001年:-13.04%
  • 2002年:-23.37%

リーマンショックが発生した2008年の下落率です。リーマンショック時はS&P500の推移でみると2008年は暴落しましたが、翌2009年は年間成績ではプラスに転じています。

  • 2008年:-38.49%

これら本当の暴落時の数字を見ていると、2018年のマイナス幅がとたんに役不足に見えてきます。

そしてたった6%の年間下落で動揺している自分は本当の暴落が起こったときに全く大丈夫じゃないことこの上ないような感じしかしません。

現金比率が足らないなあ。



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