中国企業とNDA(秘密保持契約)1通を結ぶのに1年半かかりました

とある中国企業と実際の取引に関する契約を結ぶ前に相互の秘密保持を目的としてNDA (Non-Disclosure Agreement、秘密保持契約書のことです)を締結すべく契約書のやり取りをしていました。

先日ようやくNDAが締結できたのですが、たかが秘密保持契約書1通を締結するのになんとやり取りを始めてから1年と6か月もかかりました。もう頭おかしいレベルです。

NDAなんて1週間か、長くても2週間あれば通常は合意できる文書です。

中国企業と契約書の締結が完了するまでは本当に時間がかかります。

今回の中国企業は、返事が全然返ってこないタイプの企業でした。

弊社にもともと興味がないんでしょうね。それでいて契約書の内容にはしっかりと文句を付けてきます。しかも自分で望むように修正してくれればよいのに、こういう風に修正してくれと修正希望だけ出すめんどくさいタイプの企業だったので、余計疲れました。

文言修正の作業がこちら側に一方的に発生することになります。

契約書の文言をこちらがわずかに修正しただけでも、その修正に対する返答が3か月返ってきませんでした。

そして合意できたかと思えば、最後の最後で先方企業の会長職のような名誉職の権力者から内容についてもっと検討するようにと先方内部で指示がでて、いったん合意できたはずの文言が振り出しに戻ると言う事態もありました。

いったん合意したはずの契約書の内容を、割と最終局面でちゃぶ台をひっくり返されることは結構あります。

NDAなんて内容はテンプレで決まっているんだから、1番偉い人が内容を見なければならない文書でも全然ないのですが。

通常、取引の流れとして、取引に関する本契約を交わす前に、取引の可能性を検討すべく、実際の取引を始める前の段階で、取引に向けた協議のために相互に秘密情報を出すので、秘密情報の適切な保持のために秘密保持契約書を結ぶのがビジネスでは一般的です。

相手となる中国企業は業界では大手企業に属するグループ会社でした。

米中間の貿易摩擦が加速していますが、しょぼい民間企業がNDA1通結ぶのに1年半かかるんだから、普通に考えて覇権国家と準覇権国家の命運をかけた貿易や関税に関する文書の内容がそんなに早く締結できるわけはありません。

日本はいつもながら完全に蚊帳の外で、当事者のアメリカ・中国よりも株式市場は打撃は受けても国も企業も「状況を踏まえ適切に対応する」といういつも通りの何の思想も戦略もない日本人らしい後手後手の対応しかできない(むしろ何も影響力ある行動が取れない)ことを宿命づけられているわけですが、せめて消費税の10%増税を撤廃するレベルまで行って欲しいかぎりです。

あ、でも消費税増税分を財源としている幼児教育無償化は撤廃されると困るのでそのまま実施してください。

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