COVID-19のパンデミックにより世界の株式市場が暴落しています。
NYダウやS&P500は約30%ほど下落しており、ここ2日は久しぶりの連騰ということで株価が少し上向いてきました。
リーマンショックや世界大恐慌の時は一番底から戻した後にまたドカンと下落し大暴落しましたので、少し上がったからといって調子に乗ってフルインベストメントすると次の下落のときに焼き尽くされそうなので、現金は切らさないように分散して投資していく予定です。
30%も株価が下落しているし、過去最速での株価の下落ということで、今回の「コロナ・ショック」は株式市場の歴史に記憶・記録される出来事となりました。
いうなれば私たちは、新たな暴落の歴史を実体験として経験している歴史の目撃者なわけです。
今後数十年続いていく投資活動の中で、非常に貴重な経験だと思っています。
偉い人が書いた投資本1万冊読むよりも、こういった実際の暴落1回を経験して自分でもがくほうがよっぽど今後の投資活動に活きます。
暴落したら買いだという言葉を1万回頭にインプットするより、暴落時に実際に1回でも買うんです。
女性を口説く方法を解説した本を1万冊読むよりも実際に女性を1回でも口説く経験をしたほうが価値があるのと同じです。
まだまだどれだけ下落するかはわかりませんが、現在までの30%程度の暴落には精神的に耐えることができており、自分は狼狽とか恐怖一色とは程遠い状況です(フラグか)。
これは1つの発見というか、自信にもなりました。
30%程度の暴落であれば狼狽せずに株式市場と向き合える投資家になることができたようです。
チャイナ・ショック、ブレグジット・ショック、利上げショックの時は結構ぴよぴよの精神状態で、証券口座にログインするのが嫌で相場から離れてしまう状態でしたので。
もちろん含み損ですが、今は淡々と暴落相場でも株を買っています。買うとすぐ含み損になる不思議な現象も併発しております。
なぜ今自分は30%の暴落に耐えることができ、なお総悲観の中で追加投資ができる投資家になったのか、7つ理由を挙げてみます。
- 暴落に慣れて耐性ができた
- 投資歴が長くなって感覚がマヒしてきた
- 現物取引だけしかしていない
- トレーダー的取引をしていない
- 仕事のお給料で毎月の家計のキャッシュフローはプラス
- 自分がこの世からいなくなっても妻子は生きていける仕組みを構築済み
- バックストリート・ボーイズの音楽を聴く
以下、それぞれ見ていきます。
1 暴落に慣れて耐性ができた
これまで暴落をいくつか経験することが筋トレになったというのがやはり大きいです。
愚者なので経験からしか学べません。
リーマンショック時に投資をしていなかったですが、それでも自分が投資を始めたころはリーマンショックの傷跡が癒えない不景気時でしたので、常に市場に不明確性があり、いつも世界市場はどこかでトラブルを抱えている状況でした。
欧米の政治家や金融屋は口を開けば「Uncertainty」(不明確性)という言葉ばかり発言しており、日経新聞にも毎日のように不明確性という文言が踊っており、こういったもともと日本語の概念にない西洋の言葉を不自然に訳した言葉はわしゃ馴染まんと思っていました。
当時は日本株メインでしたが、ソニーやUFJの株が買ったそばから下落して塩漬け一直線になりました。
〇〇ショックと名がつくものについては、チャイナショック・ブレグジットショック・アメリカの利上げショックや米中貿易摩擦による株価の急落など、さまざまな暴落や急落を体験して、退場せずに乗り切ってきました(なお乗り切ったと言っているだけでパフォーマンスが良かったとは言っていない)。
あるときはフルインベストメントで全く動きがとれず、10倍になるはずの株が90%近い含み損を抱えたり、あるときはFXをやっており通貨の急激な変動で損が膨らみ、やばいやばいと会社のバスルームの個室に閉じこもって必死に損切りしたりと、痛い経験もたくさんしてきました。
自分の感覚としては、中国株に資金を多く投資していた時期だったのでチャイナ・ショックのときの恐怖が1番大きかったです。
東洋経済が「中国バブル崩壊か」という大きな表紙を出しており、逆指標ありがとうございました、なんだバブルはまだまだ続くのか余裕こいていたらすぐにバブルが弾けたのは今でも覚えています。
加えて、個別株を持っていると個別株の暴落なんて日常茶飯事です。
日本の小型株や中国株なんてすぐに半値になるし、アメリカ大型株もたばこ株は暴落して久しいので、個別株を通じても暴落の鍛練ができています。
暴落に耐えるようになるには、まず暴落を経験して悲観して狼狽する。
何はともあれそれがスタートだと思います。
自分の持ち株だけは決して暴落しないという幻想を早く破り、自分は投資の世界では特別な人間ではなくただの雑魚キャラに過ぎないという現実を知ることが必要です。
何回か暴落を経験すると、慣れてきて以前ほどは動揺しなくなってくるはずです。
暴落耐性が強化されます。
細菌やウイルスがだんだんと有効だったはずの薬に対する耐性を持ってしまうのと同じです。
その意味では、投資人生の早い時期に暴落を体験することはアドバンテージになるでしょう。
投資家としての厚みが増します。
2 投資歴が長くなって感覚がマヒしてきた
まだ10年も投資歴がないのでヒヨコのようなものですが、株価が上昇しても下落しても以前ほど感情的にならず一喜一憂しなくなってきました。
株価というデジタルの数字に対する不感症のようなものです。
麻酔を打たれて感覚が鈍っているような感じで、株価が下がっていても「ああ、下がっているな。買おう」と無機質に思うかんじです。
投資中毒で人間の大切な感情が失われてきたのかもしれません。
投資なんてするもんじゃありません。金融リテラシーが高くて投資で儲けるはずだった人のほとんどは現在貯金だけしかしてこなかった人よりもお金を減らしているという有様です。
真面目に働いてリア充な趣味を持ちましょう。
3 現物取引だけしかしていない
レバレッジをかけることもなく、信用取引をしていません。
そのため、最大損失額は投資額に制限されています。破産することはありません。
借金をすることもありませんので、焦ることもありません。
現物取引の強みです。
4 トレーダー的取引をしていない
短中期目線でキャピタルゲインを狙うという投資ではなく、基本買ったら売らなくてよい企業を買うようにしています。
株を買うというのは株価の数字を買うということではなくて、企業のオーナーとなってその企業を長期にわたって応援していくことです。
そのため、株価が下がったという理由で持ち株の企業の株式を売る理由がないんです。
1年で2倍にしようとか、S&P500のインデックスに絶対勝ってやるとか、芸術的なトレードをしようとか、そのような大きな目標もなく、他人様に何も迷惑かけずに自己資金で自己責任で自分勝手に好き勝手に好きな企業に好きな時に長期目線で孤独に投資することを楽しんでいます。
自分勝手に好きな投資をしている時だけ、この忙しい現代社会で彼は束の間自由になるんです。「孤独のグルメ」と同じ精神です。
配当もらいながら長期で育ってくれればいいなと気長に構えていますので、変なプレッシャーもありません。
たまにクラフト・ハインツみたいなダメッ子も拾ってしまいますが、優しいオーナーなので、大目に見てあげます。
短中期で株価を常にチェックする必要のある投機的取引はしていないので、株価なんて本当は見る必要ないんです。バフェットもそう言っています。
「株価だけみて動かない」これは大事です。
株価ばかり見るから心身を疲弊するんです。
企業は株価の数字ではありません。
5 仕事のお給料で毎月の家計のキャッシュフローはプラス
例え投資している資金が全部なくなっても、本業の仕事の給料で毎月の家族の生活は成立します。
毎月の家計のキャッシュフローが給料とボーナスでプラスなので、生活が破綻することは失業したり給料カットされないかぎりはありません。
もちろん有り金すべてを株式投資につぎ込むということはせずに、最低限の生活防衛費と子供用口座の貯金には手をつけていませんので、投資で失敗しても路頭に迷うという事態は防げると考えているため、精神的に追い込まれる事態にはなりません。
自分を追い込むようなフルインベストメントは自分のリスク許容度を超えるため、実施しません。
6 自分がこの世からいなくなっても妻子は生きていける仕組みを構築済み
今の自分の主要な生存目的は、2人の子どもを大学まで卒業させることです。
例えこの身が砕け散ったとしても、団体信用生命保険で住宅ローンはゼロとなり、ローンなしの家を売れば数千万にはなります。
そのお金と、僕にかかっている保険金をもって残された妻子が妻の実家にいけば子供が大学を卒業するまでの費用はたぶんなんとかなります。
僕の実家からも子供の教育費くらいは僕がもらえるはずだった相続分で支援可能です。
最悪の事態でも、残された家族は生きていけます。
だから株価の暴落如き大丈夫さ。
7 バックストリート・ボーイズを聞く
日経平均やNYダウの下落によって気分が落ち込んだら、人為的に気分を変える方法が1番です。
プロのアスリートも本番前には自分の気持ちを落ち着けたり逆に心を奮いたたせてくれる勝負時の一曲を聞いています。
株価が暴落しているときにはノスタルジアを感じさせる音楽を聴いたり、お気に入りの一曲を聞くと、非常にリラックスすることができます。
以前もブログで書きましたが、久石譲のもののけ姫のテーマ曲がお勧めで、最近はバックストリート・ボーイズのI want it that way(懐かしい!)をよく流して歌っています。
これらの音楽を聴いていると、暴落なんてこの広い宇宙の取るに足らないほんの些細なことであると脳が認識してくれます。
以上、暴落に耐える7つの方法についてみてきました。
株式市場は定期的な暴落の発生をメカニズムとして内包しておりますので、暴落前に売り抜けることができるという一部の天才的な投資家を除いては、暴落していないときに、暴落と共存していける自分なりのシステムを構築していくことが大事になってきます。
再度下に纏めてみます。
- 暴落に慣れて耐性ができた
- 投資歴が長くなって感覚がマヒしてきた
- 現物取引だけしかしていない
- トレーダー的取引をしていない
- 仕事のお給料で毎月の家計のキャッシュフローはプラス
- 自分がこの世からいなくなっても妻子は生きていける仕組みを構築済み
- バックストリートボーズを聞く
30%を超える下落になってくると、自分にとっても未知の領域になってきますので、50%(リーマンショック)、89%(世界大恐慌)レベルの暴落になったときにどのような心理状態になっているかはわかりません。
悲観に明け暮れ情けなく狼狽して半泣きになりながら株を手放し市場から退場していたら、本記事を懐かしく読み直そうと思います。
ただ少なくとも、現在のたかが30%の暴落では僕は総悲観とはほど遠いです。