インデックス投資がアクティブ投資よりも優位性がある理由 「ライバルの平均」を持つ方法の強み

先日、日本のエコノミスト紙を立ち読みしていたら、インデックス投資の運用の特集が組まれており、その中で山崎元さんがインデックス運用の優位性をコンパクトにまとめている記事がありました。この方の記事は分かりやすいですね。

その記事の中から、インデックス投資が優位性を持つ理由を紹介しようと思います。

僕自身は、インデックス投資は今の自分の投資のパフォーマンスよりもはるかに高いパフォーマンスを達成できるだろうと思っているものの、自分が好きなように投資したいという思いもありますし、インデックス運用は自分には退屈すぎて投資に飽きてしまうのではという懸念を持っているので、現段階ではインデックス投資をしようとは思っていません。

ただ、投資方法というのは色々と経験を経て変わっていくものだし、自分で納得出来る理由があって手法を変えるのは全然悪いことだとは思っていません。

そのため、今はインデックス投資みたいな指数のパフォーマンスに甘んじるくそつまらない投資に興味なんて微塵もないぜと思っていても、3年後にはなぜ俺はあの時からインデックス投資を始めていなかったのかと涙を流しているかもしれません。

「インデックス運用」とは、「目安となる指数(ベンチマーク)に連動した運用スタイル」(SMBC日興証券HPの定義より)のことです。

アメリカ株だったら、代表的なインデックス(指数)であるダウ30種やS&P500をベンチマークとしてそれに連動する値動きをするように運用しますし、日本株だと日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)に連動した値動きを目指す運用です。

そもそもインデックス自体が株式市場の平均的なパフォーマンスを表すように構成されているので、市場の平均的なパフォーマンスを得ることができます。

一方で、インデックス運用と対をなす言葉に「アクティブ運用」があります。

これは明確な定義があるわけではなく、「インデックス運用以外の投資方法」を指すと理解されています。もう少し積極的に定義すれば、市場平均よりも傑出したパフォーマンスを目指す運用方法を指しています。

このインデックス運用とアクティブ運用でどちらのパフォーマンスが良いのかですが、これは歴史的にインデックス運用が圧倒的にアクティブ運用を上回るという結果が出ています。

特に、パフォーマンスを計る期間を長くすればするほどインデックス運用がアクティブ運用を上回ることは明らかになります。

この辺りは投資本を読んでいる人には「そらそうよ」という内容でしょう。

ウォーレン・バフェットも自分の妻にS&P500に連動するETFでのインデックス運用を勧めているので、答えは出ています。

山崎元さんは、インデックス運用がアクティブ運用に勝る理由を「手数料」と「優れたアクティブ運用を選ぶ方法がない」という2つを挙げています。

インデックスは市場平均を表すものですが、インデックス運用以外がアクティブ運用となるので、アクティブ運用の平均はつまりはインデックス運用ということになります。

インデックス運用とアクティブ運用の大きな違いは、手数料です。

インデックス運用は指数に連動するように機械的に銘柄構成や比重などを変えるだけなのでコストがかからず手数料は安いですが、アクティブ運用は手数料が高いです。

市場平均を出し抜く銘柄のリサーチや超高給とりのファンドマネージャーの給料を賄う必要があるので、インデックス運用とは比べものにならない手数料がかかります。

そうすると、アクティブ運用の平均パファーマンスがインデックス運用となるのにそこから高い手数料率が差し引かれることになると、手数料分だけインデックス運用に勝てないのは必定です。

反対に言えば、機械的に「ライバルの平均」を持っていれば、大半のアクティブ運用のパフォーマンスを上回ることが可能となります。

もう1つの、「優れたアクティブ運用を選ぶ方法がない」という点ですが、アクティブ運用の困ったところは、過去の運用成績が全く当てにならないことです。

中にはピーター・リンチのように常に市場平均を上回るアクティブ運用商品を提供できるファンドもほんの一部には存在するようですが、ほとんどは過去の運用成績が良かったから将来もこうパフォーマンスを残せるという相関関係がありません。

ただのランダムというか、運というか、去年インデックスに買っても今年はぼろ負けしたとか、それが普通の世界です。

優れたアクティブ運用投資信託を投資アドバイザーのような第三者が選ぶことができる方法は存在していません。

結果として、運用の平均がインデックス運用に劣り、優れたアクティブ運用を選ぶ方法がないので、投資家にとってはアクティブ運用を選ぶ理由はなく、インデックス運用商品に投資するのが合理的という結論になります。

インデックス投資を推奨する「ウォール街のランダムウォーカー」とか「敗者のゲーム」とかを読むと、このあたりはもっと詳しい統計データや研究を交えて記載があります。

インデックス運用の優位性が明らかとなりインデックス運用商品ばかりに資金が流入しアクティブ運用が衰退すると、それはそれで市場の歪みが出てしまうように思うのですが、そうなるとまたそういった市場の歪みを利用して抜群の成績をおさめるアクティブ運用商品が登場して世間の脚光を浴び、また資金がアクティブ運用商品に戻ってきたりと、そういったバランスをとりながら投資資金は動いていくのかなと思われます。

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