インデックス投資に黄色信号? インデックス投信の純資産残高がアクティブ投信の純資産残高を上回る

今週の日経の記事の一面に、日本でインデックス投資信託の純資産残高がアクティブ投資信託の純資産残高を初めて上回ったという記事がありました。

インデックス投資とは、日経平均やアメリカのダウ30種、S&P500種といった指数平均に連動するリターンを求める投資を、アクティブ投資とはこれら指数に上回ることを目的とする投資を指します。

いわゆる名著と呼ばれる投資本を読むと、どれもこれも統計的に見るとアクティブ投資信託のパフォーマンスはインデックス投資信託に勝てないと結論づけています。

短期的にはインデックスを上回ることがあっても、長期リターンで見るとほとんどのアクティブ投信が市場平均であるインデックスに完敗していると。

高い手数料だけ取られて市場平均を下回るどうしようもない金融商品という烙印を押されています。

ウォーレン・バフェットも、自分の妻には彼自身の死後は資産の9割はS&P500に連動するインデックス投資を勧めています。

インデックス投資は簡単だし、手数料も安いし、個別銘柄の詳細な調査をする能力のないほとんどの個人投資家にとっては非常に合理的な投資方法です。

欠点はつまらないということです笑。

人間の本能はつまらないことに耐えきれないようにプログラムされています。よって僕はインデックス投資をすることができません。

気をつける必要があるのは、インデックス投資がメインストリームになればなるほど、インデックス投資のリスクが高まっているということです。

なぜなら、株式投資は常にメインストリームとなる多数派が負け、少数派が勝つ世界だからです。

ジェレミー・シーゲル教授の「株式投資の投資」を読んで、たばこ株さえ買っておけば大丈夫と声高に主張する人が多くなれば多くなるほどたばこ株のバリュエーションには魅力がなくなり、逆にたばこ株はオワコン化と思う人が多くなればなるほど魅力的なバリュエーションになるのと同じく、アメリカ株のS&P500に連動するETF商品なりインデックス投信に投資さえしておけば大丈夫と考えて皆がインデックス投資をすると、バリュエーションが上がって投資対象としての魅力がなくなってしまいます。

日本の個人投資家の多数派が行う投資なんて市場の最後の養分になると相場は決まっていますので、右も左もS&P500最強説が定説化されて流布されれば流布されるほど、S&P500に連動するインデックス投資の期待収益率が低減し危険信号になるのではないでしょうか。

どこかの週刊誌が「アメリカ株S&P500インデックスが最強!」と次々にインデックス投資を勧める特集記事を組むようになったらもはや末期的な症状だと思います。即刻売りたくなります。

僕なんかは、みんながアメリカ株インデックス投資し始めたら、アメリカ株への投資が怖くなり中国株をメインにしたくなります。

これまでのインデックス投信がアクティブ投信の成績を上回ってきたのは、多数派であるアクティブファンドがちゃんと機能し市場が効率的だったからこそこれにフリーライドできたからであり、アクティブファンドが少数派になるというのは、警戒すべき事柄でしょう。

逆に個別株投資を実施している人にとってみたら、インデックスファンドが優勢になればなるほどインデックスファンドに含まれない銘柄の値付けが「非効率」となるため、投資機会が広がるという肯定的な展開が期待できます。

しかし投資って本当に振り子のように主流派が移っていきますね。

インデックスファンドが主流派になってそのインデックス投資家のリターンが下がり逆にインデックスを上回るアクティブファンドが次々に登場してくると、インデックスファンドの弊害を主張する意見が大きくなりこれが多数派となり、今度はまたアクティブファンドが隆盛となる。この繰り返しでしょうね。

そして常にメインストリームに決して流されずに少数派に付く。これが大事です。

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