2019年1月18日の日本経済新聞の1面に、「株主還元 5年で2倍に」という記事があがっていました。
株主還元は、企業が自社株買いや配当金によって、稼いだ利益を株主に還元することです。
ざっくりと内容は次のようなものでした。
- 2018年度の上場企業の株主還元は15兆円を超えて過去最高を更新する見込み
- 内訳は、配当額が10.7兆、自社株買いが4.6兆
- もっとも、人への投資を示す賃金の伸びは鈍い
2014年から2018年の5年間で、株主が会社から受け取る利益が2倍になっています。
いっぽうで、毎日会社のために働いている従業員であるあなたのお給料はこの5年で2倍になっているでしょうか?
そんなことあるわけないだろという人が99%でしょう。
一部のホワイトな大企業では好調な企業業績を背景とした毎年の賃上げによる給与水準の向上はあると思います。
しかしながら、世のサラリーマンは、10%、いや5%だって5年間で給料は増えていないという人が大多数ではないでしょうか。
企業業績がいいのになぜ好調な業績に貢献している従業員に還元されないのか、貯まった企業のお金はどこに向かっているのか。
その答えがこういった記事を見るとよくわかります。
会社は、従業員に利益を還元しないで、株主を優先して利益を還元しているということです。
従業員がどんなにがんばって死に物狂いで働いて会社の利益に貢献しても、その利益は従業員を素通りして会社の株主様に献上されています。
これに文句を言ってもしょうがありません。
会社から見れば、株主>>>>従業員というのが厳然たる現実です。
会社の所有者たる株主が社長よりも1番偉いというのが資本主義の世の中のシステムですから。
賃上げしろと叫んだり文句を言ったところでそんな簡単に賃上げはしてくれないし現状は何も変わりません。
堅調な企業業績・好景気の恩恵を受けたいなら、恩恵が向かっている主体に自分もなればいいんです。
5年で還元が2倍に増えた株主側の立場になるということです。
今の時代は誰でも簡単にネット証券から上場企業の株式を購入して株主になれます。
自分では絶対に入社できないような就職偏差値トップクラスの総合商社とかトヨタとか大手金融機関の株主に簡単になることができ、高収入高学歴の優秀な社畜たちが必死に働いて獲得した会社の利益を、寝てても何もしなくても株主として享受することができます。
こんなおいしい立場は他にありません。
僕は会社員ですので、会社が稼いだ利益を守銭奴のように貯金したり、業績が良くても給料やボーナスが上がらなかったりと、全然従業員に還元してくれないのは誠に遺憾の意であり許せません。
が、全く効果のない遺憾の意を繰り返し唱えているうちに何も恩恵を受けずに短い人生が終わるのも悲しいので、会社が従業員より株主に利益を還元するというならば、自分が株主となって会社から利益を奪うまでです。
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