9月16日に、アメリカの大手電気通信事業者ベライゾン(Verizon)が、2007年を起点とする12年連続となる増配を発表しました。
四半期あたりの1株配当が従来から1.25セント増額され、60.25セントとなります。
2.1%の増配となります。
ベライゾンは、2018年の上半期に株主に対して合計4.8億ドル(約5300億円)を配当金として支払っています
最近は株価が上昇しており利回りが4%前半台まで下がっていますが、配当利回りが5%前後の状態であることが多い銘柄です。
高い増配率を期待できる銘柄ではないものの、日本政府と日銀がどんなに頑張ってもインフレ率2%を達成できないのに、毎年当たり前のように2%増配してくれて、頼もしい限りです。
ベライゾンのHPに1984年から現在までの35年間にわたる配当金額の推移の歴史が記載されていたので、その数字を基に各年の配当金額と増配率をグラフ化しました。
増配率は、単純に当年の合計配当金額を前年の合計配当金額で割って算出しています。
【VZ】1984年から2018年までの35年間の配当金の推移
1984年の1株当たりの配当金が0.8ドルで、2018年は2.385ドルです。
35年間で、約3倍になっています。
【VZ】1985年から2018年までの34年間の増配率の推移
増配率は、年によってばらつきがあります。
10%以上の二桁増配をしたことは過去34年を見る限りは一度もありません。
85年から91年にかけては総じて6%以上の増配をしており、現在と比較してかなり高い増配率であったことがわかります。
2010年代に入ると、3%後半台以上の増配は1回もしていません。
増配をしていない時期もあり、以下の6年間となります。ただ、前年の配当金額は維持しており減配はしていません。
- 1999年から2004年まで5年連続
- 2006年
1999年から2004年までの5年連続の増配なしは、ITバブルの前後なのでそれが原因なのでしょうか。
連続増配は2007年からの12年連続に過ぎないので、30年以上の連続増配銘柄がごろごろいるアメリカ株の中では歴史は浅いですが、過去35年間減配したことがないというのは安心できる材料かと思います。
増配率の平均値
34年間の増配率の数字をすべて足して単純に34で割った平均値は、3.29%となります。
また、2018年の1株当たり配当金が2.385ドル、1984年の配当金が0.8ドルなので、複利の逆計算をして算出される実際の平準化された増配率(0.8ドルから34年間一定率増配されるとした場合の増配率はいくらか)は、3.264%となります。
この数字を見ると、2010年代以降の増配率が低下していますので、巻き返しを期待したいところです。
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