11月1日の日本株は、KDDI、ドコモ、ソフトバンク、NTTといった通信株が軒並み大幅に下落しました。
下はKDDIのチャートです。大きな窓を開けて暴落しています。
(出典:SBI証券HP。以下同じ)
続いてドコモです。こちらも急落です。
各銘柄の下落率は以下の通りです。
- KDDI:−16.15%
- NTTドコモ:−14.71%
- NTT:−14.74%
- ソフトバンク:−8.16%
僕はKDDIとドコモの株主なので、目も当てられません。よくマンガで怒りに震えるシーンなどで「わなわな」する場面がありますが、公権力への怒りで苛立ちが膨らみ、「わなわなする」とはこういうことかと体感しました。
ハロウィンコスプレイヤーの出番は終わりましたが、次はKDDIとドコモとNTTの株主が永田町に集結する出番ではないでしょうか。
菅官房長官による、携帯電話の料金は4割ほど下げる余地があるとする発言から通信株は不調でしたが、ドコモが10月31日に発表した決算発表において、2019年度第1四半期に携帯料金を2割から4割値下げした新しい料金プランの提供を開始すると発表したことが原因となりました。これにより、ドコモは1年あたり最大4000億円をユーザーに還元する計算になります。
ドコモの新料金プランの発表により、通信業界全体で値下げが広がり、参入障壁が高く少数者による寡占状態で高い利益を得ていた業界の収益体制が悪化することが懸念されています。
ドコモは、値下げプランを導入することで数年間は減益となることを見込んでいます。
2023年度において、2017年度と同水準となる営業利益9900億を回復すると説明をしました。
つまり2019年から2022年の4年間は当面減益ということです。
半年先の予想も当たらないのに5年先の予想など当たるわけありません。意外と利益が下がらずに2年くらいで最高益を更新するかもしれないし、5年経っても2017年度の水準を達成できず、低迷が続き「キング・オブ・クソカブ」の称号再びになるかもしれません。
なお、KDDIは11月1日の市場閉場後に決算発表があり、ドコモの新値下げプランを受けて同様に値下げをするのかが焦点となりましたが、ドコモに追随した値下げプランは実施する予定はないと説明をしています。
KDDIは、ドコモに先駆けてすでに3割の値下げを実施しており値下げは完了し、政府の要請をすでに受け入れ実施済みという立場です。
よく言ったくれたよ社長。KDDI頼もしいけどなぜ今日はドコモ以上に下げたのだろう。
株主として最も懸念されるのは、KDDIとドコモの増配ができなくなることです。
KDDIは17年連続増配銘柄、ドコモは上場以来減配したことのない銘柄であり、増配を期待して投資している投資家は多いと思います。
特にドコモは2022年までの減益を明言していますので、会社の予定通りに業績が推移したとしても、増益に伴う増配はできません。配当性向を高めない限り増配はできないことになります。
配当性向は現在50%ほどなので、まだ余裕があるといえばありますが、増益しないことには限界があります。
この点についてモルガン・スタンレーMUFG証券のアナリストは、ドコモについて、「今後23年度までは利益が落ち込み増益見通しがないため、当面の配当は今期の110円が維持され増配は見込めない」とコメントしています。
本日の下落を受けて、各社の配当利回りは以下のようになりました。
- KDDI:4.24%
- NTTドコモ:4.53%
- NTT:3.70%
もともと高配当銘柄でしたが、さらに配当利回りが高まりました。KDDIが4.2%など、数字だけ見れば涎が出そうです。
ただ、自分が通信株の急落をブログの記事にできる余裕があるくらいなので、この段階で買いに入るのはまだ時期尚早かなあという気がします。もう少し悲観が漂って恐怖が出てくると、買い場になるかもしれません。
JT、キヤノン、積水ハウスと優良銘柄が軒並み配当利回り5%前後ありますが、KDDIとドコモもいずれその仲間入りすることになるのでしょうか。
僕は以前、下のような記事を書いたことがありますが、大変オメデタイやつでした。
まだAT&TとVerizonで消耗してるの?なんでKDDIに投資しないの?
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