盲目的な高配当・連続増配銘柄の老舗企業への投資は、巨人原監督のFA補強と同じにならないよう注意が必要

相変わらず世界の株式市場は米中覇権戦争を懸念して暴落していますが、修行の成果が出たのか(なんの修行だ)、以前のダウ暴落時はイライラしてヘロヘロな精神状態だったのに、今回の急落に対しては相対的に動じなくなりました。

仕事で疲れていてそちらに心がいっているせいかもしれません。

真っ赤な画面を見ても、ああ、綺麗な赤だなと画面を叙事的に描写できる初めての春を待つアンキロサウルスの赤ちゃんのような穏やかな心持ちです。

Je suis désolé、ごめんなさい嘘です。今月はボーナス入金されるのにボーナス以上に資産が溶けていてもう1回ボーナスもらわないと割に合わないよおいとため息ついてます。

今回はプロ野球の話が多いので、特に選手の名前がわからない人には何言ってるんだこいつはと思うような話ですが、要旨としては、2018年のシーズン燦々たる結果に終わったあるプロ野球の金満球団が来季への戦力補強のために、過去素晴らしい実績を残した往年の名選手であるがキャリア最晩年の年齢に差し掛かっている選手を次々と獲得しているのですが、もしかしたらこの球団のしている行為は、自分が信じている歴史あるものの現在業績が低迷している高配当企業へ投資している行為と同じでなのではないかとふと思いついたという話です。

僕は野球が好きでプロ野球のニュースをよくチェックしています。

完全に余談でわかる人にしかわかりませんが、2000年の巨人打線が好きでした。

今年の巨人原監督はものすごい勢いでFA宣言した選手を獲得しています。

広島の丸が獲得できたのは本当に良かったと思いますが、その他の選手は、巨人ファンから見てもチームに入ったら何にも活躍できないし若手の芽は摘むわでただの不良債権にしかならないんじゃないかと思う選手ばかりです。

FA以外で移籍する選手も含めて、獲得した選手を列挙します。野球がわからない人のためにカッコの中に選手紹介を簡単に書きました。

  • 西武:炭谷(31)(あんまり特徴のない普通のキャッチャーです)
  • オリックス:中島(36)(グリーンの「キセキ」が好きなイケメンショートです)
  • 広島:丸(29)(今年のセ・リーグMVP!リーグ最強バッターの1人です)
  • マリナーズ:岩隈(37)(安達祐実の同級生です)

炭谷を除いては、皆実績のある選手です。

丸は現在全盛期なのでいいとして、巨人ファンから見ても、炭谷と中島と岩隈はどう考えても獲得した意味が理解できません。

特に中島と岩隈は年齢的にも最盛期を過ぎていますし、以前獲得して全く活躍しないで終わった元西武の片岡と同じ道を歩むことになるのは既定路線と思っています。

原は、どうも自分と相性がいい自身が個人的に好きな選手が欲しいみたいですね。

中島、炭谷、岩隈ともに原が代表監督を務めた2009年のWBCに代表選手としてプレーしていたメンバーで、原の元でプレーした経験があります。

この巨人原の闇雲に最盛期を過ぎたネームバリューある選手を補強している姿が、歴史ある老舗の高配当株・連続増配株銘柄だからという安易な理由でそれら銘柄にばかり投資しがちな自分の姿とふと重なってしまいました。

配当金目当てで過去の実績がある高配当株・連続増配株に、配当利回りが上昇(=株価が下落)しているから買い場だという安易な理由で盲目的に投資するのは、原が全盛期をとっくに過ぎて大した活躍が期待できないネームバリューだけはある選手に、自分が昔からよく知っていて扱いやすい選手だからという理由で投資(獲得)しているのと同じことなのではないか。

自分が知る過去と同じような働きを求め投資(獲得)しても、そんな働きは客観的に見て到底できる実力はもはや備わっていない。

例えば低迷が続く加工食品老舗のゼネラル・ミルズやクラフト・ハインツを例にあげます。

これら企業は現在配当利回り約5%と、高配当銘柄を好む投資家からすればとても魅力的な利回りとなっています。

安定的な売上が期待出来るディフェンシブで強いブランドを持つ食品企業という個人的にも好みの属性の銘柄で実際に投資している企業です。

両銘柄とも歴史のある、アメリカ食品業界を代表する銘柄です。実績十分です。

でも当然ですが過去の実績は将来を保証してくれるものではありません。

すでに衰退が始まっているかもしれないし、このまま低迷していくだけで二度と往年の業績を上回らないかもしれない。

言いたいことは、ゼネラル・ミルズやクラフト・ハインツ、アルトリアグループといった歴史の裏打ちのある銘柄が、実は中島や岩隈のように、とっくに全盛期を過ぎた二度とかつての輝きを取り戻せない銘柄である可能性だってあるということです。

そんな衰退するだけの銘柄(選手)を、割安になったというだけでナンピン買いして獲得していても、上向くことはもうないので未来はありません。

自分が投資をし低迷し続ける高配当株が、引退間近の選手にしか過ぎないという可能性を考慮した投資をする必要性は否定できない。

具体的には、1つの銘柄への投資比率を一定ラインを超えないように守るということであったり、売って別の銘柄を買うという選択肢もあるでしょうし、他に現実的な方法としては、様々な性質の銘柄に分散投資するということだったり、究極にはS&P500に連動するETFに投資するという方法なんでしょう。

野球チームは、全盛期を過ぎたベテランばかりだとチームとして機能しませんし、勝負にも勝てません。

若手・中堅・ベテランのバランスが大事です。

これは投資も同じで、年老いた高配当銘柄・高配当で低増配率の連続増配銘柄ばかりに盲目的に投資していると、気付いたら過去の栄光だけをぶら下げた未来のない年寄りばかりが集まった不健全なチーム(ポートフォリオ)になっていたなんて事態がありえます。

原の補強の仕方を見てるととても不快感なのですが、重力に吸い寄せられるように高配当銘柄・歴史ある連続増配銘柄に過去だけを見て投資しがちな自分の姿も実は不快感を感じなければいけないんじゃないか。

人の振り見て我が身直せ、原の振り見て我が身直せです。

ただ例えば連続増配株と一言に言っても、各銘柄の性質は様々で一般化はできません。ジョンソン・アンド・ジョンソンやスリーエムのように毎年業績を拡大させている、戦闘民族サイヤ人のようにずっと若い時代のままの銘柄もあるし、業績がジリ貧となりキャッシュフローに余裕がなくなって、配当性向がどんどんと上昇し増配率も年々低下の一路をたどる銘柄もあります。

また歴史ある銘柄というのは、中にはコダックのように破産してしまう銘柄も一部にはありますが、一時的な低迷期間があっても結局は業績が回復する銘柄もある(歴史ある銘柄はむしろこちらが多い印象)ので、老いていくだけの銘柄の見分けをつけるのは本当に至難の技です。

そう考えると、分散投資して1つの銘柄の比率の一定ラインを守るというのが現実的な対処法となります。

高配当株・連続増配株を中心とする投資方法自体は自分の性格的に合っているので、変えるつもりはありません。

ただ物事に疑いの目を向けるのは大切なので、その視点は持っていようと思います。

ポートフォリオ構築に終わりはないので、常に疑い悩むがよいよ青年(壮年?)よ。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です