アルトリアグループ(MO)の株価の下落が止まりません。
MOは僕の配当金に占める割合が高い会社なので、どうなのかと懸念はありますが、ずっと下がってばかりでこの銘柄への関心・興味が薄れつつあるのを実感しています。
良くも悪くもフィリップモリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコを含んだたばこ銘柄全体に対して鈍感になってきました。
株価が50ドル代半ばくらいの頃は、ここが買い時なのか、まだまだ下がるのかと株価の行く末がとても気になり鼻息ふんふん丸でしたが、そこからはるか下に突き抜けましたので、もうどうでもいいやと株価チェックする頻度も激減してきました。
こうして人は自分の下限の閾値を突破されて株価が下落した株への興味を失い、含み損を抱えて凍死家になっていくのかと現在進行形で体験しております。
そういえば同じように株価がひたすら下落して配当だけもらいながら決算発表にも興味をなくして放置しているIBMという銘柄がありました。
素人の興味が完全になくなると底値と思いますので、その理論でいくと自分が興味を失ったIBMは底値なのか・・。
こちらはついに好決算で火を噴きました。
さて、アルトリアの現在の株価は44.7ドルで、配当利回りは7.16%と、7%を超える超高配当銘柄と化しています。
シーゲルランキング1位の銘柄が7%超の高配当なんて、夢のようですわ(棒読み)。
1月22日には、モルガン・スタンレーのたばこセクターをカバーする華々しい経歴をもった女性アナリストがアルトリアのレーティングを「アンダーウェイト」にダウングレードし、目標株価を54ドルから45ドルに引き下げました。
その結果株価はまたもや暴落しています。
しかしこれだけ下がると、アナリストのアホなレーティングが原因で株価が大幅に下落して株主に損害を生じたとして、モルガン相手に株主訴訟して損害賠償請求してもよいのではなかろうか。
格下げの理由ですが、紙巻たばこの売上需要の低迷とアメリカのたばこ規制当局であるFDAの規制の脅威が主要因のようです。
後者の規制は慢性的な頭痛とか腰痛と同じで、たばこ銘柄につきまとう持病のようなものなので、「2030年までにすべてのたばこ製品は禁止する」とか猟奇的に嫌煙家のWHOやFDAの担当者が突然血迷って言い出さない限りは大した理由にもならないのではと思っています。
前者の紙巻たばこの需要低迷は、値上げでやコスト削減でカバーできる以上のスピードで進んでいくと脅威ですが、これもずっと言われていることなので今更な理由ですね。
モルガン・スタンレーは紙巻たばこの需要は今後10年で年間6%のスピードで下落していくと予想しています。
また、アルトリアは電子たばこ最大手のジュール(Juul Labs)の株式を取得しましたが、それも高値買いだと思われています。
MSのアナリストは、2019年と2020年のEPS成長を、それぞれ4%と9%と予想しています。
これはたばこ需要の低迷、増加する金利負担、自社株買いの減少を考慮した数字であり、ウォールストリートのコンセンサスよりは下の数字です。
EPSが上がれば配当金を維持できるので、高望みはしません。
なお、このアナリストはアルトリアとは反対になぜかフィリップモリスには相対的に強気で、電子たばこの規制問題やFDAの規制リスクは米国外で事業展開するPMには及ばないとして現在の株価よりも高い80ドルをターゲットプライスとしています。
そんな単純な考えでいいのかよ。アメリカでスタンダードになった規制はそのまま世界中の国々に輸入されることは想像に難くないと思うのですが。
今回アルトリアの格付けを変更したモルガン・スタンレーは、リーマンショック時に存続が危ぶまれる状況になりつぶれる一歩手前までいった会社です。
自分の会社の適切な格付けもできない会社が、他社様の会社を格付けするとは傲慢も甚だしい。
不人気になればなるほど、たばこ株に興味をなくす人が増えれば増えるほど将来のリターンが上がるセクターだと思っていますので、短期的な動きには惑わされずに、たばこ銘柄だけでポートフォリオの大部分を占めない範囲でちびちびと配当再投資をしていこうと思います。
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