投資を始めたばかりの投資初心者は、大きな目標を立てがちです。
1年で資産を2倍、3倍にするとか、3年で最低でも10倍にするとか、どうしてもビッグドリームを見てしまいます。そっちのほうが自然で人間味があって普通のことです。
10年で資産をたった2倍にしたいなんてつまらない目標をいったいだれが掲げるでしょうか。
僕もつい数年前までは、3年で株式資産を10倍にするぞと鼻息荒かった時代がありました。
840億ドル(約9兆円)もの資産をもつ世界第3位の資産家で、最も投資で成功している人間であるウォーレン・バフェットでさえ年率リターンの平均は20%程度なのですから、数年で株式資産2倍とか10倍とか、いかに現実離れした目標であるかがわかります。
年率20%のリターンと聞くと大したことないような数字に思えてしまいがちですが、ものすごい数字なんです。
ネットや雑誌やメディアを見ていると、1年で資産を5倍にした人とか、投資で瞬速で1億円達成して億り人になった人がわんさかいるような印象を持ち、自分もあっち側の世界の人間になりたいという欲求を抑えるのはとても難しいです。
他人と比較しないで生きていければ人間どんなに幸せかと思います。
しかし、そんな短期間で資産家になれるのはほんの一握りの人で、圧倒的大多数の人は、結局は夢見た資産額を達成できず、逆に損失を被って資産を減らした上に株式投資自体が嫌になって投資を辞めてしまうという現実に行きつきます。
壮大な数値目標を設定したところで、ほとんどの人はそれを達成できない可能性のほうが大きいです。そして悲しいことに自分が当事者にならなければそのことを理解できません。
結果にコミットできなかったときに心が折れて株式投資を辞めてしまうというのは1番もったいないパターンだと思います。
株式投資で1番大切なことは、市場から退場せずに投資を続けることです。
そうすれば、長期的な世界経済の成長に合せて株価上昇や配当のリターンを受ける可能性が高まります。
投資を継続することが最も大事なことで、儲けるのは二の次です。
アマゾン創業者で現在資産世界一(離婚して奥さんに財産分与したら何位になるんだろう)のジェフ・ベゾスがバフェットと会食したさいに、以下のような有名なやり取りがありました。
ベゾス氏:“Your investment thesis is so simple…you are the second richest guy in the world…. Why doesn’t everyone just copy you?”
「あなたの投資テーゼは非常にシンプルなものだ・・貴方は世界で2番目に裕福な人間だ・・なぜ誰も貴方のやり方を真似ないのか?」
バフェット氏:“Because nobody wants to get rich slow.”
「誰もゆっくりお金持ちになりたくないからさ」
世の中、ゆっくりお金もちになることを放棄して短期的に楽してお金もちになることに腐心している人ばかりです。
ゆっくりお金もちになれない投資方法はすべて排除していき、残った投資方法を採用するのが普通の人にとっては1番いいやり方なんでしょう。
具体的な目標を立ててそれを達成できず心が折れて投資自体に興味をなくして辞めてしまうんだったら、いっそ目標なんか立てないで、毎月1万でも3万でも5万円でも、積み立て投資をひたすら継続していくほうが価値があると思います。
これは投資だけではなくダイエットでも運動でも勉強でも同じですが、目標を立てることが逆に自分を苦しめ嫌になるよりは、まずは1日15分でもやることを習慣化するほうが効果はあるように思います。
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