子どもが幼稚園に入ると妻はママ友の家庭との比較をするようになる

4月になると、進学、進級、就職、異動等で自分も家族の環境も変わることが多いです。

求めてもいない環境変化が生じる春は嫌いなので、桜の花びらというのはそんな不条理な環境変化を強制させる季節から僕へのちょっとしたお詫びの気持ちの現れのように思われる春うららな3月下旬です。

この春に子どもが幼稚園に初めて入園するという家庭もあるかと思います。

まだ1人でトイレにも行けないのに、うちの子は大丈夫なのか、お友達と仲良くやっていけるのかと心配は尽きないことと思います。

ただ、子どもは親が思う以上に幼稚園でしっかりと成長してくれます。

心配すべきは、子どもではなく幼稚園入園に伴う妻の環境変化のほうです。夫はここを今のうちからしっかり理解して心の準備をしなくてはいけません。

今回の記事の対象は、妻が専業主婦の家庭で、マイホームがなくてマイカーもなくてこれからもそんなもの不要と思っている人で休日に家族サービスもしていないお父さんです。

専業主婦家庭で、初めての子どもが幼稚園に入園するということは、ファイナルファンタジーVIIで例えると、ミッドガルから初めてワールドマップに出る状況と似ています。

世界が初めてオープンワールド化します。

なおここでいう世界とは妻にとっての世界です。

これまでは、妻の世界のほとんどは夫と子どもの家族だけだったでしょう。

せいぜい接触のある他者は、平日昼間に子どもを連れてたまに遊びに行く自治体の児童館や、近くの公園で何回か顔を合わす同じく子連れの同世代の奥さんくらいです。

子どもが小さいうちは子育てに忙しく時間もなく子育てに疲弊し、通常は友達と会う機会も減る一方で、他人との接触は極力限定されています。

こういったクローズドな妻側の環境が、幼稚園入園に伴いコペルニクス的転回が発生します。

幼稚園の同級生のママ友との接触が不可避的に発生するのです。

同じクラスのママ全員が加入するグループラインや、紛争しか引き起こさないPTAのグループラインなんかも強制加入することになり、(生じないほう世界平和のためにはよい)新たな人間関係が発生します。

(余談ですが、幼稚園のPTAの有様を見ていると、女性というものは同一性だけで集団化してはいけない生物であること、女性比率の高い企業への投資は控えようという思考になります)

そしてそういったこれまでなかった多数の同世代の同種族との接触を通じて、通常の世間の家庭とはどういったものかを理解し、これまで何となく感じていた自分の家庭が普通ではないという思いが確信へと変わります。

・○○ちゃんのおうちは、今度幼稚園休んで沖縄旅行に行くみたいだよ

・○○ちゃん今度グアムに行くんだってさ

・○○ちゃんのママはパパから誕生日プレゼントにおうちを貰ったんだって

・○○ちゃんちは毎月ディズニーランドに行ってるみたい

・○○ちゃんちは今度マンションを売って一戸建てに引っ越すんだってよ

・PTAの役員の○○さんのおうちに行ってきたけどキッチンも広くてすごい綺麗だったよ。ああいう家がいいな

・今日幼稚園のお母さんとランチ会あったけど、車もってないって言ったらみんなにびっくりされたよ

以上のような、子どもが幼稚園に入園する前の家族だけの閉じられた平和な日常ではおよそ出てこなかった他者との比較を前提とした妻の発言が劇的に増加します。

夫の想像以上に妻は他者の家庭との比較でストレスを感じています。

夫が大企業勤めで年収が世間より少し高くても、家族への還元がないとそんなもの無価値です。

いつも投資家から批判している内部留保だけ貯めて株主還元をしないどこかのダメな日本企業と同じです。

家族にとって良い夫・良い父親とは、借金まみれのアメリカの生活必需品企業やたばこ企業のように、稼いだお金はすべて家族に還元する配当性向が100%を超えるような人間を言うのです。

特にこれは家を買っていなくて賃貸住まい、車も保有していないという稀有な人には覚悟して欲しいのですが、幼稚園の同級生の家庭でマイホームもマイカーもない家庭なんか普通は存在しません。

そんな家庭は天然記念物です。

男1人だったら全然いいんです。持ち家も車も保険も一切不要です。そんな貧乏一直線になるモノやサービスにお金を使うんだったら、その分株式投資にお金を使うべきだ。

まったくもって正論です。

もっとも、マイホームなんて35年借金の奴隷契約まじ乙、マイカーなんて維持費に税金にお金がとられるだけで不要だろうと夫はそう思っていても、妻側はそう思ていないケースが世の中的には圧倒的大多数です。

マイホームやマイカーを買わない夫なんて妻にとっては存在価値がありません。

妻にとっては株式投資のよくわからん将来の配当金なんかより今度の休みに家族でマイカーでドライブに行く方がよっぽど価値があります。

妻がママ友に車がないなんていうと、「いった車なしでどうやって生活しているの?」というツッコミが各所から入ったり貧乏な家庭に思われてしまいます。

投資中毒の世間知らずの夫はお金を貯めて投資していれば満足なのでいいのですが、女性はどうしても周りの家庭と自分の家庭を比較します。

場合によってはそれにより自分の家庭に惨めな思いをします。愛する妻にそんな思いをさせたくないですね。

徐々に外堀を埋められてマイホームとマイカーを買わざるを得ない状況になるのを座して死を待つよりは、もう腹を決めて自発的にマイホーム探しを楽しんだほうが、家庭平和に資しますね。

妻だけでももういっぱいいっぱいなのに、状況が悪化すると、これが子どもにも派生していきます。

これまで賃貸だった家庭も、幼稚園に入ると次々にほぼマイホームを新しく買います。

その話題がママ友トークのネタになり、子どももその話を常に聞いています。

子どもから、「なんで○○ちゃんのおうちはくるまがないの?」「パパ〇〇ちゃんのおうちはいつおうちをかうの?」「ママがきっちんせまいっていってるからはやくおうちかいなさい」と言った言葉を発する事態になったらもはやこれまでです。

こういった妻と子どもの状況から、それでも家と車を買わないという心を貫ける人は、鋼ではなくてオリハルコンの精神がない限り無理です。というか唯我独尊、結婚にそもそも向いてない人だと思われます。

結婚して専業主婦家庭になり子どもを持つと言うことは、それ即ち今世はあきらめマイホームとマイカーを買い家族に稼いだ利益の大半を還元する配当性向の高い人間になるということと同義です。

なお僕のマイホーム探しの履歴は、ぜひこのブログを遡ってご覧ください。

いったん買うと決めると、存外とマイホーム探しは楽しいものですよ。

女性目線から見ると、なんとも内容のない浅はかな記事で恐縮です。