家族4人の引っ越し代金を20万円超から8.5万円まで値引きした方法【12万5000円の値引きに成功】

個別最適ばかり追求すると、全体最適は達成されません。

例えば、消費者が消費者としての利益だけを追求して、値下げを求めて企業がそれに対応して過度の値下げをすれば、利益が小さくなり社員にお金を還元できなくなり給料が減り、人が解雇されるといったように、どこかにしわ寄せや反動が発生します。

そのため、社会全体の最適化のためには、過度に消費者側の利益ばかりを最適化するのはよろしくありません。自分は消費者であると同時に労働者でもあるわけですから、適正なサービスには適正な対価を払い、適正なインフレを達成し物価も給料も上昇していく。それが理想です。

引っ越しだってそうです。安くすることだけ考えて値引きばかりすると、引っ越し屋さんの利幅が小さくなって余裕がなくなりブラック企業化し、引っ越し屋のお兄さんたちの給料が上がりません。彼らにも養う家族はいます。

しかしそれでも、引っ越し代金の値下げ交渉したいとう人は、以下の引っ越し代金の大幅な値下げに成功したケースをご参考にしてください。

マイホーム購入に伴い、引っ越しが発生しました。

家族4人(幼児2人)での引っ越しです。

マンション販売会社指定の引っ越業者が見積もりにきて、20万を超す初期見積もり額から8万5千円までの値引きに成功しました(洗濯機設置費用含む)。

僕は引っ越しはもう6回目です。

かつてニーチェは、人間は同じ場所にずっと住むと腐ってくるので2年以上同じところに住んではいけない旨を発言をしました(確かニーチェだったような・・)。マイホームを購入し、かの偉人の言に反することを実施することを遺憾に思います。

ライフステージに応じて引っ越しばかりしている引っ越し貧乏なので、せめて引っ越し代だけは節約したいという思いが強いです。

前回の引っ越しのときも、初めの15万円の見積もりから7万9千円までの値引きに成功しています。

まず、引っ越し業者がどのように費用見積もりを算出しているのかを述べます。

これは見積もりにきた営業主任のお兄さんが教えてくれました。

見積もりは、ほとんどの会社でシステム化されており、営業担当者が、あらかじめトラックの台数とか引っ越しの距離とか段ボールの数とか必要な作業員の数とか、家財の分量を見ながらいろいろな項目や数値をシステムに入力するとコンピュータが計算して見積もり数値がでてくるような仕組みになっています。

ここから、値引き方法の核心を言います。

それは、「競合他社で既に見積もりしてもらって、他社は○○円の提示だった」とはっきり言うことです。もうこれに尽きます。

○○円のところは、自作自演で無問題です。適当に安い金額をねつ造して言ってください。

相場がわからなかったら、家族4人での引っ越しだったら、ネットで「家族4人 引っ越し 料金」などとグーグル先生で検索して法外料金とならない範囲で地域の相場で1番安い料金を入れればよいと思います。

重要なのは、「競合他社が既に見積もりしていること」と「競合他社の見積額が安かった」という2点です。

自分は競合他社を選択できる立場にいるのだということを、明確に示してください。

僕のケースは新築マンションでしたので、販社による引っ越し業者指定でしたが、そんなの関係ありません。

他社からの見積もりは実際にはしてもらっていませんが、他社見積もりは既に実施済みという前提で話をしました。

引っ越し屋の営業員にとっては、現場に見積もりにまで来たのに客から案件をとれないほど屈辱的なことはありません。

目の前のネギをしょっているカモをみすみす逃すようなものです。

赤字にならない範囲であれば、必ず競合他社よりも少しでも安くして案件をとろうとします。その心理をこちらが利用するのです。

間違っても、営業員が提示した見積もりを見ながら呑気に「いやー高いですねー。ここからどれだけ値引きできますかね~」などと相手の意思にゆだねるような受け身的なことを言ってはいけません。

これは悪手です。選択権はこちらにあるのです。

相手方が見積もり額を提示する前に、競合他社の見積もり額はいくらだったとしらを切って先に具体的に名言してください。これが先方にとってプレッシャーとなります。

いつもいつも「国際情勢を鑑みて状況に応じて適切に判断する」ことしかできないどこかの超受け身な国家のように後出しの精神では資本主義社会では生存していくことはできません。

必ずこちらから具体的な金額を出して先制攻撃してください。

相手が見積もり額を提示する前に、「既に○○引越社に見積もりしてもらっていて、○○円だったので、それより下を希望します」とはっきり言いましょう。

その後で、システムから算出されたべらぼうに高い見積もり額が提示されますが、契約が欲しい営業担当者は必ずそこから減額してきます。

権限がない営業員であれば、自分の裁量を超える値下げの場合には、営業所の権限者(上司)に電話をして、この金額まで下げてもよいかと聞いて確認するでしょう。そうなればしめたものです。

この時点で、かなりの値下げが実施できる可能性が高いです。

相手が電話しているときに、冷たい麦茶やお菓子を出してあげればなおよいでしょう。

あくまで自分と営業員さんとは、値下げした金額で引っ越しを実施するための同士なのですから、労わってあげましょう。決して上から目線ではなく、穏やかに笑顔で接します。そして一緒になって上司を説得してあげるのです。

僕のケースは、競合会社による見積もり額が8万9千円だったと先に述べました。

営業員さんからは「かなり安いですねー」と笑いながら反応が返ってきました。金額はもちろんねつ造です。いいんです適当で。

そしてその後出てきたシステムによる見積もりが21万円ほどでした。オーマイガー!

そんな高いんだったら「まじっすか」と鼻で笑うしかありません。

引っ越し先での洗濯機の排水管の設置費用も有償オプション(数千円)だったのですが、それも競合他社は無償で費用に含めてくれたということにしました。

なんといってもこちらには8万9千円で見積もってくれた競合他社(仮想)が存在しますので、こんな金額で受諾できるわけがありません。

ここでもう1つ重要なことをいいます。

引っ越し業者は、初期見積もり額からなんとか値下げした金額を再提示してきますが、その前に、「値下げしてくれれば、この場で貴社に決めます」とはっきり言ってください。

相手も人間です。ヤクザのように値下げを要求して安い見積もりだけ出させてそれをまた競合他社に見せて比較するような、引っ越しを自社に依頼してくれるかどうかもわからないような不誠実な人間に対して、安い金額を提示することはしてくれません。

営業所の上司にまで連絡してOKをもらった値下げ金額だったのに、結局契約がとれませんでしたらで終わったら、営業員のサラリーマン的な立場もありません。

従って、営業所の上司に電話連絡して承諾をとる前の段階で、「これより値下げしてくれたら御社に任せる予定だ」とコミットしてあげてください。

そうすることで、営業員も案件をとるためになんとか値下げしてやろうというインセンティブが働きます。

契約してくれることを大前提に、出血一歩手前までの大幅値引きの見積もりを出してくれるでしょう。

おそらく引っ越し業者からも、「私どもに任せてくるということでよろしいでしょうか?」と聞いてきます。

「既に見積もり済みの○○引越社よりも低い金額であればこの場で貴社へ任せることを決めます」との言葉に、引っ越し業者は弱いんです。

欲しくてたまらない契約が必ず取れる選択肢を得ることになりますので。

20万を超える金額を提示され、ふーむと苦笑いして沈黙していたら、予想どおり営業員から、「自社に任せてくれるか、そうでないのか」と確認されましたので、「御社を1番信頼しているので、ぜひともお任せしたいと思っているのだ」と言いました。

その後、営業所の上司に電話し、値下げの承諾を得て、8万8千円の見積もりを提示してくれました。空想の競合他社よりも1000円安い金額です。

しかし僕は、貪欲な男なのです。もう数千円いけませんかとダメ押しで打診しました。

営業員さんも相当困惑していましたが、粘った結果、ここから3千円ほどさらに値引きに成功しました。

さすがに営業所に電話して承諾をとったあとに万単位の値引きは無理なので、数千円が限界だと思います。結果8万5千円でフィックスです。

初めの見積もりの21万円から、12万5千円の値引きに成功しました。

最後に、値引きの大事なポイント2つをもう一度まとめてみます。

  • 競合他社からの見積もり額を先に具体的に提示する。実際に先に見積もりしてもらっていなくても、嘘でもいいから見積もってもらっていることにする。
  • その見積もり額より下げてくれれば、この場で貴社に決定すると明言する。

値下げしてくれた場合は、担当営業員さんに丁寧にお礼を伝えましょう。

なお、一概に安い金額で引っ越しできればいいわけではないということには注意してください。

あまりに値引きすると、引っ越し会社は引っ越しにかかる人件費を抑えようとします。

つまり、人件費の高いベテランの正社員ではなく人件費の安い引っ越しに不慣れな臨時のアルバイトを使ったりします。

値下げの結果、正社員3名の対応予定だったのが、利幅がなくなり正社員1名プラスアルバイトのがたいのいい大学生2名のメンバーになるといった事態が発生します。

結果、当日の引っ越しに予定以上の時間がかかったり、手際が悪くてこちらがいらいらするといったことが発生するかもしれません。引っ越しサービスが「安かろう、悪かろう」化する懸念が発生します。

大事な家財の扱いなので、値下げができなくともベテランで手際のよい正社員の人にしっかりと引っ越しを担当してもらいたい人もいるでしょう。

その場合は、その旨はっきりと希望を伝え、もし値下げの結果バイトの学生が担当になるんだったら、値下げしないでくれと言ってください。

僕のケースは、値下げに成功しつつもバイトは入らず正社員だけの対応を確保できました。

また、僕は平日の引っ越しでしたが、これが土日になるとプラス1万~2万の増額と言っていたので、土日に引っ越しする人は参考にしてください。

休日料金はもっと上がるのかと思っていましたが、意外にもこの範囲で収まるようです。