マイホームの購入検討に際して新築マンションのモデルルームを幾つか訪れたことがあります。
モデルルームは全てオプション仕様でオプションでないところを探すのが難しいくらいだし、担当の営業員からはそのマンションが建設される街がいかに住みやすいか、将来性に満ちているかといった夢のようなことしか話してもらえません。
自分で見るべきポイントや物件の評価の軸を持っていないと、営業員のセールストークにコロコロと心が動かされてしまいます。またたとえ自分の心が動かなくても、同席している夫や妻の心が動いてしまうので、注意が必要です。
幾つか実際にいろんな会社の新築マンションのモデルルームに行って、こちら側から言わないと出してくれなかった資料のパターンがあったので、紹介します。
新築マンションの購入を検討している方がいれば参考にしてみてください。
僕が行ったのは、ファミリー向けの3LDKが主要の普通のマンションのモデルルームが中心でした。
中古マンションでも同じ資料があるのかどうかはわかりませんが、不動産会社に聞いてみる価値はあると思います。
3つの資料を挙げますが、以下になります。
- 各部屋の想定賃料の資料
- 各部屋の時間別の日照時間の資料
- ハザードマップ
モデルルームで営業員に要請しないと出てこない資料その1:想定賃料表
新築マンションは、仮にそのマンションを賃貸に出した場合に想定される賃料がいくらくらいかという想定賃料価格をすべての部屋を対象に出しており、その資料を営業所に保管しています。
営業員との会話の中で、仮にこのマンションのある部屋を賃貸に出したらいくらになるかと聞いた場合に、最も顧客目線の回答は、内部で持っている想定賃料表を保管箇所まで取りに行って持ってくるか、そのコピーを渡すことです。
ただ、ここまで初めから自発的に動いてくれる営業員はなかなかいません。資料を確認しないで適当にレンジ相場で曖昧に回答された場合は、必ず想定賃料の試算表を見せてくれと言うべきです。
また、全部屋について賃料試算は実施しているので、全部屋についての想定賃料が記載された資料を見せてくれと言いましょう。
人生何があるかはわかりません。突然異動になってマンションを貸すことになるかもしれませんし、自分のマンションの賃料相場を知ることも勉強になると思います。
なおコピーが欲しい場合にそう言っても、内部資料だからコピーを渡せないと言われる可能性のが大きいかもしれません。
その場合は、ちゃんとメモを取るか、面倒臭くさい確認が必要な質問をして営業員が資料を確認するために離席している時に、さっと写メるしかありません(本当はダメですが)。
モデルルームで営業員に要請しないと出てこない資料その2:日照時間のシミュレーション資料
まだ完成していない新築マンションを購入する場合は、日照がどうなるかは建物が完成しなければわかりません。
たとえ南向きといっても、上の階のベランダ部分が大きな日影を作ってしまって日が中まで入らないかもしれないし、周りの高層建物の日影の影響が出る可能性もあります。
そのため、実際は完成した部屋に入らないと正確にどれくらい太陽の光が部屋に入るのかということはわかりません。
なのでこの資料を見てもだいぶ気休め程度の価値しかないのかもしれませんが、不動産会社は、各部屋に太陽の光がどれくらい当たるかという部屋別の日照時間のシミュレーションデータの資料を持っています。
この資料も、自分から見せてくれと言う前に自発的に見せてくれた不動産業者は自分が訪れたモデルルームの中では皆無でした。
この資料を持っている理由は、モデルルームの営業員に確認したところ、建築基準法か何かの法令により、マンション建設業者はマンションを建てる前にマンションの日照時間がどうなるかを機械を使って現地で測定し、法規制の日照時間に合致したマンションを建設しているからみたいです。
そして、各部屋について、例えば朝の6時から9時の時間帯に太陽の光が当たっているのか影となっているのかといった具合に、時間の推移に応じた日照の移り変わりを計算して資料にしています。
僕が行ったモデルルールでは、パソコンのシミュレーションデータとして部屋ごとの日影とひなたの時間別推移を見せてくれました。
夏なのか冬なのかといった季節によってもだいぶ日照は変わりますが、季節別のシミュレーションデータもとっているかということも聞いてみるといいと思います。
モデルルームで営業員に要請しないと出てこない資料その3:ハザードマップ
これは各地域の役所が出している資料なので、不動産業者固有の資料ではなく、気になる人は自分でしっかり調べるべき事柄ですが、不動産業者側も当然マンション建設地域のハザードマップを持っています。
洪水などの自然災害が発生したらその地域はどれくらいの水没が想定されているかといったことが記載された資料です。
川が近かったり、川沿いのマンションは、その川がどんな川でも必ずといっていいくらいにマンション販売業者は「リバーサイドビュー」とか「リバーサイドウォーク」とか「川沿いの潤いある生活」といった具合に川の存在をアピールポイントにしてきますが、大雨になった時にマンションが沈んだのでは話になりません。
モデルルームの担当営業員から、リバーサイドをやたらアピールされた場合は、「リバーサイド」=「水害リスクが高い」ということですねと言い返すくらいでないといけません。
リバーサイドは、自然災害時にはリスクになるという現実にも目を向けなければいけません。
もちろんそうならないようにしっかり調べて建設されているはずですが、東日本大震災の津波事例のようにこの世に絶対はありませんので、特に低層階を購入予定の人ほど、ハザードマップを確認し「万一の場合」の想定をし安全なのかを自分で確認しておく必要があります。特に家族連れの方であればこれは絶対です。
ハザードマップも、要請すれば出してくれますので、自分で調べていない場合は見せてもらいましょう。
まとめ
以上、新築マンションのモデルルームに行った時にこちらから要求しないと出てこない資料として3点を挙げました。
- 各部屋の想定賃料の資料
- 各部屋の時間別の日照時間の資料
- ハザードマップ
これら資料を見たところで、実際は購入の決断に決定的に影響を及ぼすというものではないかもしれません。
どの資料もあくまでも想定のシミュレーションですし、特にハザードマップはこれを気にしすぎてしまったらもうどこにも住めなくなってしまいます。
ただ、購入を検討しているマンションに関する資料をしっかりと見ているということが、物件を購入する段階での検討すべきことはしっかりと検討したという納得感につながることもあると思います。
マンションのモデルルールは、販売業者に都合のいいことは何も言わないでもしつこいくらい言ってきますが、そうでないことや都合の悪いことはこちらから要請しないと何も見せてくれません。
一切遠慮せずに、見たい資料は全部見せてもらいましょう。
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