穴を掘って埋める仕事をしたら埋める以上の余計な仕事が増えた話

金曜ロードショーで風立ちぬが放送されていました。

僕の人生の一作にランクインするくらい大好きな映画です。

たまりませんね、菜穂子の健気さが。

本当は妻とイチャイチャしながら風立ちぬを見たいのですが、妻がこの映画は好きではないので、家でゆっくりと見ることもできません。寂しい限りです。

謎の団体が映画公開当時に映画の中の喫煙シーンがけしからんとかいう声明を出していましたが、頭おかしいとしか思えませんでした。

さて、たんたんとした会社の仕事の日常の話です。

かなり昔に締結された海外の取引先との契約書について、事業部門から契約書の内容を教えてくれと言われ突然会議が設定されました。

事業部門の皆さんは、取引締結には必死なのですが、なぜか取引内容の全てが書かれている契約書の内容には一切興味がなく、誰も内容をしっかりと読みません。

取引前の会議で全く話題にならなかった内容や当社にとって不利になる内容も後出しジャンケン的に記載された契約書が、(特に相手が海外企業の場合は)取引先の企業からドラフトされるのは日常茶飯事なのに、自分が読まない書面に書かれていることはこの世には存在しない事象のようです。

殊にこれが英文契約書となると、英語を読めない、読みたくないで本当に誰も契約内容を読みません。大丈夫かよ日本企業。

そして自らは全く読まない英文契約書を、「先方様が来週中に締結したいと言っているからすぐに内容を確認してくれ」といつものように言われ何の背景事情の説明もなく投げられます。

そんな短時間で読めるわけないだろあほ野郎。こっちは他の仕事も抱えてるんだよ。まずお前が読んで事前に合意された取引内容がちゃんと反映されているか確認してから依頼してこいよおたんこなす。

と内心強く思いながら必死に誰も読まない契約書を読んで赤ペン先生みたいにしこしこと内容を修正しています。

そんな不毛な毎日に人生の多くの時間が費やされている我が人生です。

法務部は本当におススメしません。限りなく疲弊しますし何も生み出すことができません。いつか盛大に法務部をディする記事を書きたいです。

周りの間接部門を見ていると監査部とかラクで暇そうでいいですよ。

さて、話を戻しますが、今回の会議の対象となる古い英文契約書は、前のビジネス担当者が辞めてしまっており、事業部門では誰も内容がわからないということで、これはやばいとなって今更になって突然会議が設定されたという経緯でした。

会議まで時間がありちょうど業務に余裕があるときだったので、気合を出して契約書を読み込んでその内容をまとめた資料を作成しました。

会議参加者の誰も僕がこんな素敵なまとめ資料を作るとは想定していませんが、昔読んだビジネス書に、相手が期待する仕事のほんの1%でも上回る仕事を積む重ねることが良い仕事だ、みたいな言葉があったのを思い出し、相手の期待値を上回る仕事をしようと思って要約資料の作成に着手したのです。

僕は要約が好きではありません。要約すると本質が見えなくなります。ワード1枚や2枚の資料は背景事情や個別事情を捨象した中身のないテンプレ文言で埋め尽くされ、個別事案の特殊性が見えなくなります。

ですが、英語の逐語訳をし始めると内容もよくわからんし自分がしんでしまうので、概要まとめにしました。

会議前に完成させ送信したら、会議の場でビジネス担当者にこんな資料をつくってもらえるとは思っていなかった、本当にありがたい、これからこの資料は経典にして部で回すよあっはっはと大層感謝され狙い通りの結果でした。

感謝するなら金をくれという感じですが、ひと様の役に立てる仕事ができて何よりでございます。

しかしながら、会議の場で自分の作成した資料がベースラインとなって内容確認が始まり、上役に説明するときのために条文番号もちゃんと資料に引用してほしい、より細かなこういう場合はどうなんだ、逆にこうなったらどうなんだ、というより突っ込んだ質問や疑問が担当者に生まれ、もっと資料を詳細化する必要がでてきました。

これが何も資料を用意せずに会議に臨んでいれば、英語の読めない担当者から契約内容の質問を受けて適当に応答して相手にメモを取らせてまた疑問点があれば質問してくださいで終わったはずでしたが、資料をつくったことでより深い点まで担当者から突っ込まれることとなり、当然資料の更新作業は自分が行うので、自分に宿題が発生し仕事が増える結果となりました。

余計な仕事をがんばってしたらまた余計な仕事が増えてしまい、アイスカフェラテミルク多め氷少な目をがぶ飲みしないとやってられません。

ゴールデンウィークが待ち遠しいです。