アップルとクアルコムの特許訴訟和解でクアルコムの株価が連日の爆騰【QCOM】

IBMが決算でまたやらかしたようで株価が下がっていますが、今の僕はIBMよりもこちらの話題に胸いっぱいです。

時価総額100兆円のアップルに喧嘩を売った企業の存在をご存知でしょうか。

その名はクアルコムという携帯向け半導体最大手企業です。

クアルコムはiPhoneに半導体チップを供給していましたが、アップルは、クアルコムがアップルに法外な特許使用料を請求していたとして独占禁止法違反を理由にクアルコムを訴えます。

それに対抗するかたちで、クアルコムもアップルに特許侵害を理由に訴え返し、世界中の法廷で両者の訴訟合戦が展開されました。

これまでのところ、中国とドイツの裁判所でアップルによるクアルコムの特許権侵害の判断が出ており、クアルコム側優勢で推移しておりましたが、本丸となる米国本土の裁判所での判断はまだ出ていませんでした。

これら2年にわたる法廷闘争に両者が和解し、争いに終止符が打たれることとなりました。

世界最強の法務部と世界最強の顧問弁護士軍団を要していると思われるアップル相手に引くことなく戦い抜き有利な和解を勝ち抜いた持ち株のクアルコム選手に僕は拍手喝采したい気分です。

時価総額10倍近く大きな企業と訴訟合戦するなんて、通常はできません。

クアルコムのプレスリリースで和解の内容を確認してみましたが、以下のような内容でした。

  • アップルとクアルコムは、世界中の両者のすべての訴訟を取り下げる
  • 和解は、アップルからクアルコムへの一時金の支払いが含まれる
  • 2019年4月1日を発効日とする6年間のライセンス契約書を締結した。これにはさらなる2年間の契約期間伸長の選択権が含まれる。また、複数年のチップ供給契約を締結した

アップルからクアルコムへの具体的な支払い金額は非開示なので不明ですが、両者の和解を受けてクアルコムの株価は火柱の如く高騰しています。

アップルへのモデムチップの供給が止まることで業績にもネガティブな影響が生じていましたので、それが解消して今後はアップルから特許料が入り業績不安がなくなることで市場は楽観的になったものと思われます。

クアルコムは、今回の和解によるクアルコムの将来のEPS(1株あたり利益)の増加分は最大2ドルとしています(SBI証券のデータだと現在の1株利益は1.5ドルとなっています)。

昨日は23%強の株価上昇、本日は現時点で10%以上の上昇と、短期間にこれだけ時価総額の大きな持ち株の株価が2日連続してこんなに上昇するのを見るのは初めてかもしれません。逆に下落するパターンは何回もありますが。

稲妻が輝く瞬間というか、もう人生であと数回もないくらいの株価の上昇なので、感覚を味わっておこうと思います。

自称長期投資家に過ぎないのでこんなに株価が一気に上昇するとどうしたらいいのかわからなくなります。売りたい。

僕はアップルと訴訟合戦に陥り株価が低迷している時にクアルコムに投資をしました。当時の配当利回りは4%を超えており高配当銘柄でした。

現実の訴訟の大半は終局判決まで行かず和解で終結しますので、いつか今回のポジティブサプライズが来るといいなと思っていましたが、ようやく来ました。

なお、クアルコムに変わってアップルに半導体を提供していたのはインテルだったのですが、僕はインテルの株も持っているので、どちらにも頑張ってもらいたいと思います。

インテルの株価パフォーマンスもすこぶる好調です。

メディアを見ていると、競合となるインテル製の5Gチップは供給体制が整っていない一方で、クアルコム製の5Gチップはすでに供給体制が整っており、サムスンなどはすでにクアルコム製の5Gチップを採用しているようです。

アップルとしても、製品の性能面からクアルコム製を採用するのがビジネス的には妥当な判断と考えたようです。

結局は、クアルコムの優れたチップがないと高性能なiPhoneができないということですね。

同じように代替のきかない部品を提供している日本のサプライヤーも遠慮せずに集団でクアルコムのように「法外な料金」をアップルにふっかけてもいいじゃないでしょうか。

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