内弁慶な上司は部下が潰れる余計な仕事を増やす

サラリーマン経験が増えて色々な上司と仕事をしていると、こんな上司だといいな、こんな上司だとやだなという類型がなんとなく見えてきます。

もともと自分は人間関係を構築するのが得意ではなく、気が合う上司よりも気が合わない上司に巡り合う場合の確率の方が圧倒的に高いのですが、それでもなんとか働いています。

前の会社の部門のトップが、ものすごい内弁慶な人でした。

自部門の人間には非常に厳しくタイトな要求をし精神を病ませ休職者を生産する一方で、他部門の人間にはめっぽう甘く、迎合していい格好したがりな人です。サラリーマンな人間です。

法務部の辛いところは、他部門が事業としてしたいことにブレーキをかけなければいけないことが少なからずあるというところです。

新たな事業や企画を実施する場合に、法令上のリスクが高いからそのやり方は辞めてくれとか、こんな自社だけにリスクのある契約を他社と結ばないでくれとか、ビジネスにストップをかけることを言わざるをえない場合があります。

事業部にとっては、金のなる事業だと思っていたのに突然、何も利益を上げないビジネスの要諦を全く理解していない生意気な間接部門からストップやいちゃもんがつけられるのですから、当然面白くはないし事業が進まないし邪魔なだけなんです。

でも仕事なので事業部と対立してでも法令順守を優先して説得しなければならない場面があります。金儲けのベクトルの事業部と法令順守のベクトルの法務部は、絡み合いません。

ここが法務部のストレスなところです。自社部門と戦わないといけない場面があります。

八方美人というか、他者との衝突を避ける単なる「いい人」だと事業部門からかけられるプレッシャーや調整に耐え切れず、精神病みます。

担当者レベルで決着がつかないと、上長も入れて部門間で打ち合わせをするのですが、当時の部長が他部門の言うことは大抵何でも受け入れてしまう人間で、本当に困りました。

担当者レベルでなんとか粘り、自分としては、部門長からその部署に対して一発ガツンと言うべきことを言って説得して欲しいのですが、他部門からの評価を上げたいのか良く思われたいのかいつも笑顔で他部門の人間の言うことを聞いて、そちらに与してしまうのです。

担当者としては立場がないし、上司にハシゴを外される結果となり、たまりません。

しかも外にはいい顔するくせに自部門の人間には厳しく、自部門の人間が言うことにはいつも反対して態度も厳しく、しなくてもいい検討を指示したり、部下の能力やキャパをはるかに超えた対応を求めるんです。もちろん自分は口だけ動かすだけで何も手や足は動かしませんし。

こういう性格なのが他部門にも終いにはばれ始めて、法務の担当者レベルだとネガティブな回答が返ってきて面倒くさい調整が発生するような事案は、担当者には相談せずに担当者をいきなり飛び越えて直接部門長に相談する事業部の人間も出てきました。

そちらの方が企画が通りますから、そりゃそうなりますよ。

そして他部門から言われたことは全部引き受けてしまうので、結局自部門の仕事が増えるんです。

仕事を引き受けた本人はその仕事を自分では一切せずにすべて部下に、部下の仕事状況を一切考慮せずに回すので、下の人間の仕事が増えることになります。

しかもすべて筋悪の案件なので、迷路に迷いこむような報われない無駄な仕事を抱え込んで袋小路に迷い込みます。

こういうことをする人間に限って大学の先輩だったりします。

こんな小さな人間になりたくないなあと思い反面教師にしようと思いつつも、到底自分には部下から尊敬されるようなマネージメントができるとは思えないし、きっと権力を持ったらあの時自分がなりたくないと思っていた上司のようになってしまうのだろうなと考えてしまいます。

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