NTTドコモが9%増配(110円→120円)2018年度は増収増益決算で2019年度が業績の底

4月26日に持ち株のNTTドコモが2019年3月期の決算を発表しました。

ドコモは、携帯料金の最大4割の値下げを発表しており、この影響でしばらくは減益が続き、2023年度に2017年の水準である営業利益9,900億円を回復すると前々から発表していました。

5年間は利益の成長をしないと会社として宣言しているわけです。

そのため、普通に考えれば利益成長しない会社への投資で、株価の上昇による大きなキャピタルゲインを狙えるものではありません。

ドコモは、鉄壁の財務力を背景として高配当を享受するための銘柄という性格が強いと思います。

ということで決算発表で最も気になるのは株主還元、もっと言えば増配の有無と増配があった場合の増配率です。

ありがたいことに、増配予定のアナウンスをしてくれました。

2018年度は110円の配当金であったのを、2019年度は10円増配して120円とする配当予想(あくまで確定数字ではなくて現段階での予想という位置付けです)を出しました。

増配率としては9%となります。昨年は100円から110への同じく10円の増額で、10%の増配でした。

2019年度の予定配当性向は68.6%となり、2018年度の58.6%から上昇します。

増配に加えて、3,000億円の自己株式取得を設定しました。こちらは2018年度は6,000億円に上る自己株式取得を実施しています。

ドコモはもともと「継続的な増配」と「機動的な自己株式取得」による株主還元の加速を株主還元方針としていますので、これに沿った施策です。

僕としては9%も増配してくれてもう満足です。

ドコモの2018年度決算発表会の資料から、配当・自己株式取得と2013年度からの配当金の推移のグラフを抜粋して載せます。

2013年からの配当金の推移を見ていると、6年で配当金が60円→120年と2倍にもなっています。2016年には25%という高い増配率を記録しています。

決算の内容ですが、利益成長しないと言っていたのに営業収益が前年同期比1.7%増加の4兆8,408億円、営業利益は2.7%増加の1兆136円という増収増益決算となっています。

ただし、当期利益(純利益)は前年の7,924億円から6,648億円へ減少し、EPSも214.27円から187.79円へと減少しています。

2018年度は、Tata Sons Limitedから仲裁裁定金を受領しており、これを営業外収益に計上していたので、この特殊な入金が前年度にあったことが純利益の減少要因の1つです。また、今年度は法人税等の支払額が増加したとのこと。

以下、ドコモの決算資料より数字を載せます。

ドコモの2019年3月末の有利子負債は500億円しかありません。

アメリカの通信大手のAT&Tなどは20兆円の借金がありますし、ソフトバンクは17兆円の借金があります。

それと比較すると安全性が際立ちます。悪く言えば冒険して投資していないということでしょうか。

2019年度の業績は減収減益見込みです。営業利益は今年の1兆円から8,300億円への下落を想定しています。ただ、2019年度を底として、再び業績回復を目指す予定です。

イケメンな代表取締役のコメントに、「引き続き株主還元の強化に努めてまいります」という力強い言葉があったので、来年も増配を期待します。

配当性向が70%近くなってきたので去年や今年のように10%近い増配は厳しいかもしれませんが、また10円増配してください。

軸となる通信事業での値下げの影響が今後業績に反映されてきますが、散々通信株は下がっているので、いい加減賢く合理的な市場はすでに織り込み済み?ではないかと考えているのですが、なかなか下げ止まりません。

5%の配当を享受できれば満足なのですが、2023年度を待たずして、意外に業績が落ちずお客様還元を上回る額のコスト効率化が達成でき、早い時期に過去最高益を達成というポジティブサプライズを密かに期待しています。

今回の決算を受けて、時間外でドコモの株価は上昇しています。

ちょうど権利日前の3月後半の日本株全体が急落した時にドコモに追加投資していましたので、これで含み損が消えてくれると心理的には嬉しいです。

スマホ料金が高くて搾取されていると思う人は、ドコモやKDDIの株主になって利益の恩恵を受けると良いですよ。

また余談ですが、携帯料金が複雑でわかりにくいし家計を圧迫しているという権力者のコメントは、その10倍はわかりにくい複雑怪奇な税制をシンプルにして、重い所得税、住民税や消費税を減税してから言って欲しいです。

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