大企業に入ると、基本となる給料以外にも、従業員への福利厚生として種々の好待遇を与えてくれることがあります。
個人事業主やそういった制度のない企業の従業員にとっては、なかなかイメージできないものもあると思います。
会社員ではありませんが、いかれたボス弁護士のワンマンブラック事務所に嫌気がさして企業に転職し企業内弁護士となった同期の友人などは、健康診断の費用が会社から出るということに大変感動して会社ってすごいなとのたまっていました。
福利厚生といっても、その意味するところは広いです。
伝統的大企業だったら、社員限定の保養所があったり、結婚式場があったり、寮や社宅があったり、財形貯蓄制度があったり、会社が提携している福利厚生サービス提供の外注会社経由で各種の商品・サービスを割引価格で購入できたり。
僕などは福利厚生として活用しようのない特典をくれるんだったら、素直にそのぶん現金として給料を上げてくれと思うのですが、株式の配当金に対して、現物供与の形態をとる株主優待的なポジションのものが人間は好きなようです。
例えば、福利厚生サービスを運営しているリロクラブといった、会員企業の従業員限定となるサービスを受けることができ、旅行代金とかコンサートのチケット代金とか引っ越し代金とか英会話代金とかスポーツクラブの入会金免除とか、各種の商品・サービスを一定割合の割引価格で使用することができるサービスは使用している人も多いのではないでしょうか。
企業によっても内容は異なると思いますが、これまで在席した企業の中のある企業はこういったサービスで実質年間数十万単位での無償補助を提供してくれるところもありました。
旅行好きなアウトドアな人や買い物好きな人には、こういった福利厚生サイトの効用は大きいと思います。
ただ僕のように頻繁に旅行は行かないし大学生のころの服を未だに着ているような人間にとっては、そもそもそういったサイト自体を使おうという発想にはなりません。
ログインのIDやパスワードを毎回忘れて面倒くさいし割引額も大したことないしで、ほとんど使用することがありません。
1番効用の大きい福利厚生は、やはり住宅に関する補助でしょう。これがあるかないかで、だいぶ違います。
住宅を購入するさいに住宅購入補助として100万単位でお祝い金?のようなものが出たり、家賃補助として家賃の3割とか5割とか8割とか補助金がでたり、格安で社宅に住むことができたり、かなり恩恵は大きいです。
実質的に年間100万以上住宅補助で所得が増すなんてケースも普通にあります。
リーマンショック等の不景気な時代に伝統的な大企業でもこういった補助が削減された時期がありましたので、昔はこういった制度があったという古き良き時代の恩恵を聞いて羨ましくなったりすることもあります。
比較的新興のIT系の企業だと、職場から3駅以内の駅が最寄り駅だったら毎月3万円家賃補助するとかいう、長時間労働促進制度みたいな謎の家賃補助制度もあります。
僕は1番初めに就職した企業の住宅補助制度がずば抜けてよく、転職時にこれが1番ネックになりました。
結婚したときにMAX額の家賃補助がもらえるような家賃のマンションに引っ越して住んでおり、家賃補助なしで自分の給料からのみでこの金額を支払うなんてことはできない状態でした。そのため、ほぼ引っ越し前提の転職でした。
また、家賃補助でかなり所得がかさ増しされている状態でしたので、たとえ基本給が高くても家賃補助のない企業に転職するだけで所得が低下することは免れませんでした。
転職エージェントからもらう様々な企業の求人書類を見ても、基本給はそこそこでも家賃補助制度が存在しなかったりしょぼかったりすると、転職の意思が幾分か萎えてしまうのも事実でした。それでも転職しましたが。
年齢や役職に応じて家賃補助の金額もだんだんと小さくなっていくのが通常ですが、長く補助金がもらえる会社に勤めていると、マイホームを買わずにずっとそこそこグレードの高い賃貸で暮らすという選択肢も経済合理性のあるものとなります。
それでも、やっぱり35歳くらいになるとマイホームを購入し始める人が多数派でした。
新卒で就職する人は、特に住宅に関する福利厚生の優れている企業に就職するとかなりお金の面では同世代の人と比較して恵まれた生活ができると思います。
他人のお金だったら、けちらずにいい所に住むのに抵抗もありませんしね。