「プロ野球戦力外宣告・クビを宣告された男たち」を見ると、安定したサラリーマンのありがたさがわかる

僕はプロ野球が好きなのですが、毎年年末にTBSで「プロ野球戦力外宣告・クビを宣告された男たち」という番組が放送されます。

これは番組タイトルのとおり、その年に球団から戦力外通告を受けてクビになった選手がクビ宣告を受けて次の進路を決めるまでを追うというドキュメンタリー番組です。

プロ野球は華やかなところしかニュースやメディアに出ませんが、毎年ドラフトで新しい選手が入る裏で、入る以上の数の選手が球団から契約終了されクビになっている過酷な現実があります。

第一線で長年活躍できるスタープレイヤーはほんの一部で、大半の選手は志半ばで契約を切られ、野球をしたくてもできない状態へと陥ります。

この番組自体は、もう10何年も放送されているので、内容はほぼほぼテンプレ化されており選手は違えど毎年同じような構成になっています。

テレビとして視聴者に訴求できるストーリー内容にしないといけませんので、基本的には選手1人のみでストーリーが完結してしまう独身の選手はドラマ要素が足らないので取材の対象にはなりません。

毎年だいたい3人の戦力外通告を受けた選手のストーリーが紹介されるのですが、皆守るべき人がいる選手です。

妻と幼い子どもを抱えた選手、婚約者と結婚しようとしていた選手、新婚で妻が妊娠している選手といった属性の選手のストーリーが大抵放送されます。

しかも放送時間の後半にいけばいくほど既に放送前半で放送したシーンを繰り返して放送したり、CMが多くなるというパターンです。

「妻と幼い子どもを抱える一家の大黒柱が突如として失業者になった、クビになった男に幼い子どもが投げかけた言葉とは・・」

「順風満干かと思われた男に突き付けられた突然の非情通告、将来を誓い合った婚約者が流した涙の意味とは・・・」

「歓喜に沸く日本一の翌日に突き付けられた無情の戦力外通告、その時妻のお腹には新たな命が宿っていた。男が選んだ選択とは・・・」

などというテレビ映えするテンプレストーリーに合致したストーリーが放送されます。

ただ、スタープレイヤーではないプロ野球選手の現実の過酷さや家族の人間模様に見入ってしまいます。僕は飽きずに毎年録画して見ています。

2018年は元ソフトバンクの城所選手、元ヤクルトの古野選手、元オリックスの塚田選手を放送していました。内容は上で述べたテンプレ通りです。

プロ野球選手は、「個人事業主」という扱いのようで、身分の保証が一切ありません。

球団と1年契約して活躍できなくて契約の更新をしてもらえなかったらそこで無職になります。何の身分保障もありません。

反対にサラリーマンは、手厚い労働法によって守られた身分ですので、解雇権濫用法理によりよっぽどのことがなければクビにはなりませんし、1年活躍できなくても減給はほとんどなく、せいぜいボーナス査定がさがって手取りボーナスが5%とか10%下がるだけで済みます。

新しいスタープレイヤーのような後輩が入って自分が用済みになっても、会社を戦力外通告されることなく他部署に異動させられるだけで済みます。

リスク回避志向の強い人にとっては、これほど恵まれた身分はないという考えも成り立ちますね。辛いことも多いですが。

普段は嫌なところばかりに思いがいきますが、最低限の仕事をしていれば毎月決まったお金がちゃんと振り込まれるサラリーマンには安定性というメリットがあります。

会社員という身分は安定的な債券に例えられることがありますが、まさにそのイメージですね。

粛々と株式投資ができるのも、会社員という安定した身分があってこそです。

若手のプロ野球選手は、引退後は一般企業で安定したサラリーマンになりたいという人が1番多いというニュースが出ていました。

いつ首を切られるか分からない業界で働いてる人にとっては、これほどありがたい身分はないんでしょうね。



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