コンサルがコンサルをコンサルする

僕の会社には、元コンサルタントの人が多く集まっている部署があります。部門のトップが元やり手のコンサルタントで、やっぱり自分と同じ属性の人が好きなんでしょうね。当時の部下や元コンサルばかりを採用してコンサルタント集団と化しています。トップの人を、その気質から僕は斎藤道三と勝手に心の中で呼んでいます。

とあるプロジェクトで外部コンサルに委託して事業を進めており、外部のコンサルと定期的に会合をしています。僕も少しだけ関与しているので、憂鬱になりながら毎回大勢の人間が参加するその会議に出席しているのですが、その会議のやり取りが刺激的で面白いのです。

一言で言うと、外部のコンサルよりも、うちの元コンサルの担当社員のほうがよっぽど優秀なのです。

なので、進捗状況の報告や論点に対する報告に対しても、びっしばっしと至らないところを切っていくし、しまいには資料の書き方についてもいろいろと注文を出します。

できが悪かったり求める水準に至っていないと、たまに怒声をあげてクオリティの低さを責めます。胃がいたくなる。

実際に自分がコンサル時代にクライアントにそうやって叩かれた経験があるのか、コンサル時代の自分の仕事ぶりと比較して外部コンサルが不出来すぎるのか、平和を愛する男である自分には人をそんなに責めることなんてできないので、すごいやり取りだなあと外野気分で見ております。

現役コンサル時代は3日3晩の徹夜もしていたみたいなので、労基法違反にならない程度に部下を働かせてこの納期までに成果物出してくれとか普通に発言していて、たとえ高年収でもクライアントにこき使われるコンサルタントなんて絶対なりたくないと思わされています。

外部の担当コンサルが哀れになるくらいのやり取りです。

外部の担当コンサルのマネージャーの人も、ネットでググるとその人が書いた記事がでてきたりその分野では実力のある人なのですが、それでもこのざまです。

さらに、僕の会社はこのプロジェクト推進のために、別のコンサルを常駐に近い形で内部で雇っており、このコンサルタント(社内側コンサルといいます)が外部コンサルと直接のやり取りをするのです。

つまり、社内側のコンサルと社外コンサルがやり取りし、それを上から社員が見るという、なんともすごい構図です。

この社内側コンサルがまた優秀な人で、会社名からすると年収3000万くらいもらっているんじゃないかというパートナーで、外部コンサルより格上なわけです。深夜2時にメールが飛ぶなんて当たり前の世界で鍛えられた屈強たるソルジャーです。

なので、社員の優秀な元コンサル集団と社内側コンサルの内部チームが、外部コンサルタントの仕事ぶりを糾弾するという、まさにコンサルがコンサルをコンサルするという謎の絵図となっています。

毎回会議が荒れるので、社内側コンサルの人(けっこう自分と話が合う)などは、場の平和のために外部コンサルは若くて容姿の良い女性をチームに混ぜたらいいのにと言っていました。人間工学的にはごもっともな意見です。

外から見ているだけだと面白いからいいのですが。外部コンサルのディレクター的ポジションの人の顔色が毎週青ざめて生気がなくなっているのが大変気がかりです。恐ろしい会社だ。

結局外部コンサルのクオリティが期待水準に到底満たず、当社側からの要請で、半分以上の担当者を実力不足でリプレイスしてもらうこととなりました。

この元コンサル集団で内部コンサルを数多く常駐に近いかたちで抱えている部署や中の人は他の部署から嫌われていることが多く、自分の部署の人もこの部署とは面倒くさいからやり取りしたくないと忌避する人もいるのですが、自分は人間的には馬が合う人が多く好感を感じているので、敵にならずに味方にすると大変心強いです。

なお、僕も自分の担当分野でやり取りしている人でこの人とはもう面倒くさいからやり取りしたくないという人がいたので、ちゃっかり便乗して上司にも言わずにリプレイスをお願いしてしまったのは内緒です。