バフェット銘柄の代表格コカ・コーラ(Coca Cola Company)の1989年から2018年の過去30年間の配当金額と増配率の推移・直近10年間の配当性向の推移を調べてまとめてみました。
コカ・コーラは世界最大の総合飲料メーカーで、200以上の国々で500を超えるブランドを提供している会社です。
直近だと2018年2月15日に5.4%の増配を発表しており、56年連続増配銘柄となりました。50年以上にわたり増配を継続している押しも押されぬ配当王銘柄(Dividend Kings)です。
そろそろ2019年の増配アナウンスの時期が近づいているので、株主としては楽しみにしています。
1989年~2018年の1株当たり配当金額・増配率の推移のデータを載せます。
数字は過去の株式分割調整後の数字です。
増配率は当年の配当金額を前年の配当金額で割って算出しています。
コカ・コーラは各年の第1四半期に増配するのが定例なので、四半期ベースの増配率とも合致していると思います。
西暦 | 1株当たり配当金 | 増配率 |
1989 | 0.09 | NA |
1990 | 0.10 | 17.4% |
1991 | 0.12 | 20.0% |
1992 | 0.14 | 16.7% |
1993 | 0.17 | 21.4% |
1994 | 0.20 | 14.8% |
1995 | 0.22 | 12.7% |
1996 | 0.25 | 13.6% |
1997 | 0.28 | 12.0% |
1998 | 0.30 | 7.1% |
1999 | 0.32 | 6.7% |
2000 | 0.34 | 6.3% |
2001 | 0.36 | 5.9% |
2002 | 0.40 | 11.1% |
2003 | 0.44 | 10.0% |
2004 | 0.50 | 13.6% |
2005 | 0.56 | 12.0% |
2006 | 0.62 | 10.7% |
2007 | 0.68 | 9.7% |
2008 | 0.76 | 11.8% |
2009 | 0.82 | 7.9% |
2010 | 0.88 | 7.3% |
2011 | 0.94 | 6.8% |
2012 | 1.02 | 8.5% |
2013 | 1.12 | 9.8% |
2014 | 1.22 | 8.9% |
2015 | 1.32 | 8.2% |
2016 | 1.40 | 6.1% |
2017 | 1.48 | 5.7% |
2018 | 1.56 | 5.4% |
【KO】配当金額の推移 1989年~2018年
1989年から2018年の30年間の1株あたり配当金額の推移グラフです。

何とも美しい配当王の右肩あがりのグラフです。自分の配当金も増配率の複利作用によってこうやって増加させていきたいものです。
1989年の配当金額0.0852ドルは2018年には1.56ドルとなっており、30年で17.3倍に増えている計算になります。
【KO】増配率の推移 1990年~2018年
1990年から2018年までの過去29年間の増配率の推移のグラフです。

グラフを見ると一目瞭然ですが、過去29年間を総体として見ると増配率は右肩下がりの状態です。
2017年、2018年の直近2年で最低増配率を2年連続で更新しています。
特定期間の平均増配率や最高増配率・最低増配率を挙げると下のようになります。
- 過去29年の増配率の平均値:10.6%
- 1999年~2018年の直近20年間の増配率の平均:8.6%
- 2009年~2018年の直近10年の平均増配率:7.5%
- 2014年~2018年の直近5年の平均増配率:6.9%
- 直近2018年の増配率:5.4%
- 最大増配率:21.4%(1993年)
- 最低増配率:5.4%(2018年)
20%を超える増配は1991年と1993年の2回あり、1993年を最後に25年間20%以上の増配はありません。これは少し意外でした。
10%以上の増配も2008年の11.8%が最後となっており、10年間二桁増配から遠ざかっています。
1998年から2001年まで増配率が一桁台と低迷していましたが、2002年には再び10%台の増配に復活しています。
リーマンショック直後の2009年にも7.9%の増配を実施しています。
2014年から5年連続して増配率が低迷している状況ですので、巻き返しを期待したいところです。
なお参考までに、ライバルのペプシコは直近2018年に15%の増配をしています。
【KO】配当性向の推移 2009年~2018年
2009年から2018年の直近10年間の配当性向(純利益の何%を配当金に回しているか)の推移です。
数字はMorningstar社のHPからとっています。

SBI証券のデータだとEPS1.56ドルでDPSも1.56ドルとなっているので、2018年の配当性向は100%になるのですが媒体によって数字が異なりMorningstarの数字が正しいのかどうかよくわかりませんが、ひとまず原文ママで引用しています。時間ができたら決算書を確認してみようと思います(多分おろらく)。
ここ数年の増配率が低迷していることから想定できるように、配当性向は年々余裕がなくなっています。
リーマンショック直後の2010年、2011年は30%台の配当性向で余裕がありましたが、2015年には80%を超え、2017年と2018年は100%超えと年間純利益を超える金額を株主に配当金として還元しています。
ただ、ウォールストリートが増配ストップや減配をある程度織り込むと、配当利回りが5%を超えるような水準まで株価は下落していくと思われます。
減配はしていませんが、今は加工食品大手のゼネラル・ミルズと、コカ・コーラと同じくバフェット銘柄のクラフト・ハインツがこの水準の配当利回りになっています。
コカ・コーラの現在の株価はそこそこ好調なので、財務に余裕がなくて増配がストップするという水準でもないものと思われます。
2017年はトランプ税制の影響で配当性向が異常に高い銘柄が多いので、直近2年の100%を超える異常な配当性向は、特殊な会計要因が原因と推測されます(ちゃんと調べろよという話ですが・・)。
僕は自分の持ち株のポートフォリオ全体の増配率を5%は維持したいので、コカ・コーラにはこの水準をクリアしていって欲しいです。
2018年の株価の推移と現在のバリュエーション
現在の株価等の指標と1年チャートです。
- 株価:47.57ドル
- 予想PER:25.4
- 配当利回り:3.28%

(出典:SBI証券HP)
コカ・コーラの2018年の株価のパフォーマンスはプラス6.6%でした。
S&P500がー6.24%だったので、ディフェンス力を発揮し相対的に好調な年でした。
2018年はイギリスの実店舗を運営するコーヒーチェーン・コスタを買収しコーヒー事業を強化し、さらに大麻飲料事業に進出するのではという報道も出ていました。
炭酸飲料に偏重している事業ポートフォリオを分散し、総合飲料メーカーとして発展しようとしているコカ・コーラの今後に期待しています。
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