11月19日に、持ち株のホーメルフーズ(Hormel Foods)が増配を発表しました。
ホーメルフーズは、1891年に創業された食肉製品の製造・販売を世界中で展開している総合食肉加工食品会社です。
豚肉と七面鳥の肉缶詰製品で有名です。
特にスパムは、アメリカの代表的な肉缶詰製品で、日本のスーパーだと西友に売っているのをよく見ます。スーパーでスパムを見るたびに株主としてのささやかな恍惚感に浸れるのは言うまでもありません。It goes without saying.
(ホーメルフーズのスパムです)
同じ製品をずっと売っている、地味で親しみを持てる会社です。
Wikipediaによると、スパムは安価で賞味期限も高いことから、第二次大戦から朝鮮戦争・ベトナム戦争時にアメリカ軍内の戦闘糧食として利用されており、アイゼンハワー元大統領から、同製品に対して兵士の健康維持に貢献したとして感謝状が贈られた歴史もあります。
そんなホーメルフーズは、今回の増配で1株当たり0.75ドルから、0.84ドルに配当金額が増加されます。これは12%の増配となります。
なんとこれで53年連続増配となります。押しも押されもせぬ配当王銘柄(50年以上増配を続けている銘柄)です。
ホーメルフーズは、1928年の上場以来、一度も四半期配当金を支払わなかったことがない(無配になったことがない)銘柄です。
【HRL】1990年から2019年までの過去30年の配当金と増配率の推移
ホーメルフーズの1990年から2019年(2019年は今回の増配を反映した数字)の30年間の配当金額と増配率の推移をまとめました。
配当金額の数字は同社のHPからとっています。
1株当たり配当金と増配率の年ごとの数字データは以下となります。
西暦 | 1株当たり配当金$ | 増配率 |
1990 | 0.0324 | NA |
1991 | 0.0376 | 16.0% |
1992 | 0.0452 | 20.2% |
1993 | 0.0552 | 22.1% |
1994 | 0.0624 | 13.0% |
1995 | 0.0724 | 16.0% |
1996 | 0.0752 | 3.9% |
1997 | 0.0776 | 3.2% |
1998 | 0.08 | 3.1% |
1999 | 0.0824 | 3.0% |
2000 | 0.0876 | 6.3% |
2001 | 0.0924 | 5.5% |
2002 | 0.0976 | 5.6% |
2003 | 0.1052 | 7.8% |
2004 | 0.1124 | 6.8% |
2005 | 0.13 | 15.7% |
2006 | 0.14 | 7.7% |
2007 | 0.15 | 7.1% |
2008 | 0.1852 | 23.5% |
2009 | 0.19 | 2.6% |
2010 | 0.21 | 10.5% |
2011 | 0.2552 | 21.5% |
2012 | 0.3 | 17.6% |
2013 | 0.34 | 13.3% |
2014 | 0.4 | 17.6% |
2015 | 0.5 | 25.0% |
2016 | 0.58 | 16.0% |
2017 | 0.68 | 17.2% |
2018 | 0.75 | 10.3% |
2019 | 0.84 | 12% |
【HRL】配当金額の推移(1990年~2019年)
1株当たり配当金額の1990年から2019年の30年間の推移のグラフです。
惚れ惚れするような右肩上がりのグラフです。
配当王ここにありですね。
【HRL】増配率の推移(1991年~2019年)
続いて、1991年から2019年までの29年間の増配率の推移のグラフです。
1991年から2019年までの29年間の平均増配率は12.1%となります。
1990年時の配当金$0.0324は、2019年には25.9倍の$0.84まで膨らんでいます。複利の力の偉大さが垣間見れます。
1000円の配当金が30年後に26万円になっている計算です。
2010年から2019年の10年スパンでみると、平均増配率は16.1%、配当金は10年間で4倍になっています。
直近10年間のほうが過去30年間よりも増配率のパフォーマンスが高いです。
2000年から2019年の20年スパンで見てみると、平均増配率は12%となり、配当金は20年で9.6倍になっています。
1991年から2019年までの最大増配率は2008年の23.5%、最低増配率は2009年の2.6%です。
リーマンショック直前が最大値でリーマンショック後が最低値という状況です。
不況の影響を受けない生活必需品銘柄ですが、最低増配率を記録した年はリーマンショック時と重なるので、詳しくはわかりませんが業績に大きな影響があったのかもしれません。
それでも翌年には二桁増配に復活しているのは心強い事実です。
また、1996年から2007年の12年間は2005年の増配率15.7%を除けばすべての期間に渡って過去29年間の平均増配率12.1%を下回る低い増配率で推移しており、相対的に見ればホーメルフーズの増配率の低迷期間です。
この期間の平均増配率は6.3%となり(2005年の15.7%が数字を押し上げています)、過去平均増配率の12.1%の約半分ほどのパフォーマンスしかありません。
リーマンショック後の2010年から2019年の直近10年間は、全期間で増配率二桁%維持と、大変心強い数字となっています。
【HRL】配当性向の推移(2008年~2017年)
2008年から2017年の過去10年間の配当性向の推移です。
数字はMorningstarのHPのものを使用しています。
配当性向は総じて20%台後半~30%台後半で推移をしています。
過去10年間の配当性向の平均値は34.5%となります。
これまで40%を超えることはありませんでしたが、直近では配当性向が43.3%と40%を上回っています。
ただ、まだ余裕がある数字なので、今後の増配もしばらくは問題ないものと思われます。
【HRL】現在のバリュエーション
2018年11月21日現在のバリュエーションです。
- 株価:44.95
- 予想PER:24.4
- 配当利回り:1.87%
(数字はSBI証券HPからとっています)
ホーメルフーズの1年チャートです。
(出典:SBI証券)
1年スパンでみると株価は30%以上上昇しており、現在株価は過去最高値を更新中です。
PERだけ見ると株価には若干プレミアムがついているように見えます。
一時期原材料となる七面鳥のコスト増加により株価が低迷している時期がありましたが、今振り返ればただの絶好の買い時でした。ありがとうございました。
配当利回りは低いですが、コカ・コーラやP&Gなど現在から過去を振り返れば高いリターンを株主にもたらしてきた銘柄も、昔から配当利回りが常に3%を超えるような水準にあったわけではありません。
分かっていつつもやっぱり直近の配当金額を増やしたくていつも高配当株に投資してしまうのですが、配当利回り2%前後かそれ以下でも安定して増配率が10%を超えるような銘柄をポートフォリオに入れておくと、キャピタルゲインとインカムゲインを合わせたポートフォリオの総合パフォーマンスを高めるのに貢献してくれるものと思っています。
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