新築マンションの手付金を減額させるたった1つの方法

最近マイホームのことで頭がいっぱいで、頭の中が完全にマイホーム>>>投資になっています。物件の仕様や住宅ローンの検証といったことに加え、手付金を支払うとキャッシュが枯渇し新規投資がしばらくできそうにないのも理由の1つです。

今日は、実際に手付金の減額に交渉で成功した方法を紹介したいと思います。現在新築マンションの購入を考えている方や、将来的にマンションの購入を検討する可能性のある方には、手付金の減額交渉のハードルは低いということを伝えたいです。本体価格の減額交渉に失敗したら、手付金の減額をしてもらいましょう。

新築マンションの購入には手付金が必要

前提としてですが、新築マンションを購入する場合は、売買契約締結時に手付金の支払いが要求されます。不動産業界の謎で神秘な慣行の1つです。

手付金とは、買い主の場合は支払い済みの手付金を放棄して売買契約を解除でき、売り主(デベロッパー)の場合は買い主から支払われた手付け金と、さらにそれに加えて同額を買い主に支払うことで(いわゆる手付け倍返しです。仮に手付金100万なら、売り主は買い主に200万払う必要があります)、売買契約を解除できる性質を持ちます。これを法律用語で「解約手付」と呼びます。

通常新築マンションは、竣工前に売買契約を締結します。ただ、実際に売買代金を支払うのは、マンションが完成して引渡しを受ける時点です。この時までに、ローンを組む人は金融機関と消費貸借契約を結んで、金融機関から売り主に代金を支払ってもらいます。そのため、建物完成の1年前に売買契約を結んだら、実際の代金を支払うのは1年後になります。ただ、売買契約成立時に、手付金を支払うのです。手付金は、引渡時の売買代金にそのまま充当されます。

手付金を払う目的は、よくわかりません。

建物引渡前の買い主の契約キャンセルを抑止する狙いがあるようですが、いったん契約成立した取引を何の理由もなく解除することなどできません。それは契約違反です。契約した以上、売り主に契約違反がなければ買い主は代金を支払って対象物件を買う契約上の義務を負って拘束されていますので、買い主の契約解除を抑止するという理由は腑に落ちません。

買い主を拘束したいなら、手付金を払えば契約解除できるという手段を与えないほうが合理的だと思うのですが。

手付金の相場

デベロッパーごとに違いはあるようですが、業界慣習的にある程度決まっているようです。マンション価格の5〜10%になります。

  • 建物完成は、マンション価格の5%(かつ1,000万以下)
  • 建物完成は、マンション価格の10%(かつ1,000万以下)

完成前と後で異なる理由としては、売り主は、手付金が一定金額を超えると、宅地建物取引業法上、保全措置というのを講じなければなりません。

保全措置とは、例えば建物引渡までに売り主が倒産してしまい買い主が手付金だけ丸々損するといったことが起きずしっかりと買い主に返還されるよう、銀行や保険会社によって手付金の保証をしてもらうことです。この保全措置をとるために、売り主側に一定の事務手数料が生じ経済的負担が生じるので、保全措置が必要となる金額までの手付金はとりたくないという事情があるようです。

そこで、売り主側はこの保全措置が必要にならない範囲でのMAX金額を要求します。具体的には竣工前の4000万のマンションなら、その5%の200万円が相場になります。

手付金は死に金

投資をしている方だとイメージしやすいのですが、手付金は捨て金になります。竣工1年前に支払うと仮定すると、1年間売り主に犠牲にとられてしまう健気な存在になります。1年後売買代金に充当されますが、それまでは何の効果も果たしません。

例えば、手付金200万を支払わずにその金額でアマゾンに投資すれば、1年で2倍になると仮定すると200万が400万になるチャンスを失ったことになります。

また、アメリカのS&P500に連動するETFに投資すれば、統計上は7%の値上がりが期待できるので、200万×1.07%で214万円になります。その機会も失われるので、この場合は計算上14万円の機会損失になります。

また200万を3%の配当利回りの株式に当てれば、1年で6万円配当が入る計算です。オレの6万円を返してくれ、カンバックマイディヴィデント!と叫びたくなりますね。

銀行への預金でも同じことです。預金すれば生じていたはずの200万への金利分収入が何ら発生しません。

そのため、1年間何の役割も果たさない手付金を支払うのは馬鹿らしいことこの上ないです。たとえ最後の1人になっても最後までフリーザに屈しなかったバーダックのように抵抗しましょう。

自分が減額に成功した物件の属性

具体性を持たせるために、僕が検討している物件の属性を挙げます。

  • 大手デベロッパーが売り主
  • 実際の販売はグループ会社に委託している(モデルルームで担当してくれる営業員さんは下請のグループ会社)
  • 竣工まで1年以上ある
  • 第1期の販売前
  • 同一住戸に申込みが複数発生し、抽選になるのは第1期の売り出し予定物件の10%くらいと想定
  • 物件の本体価格の値下げは断られている

マンション本体価格の減額と手付金減額の社内処理の差異

担当営業員さんから、テンプレ通り5%の手付金が必要だと言われました。ここで手付金に関する知識がないと、言われた額通り支払うのが当然と思って支払ってしまいそうですが、絶対にそんなことをしてはいけません。

実際に担当営業員と話して感じましたが、手付金の減額のハードルは低いです。物件の本体価格だと、販売委託を受けている会社には、まず減額する決裁権限がありません。減額の決裁承認をするのは、決して営業現場に出て現場の声を生で聞くことをしない売り主のデベロッパーです。

そして、大抵の場合新築マンションの販売は、売り主のデベロッパーが実際の販売をグループ会社か第三者の会社に委託しているケースがほとんどです。

  • 売り主:住友不動産
  • 販売代理:長谷工アーベスト

といった具合です(なおあくまで売り主と販売代理会社が異なることを示したいだけで、例示した会社への他意は全くございません)。この場合、モデルルームには長谷工アーベストの社員しかおらず、住友不動産の社員は現場にいません。

売り主の社員は、定期的にマンション販売関係者が集まる販売状況の確認会議で、販売代理会社から販売状況はこうだの、値下げを要求されただの、現場感覚ではもう少し値下げしないと厳しいといった報告を受けてふむふむと机上で対応を検討するのです。

事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだ!と言いたくなりそうですが、業界慣行なので如何ともなりません。大手デベロッパーの高収入のホワイトカラーは最前線の販売業務をしないのです。

本体価格の値下げには、手続として販売代理の会社の営業員に値下げの稟議書を書いてもらって、売り主の住友不動産の決裁をもらう必要があります。営業員に実際に話を聞きましたが、この手続が本当に面倒くさいらしいです。現場の販売代理会社としては、値下げをしたいのだけど、利益を減らしたく無いデベロッパーが承認してくれずやるせない思いをすることもあると言っていました。

いっぽうで、手付金の減額はどうやらこのようなお上の承認をとる手続はいらない、あったとしても、稟議書を書くというレベルまでは不要らしいというのが見ていて分かりました。お上であるデベロッパーの決裁が不要であるからという、なんともサラリーマン的な理由ですね。

手付金50万円の減額に成功した方法

僕が購入を検討している物件は、テンプレ通り5%の手付金が必要だと言われました。そこから、50万円の減額に成功しました。

手付金の減額交渉ですが、方法はたった1つです。しかも巷の本屋でよく見るような、「たった1つの方法」とタイトルを謳っていながら実は52個くらいの方法を実施する必要があるということは一切ありません。

お金がないと言えばいいのです。これだけでいいです。住宅ローンの仮審査さえ通っていれば、これで通ると思います。

今思えば、たかが50万円の減額で引き下がってしまった自分をしばき倒したい気分です。僕の会社の同僚には、80万円しか手付金を払わなかったという人もいました。減額の理由は同様に、現金がないという理由です。

僕はテンプレの5%支払うとなると、キャッシュ不足で現実的に支払えず、株式を売る必要がありました。そんなことは可及的にしたくなかったので、資産の大半を株式で保有しており、日本円キャッシュがないと正直に話し、さらに証拠として銀行口座の残金と証券口座の株式を見せました。これで納得してくれました。ないものはしょうがないですからと言ってくれました。

しかしながら、なぜか手付金の減額がほぼ承認されたと思って次にモデルルームを再度訪問した際、この時の手付金の減額交渉がなかったかのように同じ営業員から、当社では物件価格の5%を手付金として頂いていますがよろしいですかと言われました。

お前は50回目のファーストキスのヒロインかと思いながら当然この前の話はどうなったのですかと言ったら、席を離れておそらく販売代理会社の中では1番偉いチーフの元へ行きまた戻ってきて、先日交渉した50万円減額した額で了解しましたとなりました。

ということで、お金がないと言い手付金は最大限減額してもらいましょう。

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