持ち株であるコカ・コーラ(KO)が、イギリスの大手コーヒーチェーンであるコスタ(Costa)を買収すると発表しました。
コスタの親会社であるWhitbread社から株式を取得することになります。取引は2019年の上半期に完了予定です。
取引はポンド建てのようで、買収価格は39億ポンドです。
ドル換算で51億ドル、円換算で5600億円ほどとなります。
コスタとはどんな会社なのか
買収のニュースを聞いた時、コスタってどこの会社だろうと思いましたが、イギリスの代表的な大手コーヒーチェーン会社のようです。
日本では見かけたことがないですね。アメリカにも進出していない会社です。
コスタの概要です。単にコーヒーショップを経営しているだけではなく、独自に自販機展開したりコーヒー焙煎店も持ったりと、幅広いチャネルでコーヒーを売っている会社です。
・1971年にロンドンで設立
・約4000の店舗
・ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋30カ国以上で事業展開
・8年連続で「イギリスの好きなコーヒーショップ」に選ばれている
・自動販売機約8000台を展開
・従業員20000人
・コーヒー焙煎店も運営
コカ・コーラがコスタを買収する理由
コカ・コーラのこちらのプレスリリースで、CEOが買収の理由を述べています。CEOが買収の理由を説明するビデオ動画も載っています。
英語に抵抗がない方は、僕の記事を読むのは時間の無駄なので是非こちらを見た方がいいです。
CEOを初めて見ましたが、若干、舛添前東京都知事に似ているように感じるのは僕だけでしょうか(笑)。
コカ・コーラは、ポートフォリオで炭酸飲料が圧倒的に強いのが現状ですが、炭酸飲料のみに依存しない総合飲料メーカーを志向しています。
炭酸飲料市場は成長性が鈍化しており、消費者の健康志向の高まりで消費量が減少したり、ソーダ税導入など、将来的な規制の的になりやすい性格を持っています。
何でもかんでもちょっと問題が起きると規制を始めて、どうも人類という種は規制フェチとしか思えません。
今回は、総合飲料メーカーを目指す戦略の一環として、成長が続くコーヒー分野のポートフォリオ強化のための買収となります。特に、ホットコーヒー飲料分野を強化できます。
飲料カテゴリーの中で、コーヒー市場は最も成長している市場の1つであり、年6%の割合で成長を続けています。
コーヒー市場と一口に言っても、コーヒー市場の中でもカテゴリー分けができ、自販機、コーヒーショップ、焙煎所、インスタント、カプセルなどがあり、1つの会社として、それらコーヒー市場のすべての分野で強い足場を築いている会社はありません。コカ・コーラ自身について言えば、日本のジョージアのような強力はブランドを持っていますが、グローバルで通用するブランドは保有していません。
コスタは、もちろんイギリスで培った強力なブランドを保有していますが、コカ・コーラが欲しいのは、このブランドだけではなく、コスタが築いてきた幅広い「コーヒー・プラットフォーム」です。
コーヒーのサプライチェーン、世界有数の焙煎ショップ、強力な店舗群、自販機システムといった、既存のコカ・コーラのシステムを補完できるこれら総合的なグローバルなコーヒービジネスを取得したかったのです。
また本買収は、買収による事業のコスト削減効果を狙ったものではなく、コーヒー市場における事業の成長を加速させることが目的です。
コスタはコスタのままで、コカ・コーラに統合はしない
CEOがこれはとても大切な事だと述べていますが、コスタはコスタのままで、コカコーラのシステムに関連付けるけれども、統合はしないようです。
コスタのこれまでのやり方やスタイルを尊重し、コカ・コーラのビジネスモデルに無理に結合させるような事はしないということでしょう。
コスタの従業員としては安心できる言葉ですね。
海外企業買収したけど、日本側のやり方に結合せず現地のやり方を尊重して任せて成功したJTと同じやり方ですね。
買収の発表を受けてコカ・コーラの株価はどうなったか
(出典:SBI証券)
コカ・コーラの2日間チャートです。
0.85%下落しています。微妙すぎますね。
僕の独断と偏見では、イギリスの会社を買収する事例は、どうも成功確率が高いように思います(マコーミックによるレキットベンキーザー・グループの買収の例だけしか知りません)。
最近はたばこ株ばかり買っているので、コカ・コーラも買い増したくなってきました。
コスタが日本に上陸した場合は、ぜひ贔屓のお店にしたいです。
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