32年連続増配中で、94年間にわたる株主への配当金支払いの歴史を持つ世界最大のスパイスメーカーのマコーミック(McCormick)が、9月27日に3Qの四半期決算を発表しました。
結果は増収増益で、売上高や営業利益など各種の数字が前年同期比で二桁成長をしており、好調な数字となりました。
ただ、通年の売上予想を従来の13%~15%アップから12~14%アップと見通しを引き下げたため、決算発表直後に株価は下落しています。
決算発表日前からの3日間のマコーミックの株価の推移です。
(出典:SBI証券HP)
通年の売上予想を引き下げた原因はドル高という外部的な原因なので、さほど心配することもないのかなと思います。
なお、通年のEPS予想を$4.95~5.00と、従来のガイダンスの$4.85-4.95から上昇させましたが、アナリストのコンセンサスの$4.99よりも中央値が下回り、4Qの予想EPSの$1.65-1.70も、中央値がアナリストのコンセンサスの$1.69を下回っている状況となります。
決算数値概要
比較対象は前年同期比です
- 売上高14%アップ
- 調整後営業利益19%アップ(為替一定ベースだと20%アップ)
- 調整後EPSは14%アップ
百万ドル単位 | 3Q 2018 | 3Q 2017 | 増減% |
売上高 | 1,345.3 | 1,185.2 | 13.5%アップ |
調整後営業利益 | 233.0 | 168.7 | 19%アップ |
純利益 | 173.5 | 108.2 | 60%アップ |
調整後EPS | 1.28 | 1.12 | 14%アップ |
マコーミックは昨年レキットベンキーザーのフレンチマスタードとフランクズレッドホットソースを含むレキットの食品事業を取得しました。
前回の四半期決算でもこの買収のポジティブインパクトが数字に反映され株価が急伸していましたが、今回もフレンチマスタードとフランクズレッドホットソースは貢献しています。
第3四半期では10%の売上増加効果をこの買収が及ぼしています。
部門別の売上
マコーミックは、事業セグメントを消費者部門とフレーバーソリューション部門とに分けています。
前者のセグメント売上高は14%アップ(うち10%は買収したフランク・フレンチブランドの寄与)後者も14%アップ(うち9%はフランク・フレンチブランドの寄与)となります。バランスよく数字が伸びています。
消費者部門(Consumer segment)の売上(前年同期比)
地域 | 変化 | 為替一定ベース |
南北アメリカ | 18.1%アップ | 18.2%アップ |
欧州・中東・アフリカ | 0.3%ダウン | 0.8%ダウン |
アジア太平洋 | 9.3%アップ | 8.6%アップ |
全体 | 13.5%アップ | 13.4%アップ |
調整後営業利益 | 10.3%アップ | 10.2%アップ |
フレーバーソリューション部門(Flavor solutions segment)の売上(前年同期比)
地域 | 変化 | 為替一定ベース |
南北アメリカ | 18.6%アップ | 19.3%アップ |
欧州・中東・アフリカ | 5.8%アップ | 6.6%アップ |
アジア太平洋 | 0.6%ダウン | 1.4%アップ |
全体 | 13.5%アップ | 13.4%アップ |
調整後営業利益 | 37.0%アップ | 39.8%アップ |
両部門とも、母国市場アメリカを含む南北アメリカ市場での売上が20%近くアップしており、躍進しています。
CEOのコメントの冒頭概要です。
マコーミックの強固な3Q決算は、わが社戦略の成功を反映しています。
売上高・調整後営業利益・調整後EPSの二桁成長を達成しました。
営業マージンの拡大が継続されたとともに、重要なブランドマーケティング投資を実施しています。
決算を受けて株価は下がりましたが、マコーミックは年明けから30%ほど株価が上昇しているため、調整の範囲内かと思います。
数字も順調に伸びているので、今後も楽しみな銘柄です。
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