アルトリアグループ(MO)が、本格的にマリファナ(大麻)事業へ進出することになるかもしれません。
ロイターによると、アルトリアはカナダのCronos Group Inc (CRON.TO)と、同社に対してアルトリアが投資することについて協議しています。
カナダでは世界に先駆けて2018年に嗜好品としてのマリファナが合法化されています。
アルトリアと協議を行っているクロノスグループ(Cronos Group)という会社は聞いたことがありませんでしたが、ヘルスケアの業種としてNASDAQ市場にも上場している会社なんですね。
会社概要は以下のようになっています。自ら大麻を製造するというよりは、投資業務を中心に行っている会社のようです。
クロノス・グループはカナダの医療用大麻事業会社。医療目的大麻規制(MMPR)に基づき、カナダ保健省が発行した医療用大麻生産ライセンスを所有または申請する企業への投資を中心に事業を行う。また、子会社を通じ、大麻油の栽培や医療用大麻の生産および販売にも従事する。本社所在地はトロント。
(Yahoo!ファイナンスより引用)
今回のアルトリアとの協議が明るみに出たことで同社の株価は11%急騰しましたが、クロノスグループの現時点での時価総額は18億ドル(約2000億円)ほどです。
アルトリアの株価も、1.64%ほど上昇しました。
なお、クロノス社によれば、現時点でアルトリアとは何らの取引に関する合意に達していないし、協議が今後どうなるかもわからないし保証もできないということです。
アルトリア以外のたばこ会社もマリファナ事業に進出するかは興味のあるところですが、ロンドンに本社を持つ世界第4位のたばこ会社インペリアルブランズ社(Imperial Brands)は、Oxford Cannabinoid Technologiesという医療用大麻の研究等を実施している会社の未公開株を取得しています。
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)は、直近のアナリストへの説明会において、大麻事業についてはリサーチをしているけれども、現時点では進出する意向はないとの回答をしていました。
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たばこ以外の業種でも、大麻入り飲料など飲料事業と大麻は相性が良い?みたいで、2018年8月には「コロナ」ビールを販売するアメリカ酒類販売大手のコンステレーション・ブランズがカナダのマリファナ栽培業者のキャノピー・グロース社の株式を50億カナダ・ドルで取得すると発表しましたし、コカ・コーラも大麻から抽出されるカンナビジオール(CBD)という成分を含んだ飲料に関心があり、カナダのオーロラ・カンナビス社と飲料開発について協議しているという報道が出ていました(ただしコカ・コーラはこれについて明確にコメントせず)。
アルトリアが実際にマリファナ入りたばこを開発すれば、BTIやJTもそれを追撃せざるを得なくなりそうなので、たばこ業界と大麻のニュースが今後は増えそうですね。
大麻というと、ギャングの資金源になっていたりハイになる薬物だったりと、規制薬物でイメージも全く良くありませんでしたが、時代も変わるものですね。それか、ようやく時代が科学に追いついたのか。
もしかしたら、10年後とかに実はたばこは脳に良い影響を与えることが判明したとかWHOが発表する展開があったりして。
それにしても、たばこと大麻の会社なんて、本当にイメージが悪すぎます(笑)。
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