【逆指標なるか】日経平均1010円暴落翌日の日本経済新聞の買い煽り記事が胸につかえる

12月25日のクリスマスに日経平均は1010円もの下落を記録し、2万円の節目を割りました。

高値から20%の下落となったことから弱気相場入りと見做され、日経平均採用銘柄は年初来安値となる銘柄が4社に3社という惨状でした。

暴落の翌日の26日の日本経済新聞の「マーケット総合1」のページで、株式相場について日経の証券部の記者が書いている記事が若干株の買い煽りっぽい記事だったので、これが逆指標として機能してまだまだ株価は下げていくのかなと無駄に気になっています。

相場の世界ではよく言われることですが、新聞の1面に暴落記事が出たら買い場とか、日本経済新聞が買い煽ったら売り時とか、株雑誌である銘柄が紹介されたら売り時とか、主婦向けの雑誌に株特集が載ったら上昇相場は終わりとか、いわゆるメディア媒体の記事が逆指標として機能するケースが多いです。

体感的にも、納得はできます。

アメリカ株だと、体感的には投資雑誌のバロンズでしょうか。

バロンズ(Barron’s)は、ダウ・ジョーンズからアメリカ国内で発売されている投資金融専門誌で、ウィキペディアによると日本経済新聞社から発行されている投資専門新聞の「日経ヴェリタス」のモデルになった専門誌です。

SBI証券に外国株口座を持っているとバロンズの一部の記事が無料で読めるのですが、特に個別銘柄を取り上げる記事がことごとく逆指標として機能しているように思われ、自分は配当再投資なんて時間のかかることせずにこの雑誌と逆のことやればすぐに資産は膨らんでいくのではないかと本気で思うことがあります。

もっとも、こういうのは自分の関心のある銘柄の記事だったりたまたま逆指標として機能したケースが強く印象に残るので、当たることもあるし外れることもある。読み流すのが1番だと思っています。

とは言っても、我らが日経新聞の買い煽りがあまりに酷いので、まだ相場は下げると心の構えを作っておいた方が無難かなと考えています。

自分の中で問題となっている日経の記事は、日経平均ベースのPBR(株価純資産倍率)が1倍を割れたことを主な理由として相場の「陰の極」は着実に近づいているはずだと、もう株価は底値だということを謳っていました。

日経新聞の記者と言うよりは、取材した大手証券会社の人間がそう言っていたからそう書いたという方が正しいのかもしれません。

なおPBRとは株価が企業の1株あたりの純資産の何倍かを示す指標となりますので、1倍を割れているということは、仮に企業がその時点で解散すると、企業の資産を全部売って株主に還元すると株価を超えるお金が株主に支払われるという状態になります。

記事の流れの概要を下に記載します。

  • 25日の日経平均株価は、日経平均ベースのPBRは1倍を割れており、投資指標からすれば行き過ぎで経験則からは市場心理は総悲観状態だ
  • 「困ったことにここまで下げる明確な原因がないんですよね」という大手証券トレーダーのコメントを引用
  • 「今の下げはさすがに行き過ぎにみえる」と記者自身の感想を述べている
  • 日経平均ベースの予想PERは10.7倍と、アベノミクス相場の平均である15倍から大きく乖離
  • 過去を振り返れば、PBR1倍割れした場合は程なく日経平均は上昇に転じている
  • ハワード・マークスの著書「市場サイクルを極める」の文言を引用し、相場の「陰の極み」はすぐそこであると締めくくる

わざわざ最近発売されたハワード・マークス氏の著書を記事の最後に引用する気合の入りっぷりです。

なおハワード・マークスの著書はアメリカ株投資家の間では人気が高いです。

あのウォーレン・バフェットがバークシャー・ハザウェイの株主総会において、株主に対してマークスの前著である「投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識」を配布したと言われています。

これ読むと逆指標として機能する匂いしかしない記事なんです。

確かに日経の記者の言うように、過去を見れば日経平均のPBRが1倍を割り込んだあたりが底値となって相場が切り返していくというのは、経験則的にはそうみたいです。

日経の記事を見ると、日経平均の荷重平均ベースのPBRが1倍を割ったのは、1996年以降だとリーマンショックの2008年と2012年しかありません。

そのいずれも、株価は程なくして上昇に転じています。

しかしながら、日経の記者が記事にするほど公知になっているくらいなので、PBR1倍割れすると株価は反転するというのはもはや指標として機能しない確率の方が高いのではないか、指標として機能する優位性は無くなっていると考えた方が自然ではないかと懸念してしまいます。

「相場の底はまだまだ見えそうにない」とか記事に書いてくれた方が安心して買えます。

日経の記者のいうとおりに今後相場は反転して上昇していくのか、あるいは日経新聞が悲観になる時が総悲観の極みとなるのか、ビクビクしながら相場を見ていこうと思います。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です