元巨人の名投手である宮田征典さんは、「午後8時半の男」と呼ばれました。
リリーフピッチャーの先駆けとなる活躍をした方で、毎回午後8時半に登板していたことからこういった異名がつきました。
引退後は巨人の投手コーチも担当しました。巨人投手陣が投壊状態の時に、ピッチャーが滅多打ちにされて投手交代時にボールをすりすりしながらマウンドへ向かう姿が印象的でした。
サラリーマンにとっても小学生にとっても、およそ月曜日から金曜日まで強制的に働き学ぶ者にとって、金曜日という日ほど輝かしい曜日はありません。
この思いは万国共通のようで、アメリカではこの曜日にThanks God For Friday!とフライデーナイトフィーバーをするようです。
僕も金曜日の午後は、1週間の自分の頑張りをねぎらうために、デスクでお菓子を食べたりプリンを食べたりしてプチ贅沢に浸っています。
前の会社で、そんな安らかで穏やかな金曜午後を、不意打ち的にいつも侵す人がいました。
その人は自分が法務相談の担当者となっている人で、いつも金曜の、しかも決まって午後になると必ず自分に電話してきたり突然打ち合わせを入れたりします。
契約書の相談や取引先とのちょっとしたトラブルの相談など、案件自体は大して重いものではないのですが、毎回決まって金曜になると自分に相談しにくるのです。
表面上は突然すいませんというものの、全然申し訳なさそうにしていないのが特徴の1つです。
金曜午後は理想では開店休業状態にしたいのに、そんな金曜に相談に来られても月曜に仕事が回ってしまうし、金曜午後から打ち合わせで仕事が宿題としてのしかかってくるというのは気が重いです。
翌週まで自分のところにボールを持ちたくなくて、とりあえず法務相談マターは自分の手元から投げて心軽やかに土日を迎えたいという気持ちからこうなっているのだと思いますが、本当に自分にとっては平和を乱す人で、転職前などは仕事増やしたくないので社内コミュニケーターをオフにして居留守により遭遇を回避していました。
だいたい金曜の夕方くらいの微妙な時間にいつも相談にくるので、自分の中で「金曜日午後4時半の男」と認定しておりました。とっても不名誉な認定です。
そして現在、再び「午後4時半の男」が再来しつつあります。
前の会社の人とはもちろん違う人なのですが、最近自分が新しく担当しだした部署の人で、もう4週連続で金曜日に面倒くさい案件の打ち合わせを入れられています。
自分で考えて自分で判断して進めればいいのに、「なんとなく不安だから」「法務がOKしたという担保が欲しいから」という消極的な理由で毎回よくわからん打ち合わせに呼ばれ相談され、どうもいいように使われているようでいい気分にはならないんです。
金曜午後4時半の男に共通することは、表面的なコミュ力は高く根アカな営業に向いているタイプの人間です。プライベートで付き合うには楽しくていいと思います。しかし思考は浅く深く考えないため、それによってもろもろとサポートする間接部門につけを回してきます。
なおこの新しい金曜午後4時半の男ですが、木曜日に取引先と打ち合わせ予定だからそれを踏まえて金曜に相談したいとついには相談事が表面化していないのに事前に金曜日に打ち合わせの予約を入れ出すようになりました。
まじで勘弁してくれ。僕は甘いアイスカフェオレ飲みながら仕事してるふりしてウィキペディアで往年の名投手・名打者の詳細プロフィールを堪能したいんだ。