日本版バタフライエフェクト「僕だけがいない街」【映画レビュー】

僕だけがいない街(藤原竜也、有村架純、石田ゆり子出演)を観ましたので評価・感想を書いていきます。

人気作品である漫画が原作となります。原作ファンからは評価されていない作品のようですが、僕は原作未読の人間です。

過去へのタイムリープ物の映画となりますが、大変オススメできる映画です。

大人になった男が過去の少年時代の自分に戻って、守ることができなかった人を守り抜く映画です。

大人時代のシーンよりも子供時代のシーンのほうがグッときます。

年末に気持ち良い涙を流し心を洗うことができました。

アメリカの「バタフライエフェクト」という映画をご存知でしょうか。

映画好きな人に非常に評価の高いアメリカのサスペンス映画です。

どんな内容かというと、「君を救うため、僕は何度だって過去に戻る」「最も切ないハッピーエンド」なタイムリープ映画です。

これも見ていない人は是非見てみてください。本当に傑作です。年末にコタツにこもって深夜に見るのにピッタリな映画です。

僕だけがいない街は、日本版バタフライエフェクトな映画です。さらにいえば東野圭吾の白夜行の要素を少し足した内容になります。

ただただあの日守ることができなかった愛する人を、最期まで守り抜いて救う男の孤独で純真な想いと行為に胸を打たれます。

以下の要素を含む物語が好きな人は、きっと刺さると思います。男が好きなストーリーです。

  • あの日救うことができなかった君を、今度は必ず守ってみせる
  • ただ、君に逢いたかった
  • 少年が孤独で傷ついた少女を助ける
  • 俺と一緒にこの世界を救ってくれ
  • この俺が未来を変えてみせる

バタフライエフェクトで主人公が救いたかった相手は不遇なヒロインでしたが、この映画は、救う対象が複数人います。そしてここが肝です。

過去での自分の行動によって未来を変えていくのですが、切ないのが、過去に戻る前の現在世界のヒロインと、過去のヒロインは別の人間だということです。

主人公は過去世界の救えなかったヒロインを救わなければならないし、現在世界のヒロインも救わなければいけない。

ここに二者択一の問題が生じます。

映画を見ている人間からすると、過去の救えなかったあの子を救ってほしい、でも救ってしまうとそこから主人公との関係性が生じてしまい、現在世界の主人公の相手ヒロインだった人間のポジションがその子にとって代わられてしまい、現在が上書きされて他人同士の関係になってしまうんです。

あだち充の「H2」で例えると、古賀春華か雨宮ひかりか俺はどっちを選択すれば良いのだという究極のジレンマに勝手に鑑賞者(男限定)は陥ります。どっちもいい子だからなおさら辛い。

ラストシーンも良かったですが、それよりは、ラストに差し掛かる前の子供時代の展開が1番胸熱でグッときます。

もしかしたら自分の過去に救えたのに救えなかった人がいたんじゃないだろうかと考えてしまいます。

100点中82点です。

最後に、石田ゆり子が藤原竜也の母親役なのですが、超絶綺麗でした。ドラマの逃げ恥の時よりも美人です。