どうもこんにちは。自称映画ドラえもん評論家の米中日英豪株個人投資家とねおでございます。
ドラえもんの最新映画「ドラえもん のび太の月面探査記」を子供と見てきましたので、レビューします。具体的な内容のネタバレは書かないようにします。
2018年に全世界で公開された映画の中で、僕は「映画 ドラえもん のび太の宝島」が最も優れた作品だと評価している人間です。
グレイテスト・ショーマン、カメラを止めるな!、万引き家族、リメンバー・ミー・・。
ふっ。笑わせるぜ、ドラえもんの宝島の映画のがずっといいよ。本当に。
前作が新ドラ映画史上ぶっちぎりNo.1で今後のドラえもん映画史に残る超傑作、さらに名作ぞろいの旧ドラ合わせてもベスト5以内にランクインするほど優れた映画だったので、今回の映画は大丈夫かなと1年前からずっと2019年のドラえもんの映画の出来を心配して夜も眠れないくらいでした。。
のび太の宝島では監督今井一暁、脚本 川村元気だったのが、月面探査記では監督 八鍬新之介、脚本 辻村深月に変更されました。
前作のゴールデンコンビからの変更から、もう地雷臭しかしなくて、凡作を作るための布陣だと思っていましたが、自分が想定していた凡作具合を下回るさらなる凡作となっていました。
これって脚本の力の差なのか他に原因があるのか、クリエイティビティの違いなのか、前作を担当した人間との力の差を歴然と感じると言わざるをえません。
本映画の完成版をみた映画に携わったスタッフは、凡作作ってしまったなあという内心の思いを抑えるのに苦労したのではないかと思料します。
今作の特徴を列挙します。
- シナリオが浅すぎる。陳腐の極み
- 冒険している感がない。世界が狭い
- 胸熱なシーン、感きわまるシーンがない
- 映画オリジナルキャラクターとのび太の浅くわざとらしい友情劇のみがテーマ
- ドラえもん映画史上トップを争うくらいダサくてしょぼくてかっこ悪い敵のラスボスキャラ
- のび太としずかちゃんの愛情劇、のび太とジャイアン・スネ夫の友情劇といったドラえもん映画に必要なテンプレ要素は一切なし
- のび太とドラえもんの友情劇も一切なし
- ハッとするような映画独自のCG・アミメーション技術も(自分が感じる限りは)ない
今作は、見た後に本当に何も残らない作品です。右から左へゴー。のび太の宝島でよかった要素を全て取り除いてしまった感じです。
月の裏側にドラえもんの道具で街を作るのですが、この場面は旧ドラの雲の王国で雲に都市を作るシーンの劣化コピー感が半端なかったです。
また月の住人たちが「エーテル」という魔法みたいな超能力を使うのですが、どこかの会社のゲームのパクリ感というか既視感がありすぎる。
月という殺風景な場面設定が裏目に出たのか、ドラえもんの映画で欲しい要素である冒険しているRPG感も乏しいです。
ドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの内輪の仲間の友情なり絆なりのシーンがほぼなかったことも残念。映画ならではのかっこいい力強くてのび太を守る優しいジャイアンや、テンプレだけどさらわれたしずかちゃんを救うかっこいいのび太が見たいじゃないですか。ここはいいんですよ、テンプレで。
ラスボスの安っぽさにはもう笑うしかなかった。今回はストーリーがかなりわかりやすいので、そういう設定なんだろうなとういうことは大人には想定できる展開なのですが、これほど冴えないドラえもん映画の敵の親玉を見たのはいつ以来であろうか。まだ南極カチコチ大冒険の巨神兵の方が存在感がありました。
魔界大冒険の悪魔とか、ナポギストラー博士とか、敵役に存在感があってしっかりしないと、映画に味が出ません。
ピンクのもやから出てくるニムゲの恐怖とか、雲の王国でのび太の世界が洪水で流されてしまう怖さとか、ギガゾンビの不気味さとか、そう言った少年少女の心のトラウマに残る毒のようなものもないです。
ストーリーの中核は月の少年ルカとのび太の友情劇です。あと親子愛も入ってくるのですが、基本は友情です。
しかし友情もいいのですが、非人間との友情には勝てませんね。
つまり、ピー助とか、のび太の日本誕生のペガ・グリ・ドラコとか、映画で描かれるのび太と非人間生物の間の友情のがずっと訴えかけるものが強いんですよね。
毎度おなじみのゲスト声優を起用しており、メインに広瀬アリス、柳楽優弥が起用されているのですが、これも下手過ぎひどすぎで聞くに堪えませんでした。
これにストップをかけることのできない業界構造をただ憂う。
電通なのか博報堂なのかADKなのかどこにお金が入っているのか知りませんが、お願いだから普通の声優さん使ってくだい。業務妨害です。
ここまで辛辣に書いた部分もありますが、ドラえもんの映画は子供向けの映画です。彼らの心に残ってくれれば、成功と言えるでしょう。
僕のような30過ぎた旧ドラ信仰者がネチネチ言ってもそんなことに耳を傾けるよりは、現役の子供が映画館で楽しむことができたかが1番大事です。
その意味では、一緒に見た子供は楽しくてもう1回見たいと言っていました。
ストーリーは大変わかりやすく、子供目線で丁寧だったので、その側面では子供は見やすい作品と評価します。子供が笑うことができるシーンはたくさんありました。
敵キャラの名前も覚えてしまいすごく楽しめたようなので、成功していると言って良いのかなあと思います。
しかし僕は悲しいよ。消化不良感がありすぎてもやもやしてつまらないです。
次回の劇場予告を見たのですが、2020年は恐竜を扱うみたいです。
のび太の恐竜(もちろん新ドラではなく1980年の旧ドラのほう)という原点にして頂点の作品がある中でどう恐竜をテーマにして映画を作るのか、心配8分期待2分で1年待とうと思います。
川村元気さんをもう1回脚本に起用してほしいな。
なお最後に1つだけフォローしますが、僕は凡作を目指す映画のお手本となるポジションを確立した本映画で半泣きしましたので、それは記しておきます。
100点中45点です。
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