中学受験に落ちても東大なんて入れます

私立中学校の受験と合格発表のシーズンになってきました。

中学受験は大学受験よりも大変なイベントです。

受験する子どももとても大変ですが、親の負担もとても大きいものです。

小学校3年・4年から受験用の塾に通い、3年間で250万円くらい塾代として費用を使うのでしょうか。

塾の送迎や各学校説明会への出席などの学校の情報収集など、ずっと子どもの予定中心の生活になります。

受験する子どもに寄り添って毎日必死に生きている親御さんも多いのではないでしょうか。

受験が終わるとすべての生活が子どもの受験中心に回っているという状況がひと段落するので、ひとまずほっとする家庭も多いものと思います。

こういったイベントは、父親よりも母親のほうが気が入ってしまいヒステリックになってしまうイメージがあります。

父親のほうは、別に受験ごときに落ちても人生終わるわけでもないし、いろんな生き方があるし大丈夫だよとどこかあっけらかんと余裕を持っているというか、結果が悪くてもそれを受け入れることができますが、毎日ずっと子どもの勉強に付きっきりで、特に子供の受験合格がすべての教育ママ的な母親だと、子どもが受験に失敗したときのダメージが当の子ども以上に大きいといったケースもあるものと思われます。

自分があれだけすべてをこの子どもの受験に賭けてきたのに、不合格でもどこかひょうひょうとしている夫を許せないと思ってしまう妻もいるのではないでしょうか。

そういった母親は考えただけでこっちがイライラしてきます。

自分が勉強できないくせにちょっと子どもが問題解けないくらいでヒステリックになったり、自分にはいつも甘いくせに子どもには厳しく1番ストレスを与えている存在が自分であると分かっていなかったりと、お前は金本や新井みたいに炎の前で読経を続ける護摩行(ごまぎょう)にでも行ってこいと思ってしまいます。

人生がかかっているくらい必死に思える受験を自分自身が経験していない人ほどこうなんでしょうね。

特に偏差値の高い中高一貫校の受験なんて、東大受験より難易度が高いくらい大変な試験なんです。そんな大変なことを自分の子どもはやっているんだと、特に自分は中学受験したことないのに子どもに受験させる親は自覚したほうがいいです。

よくメディアではこの季節「サクラサケ」なんて甘っちょろい言葉が躍りますが、現実問題として中学受験は「サクラチル」数のが多い世界です。

どんなに努力しても結果が報われない人が出ます。

小4から塾に通ってゲームや遊びを我慢してクリスマスもお正月も頭に必勝ハチマキ巻いてずっと勉強しても落ちる人のが多いんです。

普通の人よりも厳しく辛い受験を経験してきたからこそ言えますが、中学受験で落ちたくらいで、人生何も悲観することはありません。

合格しても不合格でも、その後の人生をどうやって送るかのがずっと大事です。

受験の長い道のりの頂点は偏差値的には東大(か医学部)なので東大の話をします。

東大に入ると、開成や筑駒、灘といった最優秀な中高一貫の私立校に落ちてそれよりは格下の学校にしか入れなかったけれど東大に入った人なんていっぱいいます。

2人に1人は東大に行く学校である開成で下位偏差値グループになって東大に行けないよりも、偏差値的には格下の学校でもトップグループにいるほうが学校生活は楽しいし東大にも入りやすくなります。

またそもそも東大に入るだけだったら、私立中学なんか行かなくても公立中学・公立高校から合格できます。いわんや早慶をや。

特に私立絶対思考のつよい都市部の人にはイメージしづらいかもしれませんが、強い私立学校がなくて公立のが強い県だってたくさんあるんです。

年によってばらつきはありますが、東大合格者の30%~40%は公立高校出身者です。

私立受験に向けて小4から塾に通ってずっと勉強している人がいる一方で、塾なんか行かずにひたすら友達とマリオカートとかポケモンやっている子どもだって中学から頑張って勉強し始めれば東大はいけます。

開成とか灘とか洛南といった超有名中高一貫の進学校が中3の段階で、公立高校だったら高校で習うような範囲を修了し彼らと比べ1年以上ディスアドバンテージを持っているにもかかわらず、公立から東大に現役合格する人だってたくさんいるんです。

話を変えると、中学受験する以上はより偏差値の高い学校に行かせて将来の選択肢を広げてあげたいというのが目的だと思いますが、偏差値頂点の東大を卒業しても、大半の人はサラリーマンになって無目的に一生を終わります。これが現実です。

東大法学部出て官僚になっても薄給すぎる給料(民間にいった同期と比べて屈辱的に薄給です)で働いて月200時間残業して血反吐を吐いたり、初任給から1000万を超える大手事務所の弁護士になっても毎日朝の5時まで働いて時給換算すればマクドナルドの店員さんと変わらなかったりと、辛そうな人生送っている人はいっぱいいます。

偏差値に縛られた選択をしてきた結果そんな人生送るんだったら、中学受験に落ちても自分の好きなことをやっていける人生のがずっと楽しいし羨ましいです。

受験の失敗で負った傷はすぐには治らないし、癒えるには時間が経つのを待つしかありません。

その後満足な人生が過ごせれば「良い経験」になりますし、そうでなければなんとなくずっと心に引っかかる出来事になってしまいます。

受験失敗で落ち込むなというのは全くもって無理な話ですが、たかが中学受験の失敗ごときで子どもを否定したり劣等感を持ったりするのは完全に間違っています。

「お母さんは自分が落ちたせいでがっかりしている」と子どもに思われてしまうような親は終わっていますので、そうならないように、またがんばった子どもをたくさん褒めて肯定してあげましょう。



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