プリキュアビジネスがえぐい【新陳代謝と回転の資本主義】

資本主義とは、新陳代謝と回転をシステムとして内包しています。

世の中のお金を回転させるために、常に古いものを排除して新しいものを取り入れ永遠に回転させていかなければなりません。

過労死で問題になった大手広告代理店の戦陣訓にも似たようなフレーズがありましたね。

ドリンク、車、パソコン、スマホ、マンション、本、ゲーム、映画、そして子供用アニメももちろんそうです。

2月から、プリキュア新シリーズが始まりました。

これまでの「HUGっと!プリキュア」が終了し、「スター☆トゥインクルプリキュア」の放送が始まっています。

「HUGっと!プリキュア」の最終回では、涙したお母さんも多いのでないでしょうか。

プリキュアは毎年1月末でそれまでのシリーズが終わり、2月からプリキュア共通の世界観設定は維持しつつも、監督や脚本、声優やキャラデザインも一新して新シリーズを始めるのが恒例です。

子どもと一緒にプリキュアを見ていたお父さんお母さんはとても共感してくれると思うのですが、ついこの前最終回を迎えた「HUGっと!プリキュア」(以下「旧作プリキュア」)は歴代プリキュアシリーズの中でもクオリティが高いものと自分の中で評判になっています(まだ2シリーズしか見たことないですが・・)。

旧作プリキュアは、子育てが1つのテーマになっていました。

自分と同年代の人にしかわからない例えですが、昔放送していたアニメ「ママは小学4年生」に近いです。

未来から赤ちゃんがやってきて世話をするのですが、実はその子供が自分の未来の・・・。

制作陣は、「ワンオペ育児」のシーンとならないように表現を配慮したり、また史上初の男の子のプリキュア「キュアインフィニ」が誕生したりと、かなりチャレンジングな内容も含まれており、大人の観賞にも十分耐えうる完成度の高いアニメーション作品となっていました。

そんな大人も楽しめるハイクオリティなアニメでしたが、昨年の12月くらいからデパートやモールのおもちゃ屋コーナーに行くと、新シリーズのおもちゃ入荷に備えた露骨な旧作のおもちゃグッズの割引在庫一斉セールを実施しており、なんとなく残念な思いをしたものです。

今は新プリキュアのおもちゃがこれでもかと並んでいます。

こうして今年もテレビ局・制作会社・広告会社・幼児向けの出版物・玩具メーカー・ゲームメーカー・文房具メーカー・アパレルメーカー・靴メーカーなどなど、世の中のお金を回す種となっています。

そしてまた子どもにねだられた親たちがこういったグッズに多額のお金を注ぎ込み資本主義のシステムに搾取されます。

旧作のプリキュアの洋服や靴や靴下や鉛筆やバッグやノートやおもちゃはもう使えません。

幼稚園のお友達が新作プリキュアがついた服を着ていたりグッズを持っていると、親としても旧作グッズを持たせているのは可哀想になってきますので、買うしかないんです。

搾取だとわかっていても、買いに向かうんです。

子どもって本当にキャラクターが付いたものしか欲しがりません。

スーパーのお菓子コーナーにいっても、必ずアニメキャラクターがパッケージに付いたものを欲しいといいます。

子ども向け商品は、アニメキャラクターなしでは成立しないということを身をもって体感している日々です。キャラクタービジネス恐るべし。

是則ワイド・モート也。

アニメに話を戻すと、齢30も超えると新たに来るものよりも別れゆくものへの愛おしみのがずっと強いので、新しいプリキュアシリーズが始まって、もうプリキュアオールスターの映画の脇役でしか出番がなく、「one of them」としての扱いしか受けることのない運命となった旧作が名残惜しいのですが、このあたりは子どもはドライというか、新しいモノへの楽しさ・期待のが大きいようです。

新作プリキュアを一緒に見ながら「キュアエール(旧作の主人公)出てこないねえ」と言うと、「あたらしいやつだからでてくるわけないの、これはべつなの」とあっけらかんと言われるし、旧作プリキュアのことなどなかったかのように、新プリキュアの録画を楽しんで繰り返しみています。

自分も思い返せば子供の頃は戦隊モノが新しいやつに変わっても全然寂しくなくて新しいやつを楽しんで見ていたので、そんなもんなんでしょう。

新作プリキュアの感想を少しいうと、第一印象は「ばかっぽくなったな」というものです。

主人公が「きらやば~」とか言います。

旧作から明確に路線をシフトチェンジしたなと感じます。

リアルな8頭身だったファイナルファンタジー8からファイナルファンタジー9で4頭身に退化してしまったような感覚を味わっています。

なおプリキュアビジネスの素晴らしさについては、去年綾瀬はるか主演で人気になったドラマ「義母と娘のブルース」(娘が義母を初めて「お母さん」と呼ぶシーンは涙腺崩壊でした)の初めのほうの回で義母が娘にそのビジネスモデルの秀逸さを説くシーンがあるので、とても面白くてオススメです。

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