1兆円の損失を出し、36%の減配をし、アメリカ当局から会計方法の調査を受けているとの決算を発表し株価が大暴落したバフェット銘柄のクラフト・ハインツですが、暴落後も株価は上昇せずヨコヨコし、現在は32ドルほどです。
直近の株価高値が96ドルほどでしたので、直近高値からちょうど3分の2が吹き飛んだ計算になります。
過去と比較して安いという安易な考えは、株式投資では危険ですね。元に戻るという保証は一切なく、過去ではなく現在の内在的価値はどれくらいあるのかという視点が大切になります。
そんなこと言っても内在的価値なんて算出する能力ないですが。
そんなクラフト・ハインツですが、現在の32ドルという価格でも超割高で、今の同社の状況を見ると23ドル当たりが適正株価だというシンガポールの投資家の意見を見つけたので紹介したいと思います。
クラフト・ハインツに投資していてまだ売っていない人は、売りたくなってしまう内容になっています。
Adam Khoo氏というシンガポールでいくつも会社を経営している富豪のようで、投資でも大きな成功を収めている人のようです。
信頼できる投資家なのか胡散臭い投資家なのか存じていないのですが、投資でも成功している人なので一定の説得力はあるのかなと思います。
前提として、彼自身はインカムを重視したり配当再投資をするタイプの投資家ではなく最低でも年二桁成長をしている企業に投資しているようなので、グロース株投資家に近い印象です。
出所はこちらのYoutubeの動画になります。日本語ではなく英語の動画なのですが、説得力があって面白いです。
彼は、最近のフェイスブックの個人情報がらみでの急落や中国テンセントの当局によるゲーム規制による暴落は、「買い」であると主張していました。
結果として、これら銘柄は底値からかなり株価は上昇している状況となります。
ただ、クラフト・ハインツは「買い」ではないとしています。
以下の7つのフレームワークを使って投資対象にすべきかを検討しています。
- 売上高・純利益・営業キャッシュフローが毎年一貫して上昇しているのか
- 今後二桁成長が見込める企業なのか
- 経済的な堀はあるのか
- ROEは高く上昇傾向にあるのか
- 借金は少ないのか
- 株価は内在的価値以下なのか
- チャート的に適切なエントリーポイントになるのか、トレンドはどうか
クラフト・ハインツは上記のポイントを1つたりとも満たさないというとても悲しい結論を導いています・・。
売上高はフラット、純利益は年によって数字が上下してバラバラ、営業キャッシュフローも同じく増えたり減ったりでとても一貫して上昇している銘柄ではありません。
大事なのは一貫して数字がアップしているという傾向です。
フェイスブックやグーグルは、毎年一貫してこれらの数字が上昇しています。
将来の成長性という観点からは、クラフト・ハインツは次の5年のEPSの予測成長率がマイナス0.41%という数字です。成長性皆無です。
経済的な堀があるかという点は、優れたブランドがあることには変わりないが、同社の加工食品事業はもはや消費者独占性がなくコモディティ事業に近いビジネスになっていると。数字にそれが表れています。
グロスマージンは業界平均よりは高いものの、営業利益率は同業他社を下回っています。過去5年間の営業利益率、純利益率も同業会社の平均を下回っています。
加工食品を避けフレッシュな食品を好むようにアメリカ人の嗜好が変化していると指摘します。
ROEの数字も悪い。
同業他社に比較して借金も多すぎる。預貯金が13億ドルしかないのに、長期負債が300億ドルもあってバランスシートが不健全です。
諸々の数字をシステムに入れて算出すると、なんと現在の同社の適正株価は23ドルという数字になります。
もちろん1つの考え方なので、これが絶対正しいということはないと思います。
気になる人は動画を見てみてください。
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