映画配給大手のTOHOシネマズが3月18日に「映画鑑賞料金 改定のお知らせ」となるプレスリリースを出し、2019年6月1日から映画料金の100円の値上げを実施する旨を発表しました。
だいたい企業のプレスリリースで「変更」とか「改定」とかの文言があったら消費者への不利変更の内容です。
「改定」なんてせこい言葉使わずにはっきりと標題から「値上げ」と言えばいいのに。
学生や幼児、レイトショーの料金は変更はないものの、一般料金やレディースデー、シニア料金は一律100円値上げとなります。よって通常のおじさんはこれまでの1800円から1900円となるわけですね。
アイスクリームや乳製品やお菓子といった日用品の値上げが続いており、ついに映画にも来たかという感じです。
東映も東宝を倣って値上げするんでしょう。
プレスリリースの内容を見ると、値上げの理由はアルバイト人件費の負担増が主因となっています。
「アルバイト人件費を中心とした運営コストの上昇や各種設備投資への負担増」が企業努力を上回ったためとなっています。
僕は映画は好きで、年に10回以上は劇場にいき、TOHOさんの映画館にもよく行くので、打撃をもろに食らうユーザーです。
ただ、この100円の値上げで映画館に行かなくなるかというと、そんなこと一切ないと思います。これまで通り東宝さんは贔屓にさせてもらいます。
ネットフリックスやHuluとかの動画サービスにますます人が流れてしまうのではという人もいるようですが、そんなこともないと思います。映画館には映画館のよさがあります。
暗い空間で彼女といちゃいちゃしながら1つのメロンソーダを交互に飲むという青い春なやり取りの思い出は映画館でしかできません。
世間的にはこの値上げは大不評で、だから日本の映画館はだめなんだとか都合よく海外の安い料金体系を持ち出すよくわからない意見もあるようですが、文句言っている人に限ってそんなに頻繁に劇場で映画を見ていない人なのではないでしょうか。
また、ネットやテレビのニュースの二次情報見ているだけで実際に東宝のプレスリリース原文にアクセスした人は100人に1人もいないのではないでしょうか。
今回は値上げするだけの単純なプレスなので影響はないですが、情報の原文を見てから文句言う癖をつけないと、いつまでもフェイクニュースに騙されます。
自分としては、たかが100円の値上げでがたがた言うエネルギーがあるんだったら、そんなことよりも映画館内で暴利的な値段で売られているコーラとかポップコーンとかのフード・ドリンクの料金設定に文句言ったり、国からの搾取にフランス人みたいにデモをしたり、もっと他のところに声を上げて欲しいです。
消費者としての立場なら安いほうがそりゃいいでしょうが、値上げして企業の利益を増やさないと労働者としての給料も上がりませんしブラック企業化を助長します。
人々は消費者であり同時に労働者なのですから、モノの値段を下げてサービスのレベルを上げるという消費者としての立場を楽にしようとすればするほど、その分が労働者としての自分に返ってきて労働者の立場の自分を苦しめることになります。
守銭奴みたいに値上げした分を企業の内部留保として貯められても困りますが、値上げした分を適正に従業員に還元したり社員の賃上げをしたり株主へ還元してくれれば、社会全体のためになります。
東宝の値上げで、アルバイトの学生のバイト代が上がったり労働環境がよりよくなれば、全然よいではありませんか。
値上げしないから企業の利幅が削られ、人件費が削られ労働環境も悪くなり余裕がなくなってブラック企業化していくわけです。
僕なんかは制作費にお金を回して優れた映画作品ができるんだったら2200円とかにしてもらっても構わないです。
加えて、日本は早くインフレ起こして国の莫大な借金を帳消しにして預貯金で眠る個人金融資産を腐らせて株式市場に資金を向けさせないといけないのですから、30年間のデフレ根性が染み付いた国民性にサランヘヨして値上げを是とする空気感をはやく醸成したほうがいいように思います。
値上げした分東宝にお金を取られるのが嫌で我慢できないという人は、東宝の株式を買って株主になってはいかがでしょうか。
株主になれば、今回の値上げで仮に東宝の利益が上昇すれば株価の上昇や配当金によって、値上げ分自分が映画館に支払う以上の恩恵を受けることができるでしょう。
実際に今回の映画鑑賞料金の値上げ発表で、東宝の株価は上昇しました。
株価が上昇するということは株式市場の多数派は、値上げでTOHOシネマズが廃れるとは考えてはおらず、逆に利益が上昇し業績がよくなると考えているわけです。
それにより、既存の東宝の株主は何もせずに株価上昇の恩恵を受けています。
また、競合の東映社の株価も連れだって上昇しています。こちらも東宝を追って料金値上げを実施することを期待されているわけです。
世間が非生産的に文句言っているあいだに映画会社の株主様はちゃんと恩恵を受けています。
また、株主優待制度があるので値上げしても優待券で無料で映画を見ることができます。
文句だけ言ってて行動しなくては何も世界は変わりません。
資本主義の世界では値上げやインフレに対する最も強い防衛方法は企業の株主になることです。
通信会社の純利益が1兆円を超えて儲けすぎてけしからんと思えば、ドコモやKDDIの株を買って株主になってその利益の恩恵を受ける側に回ればよいのです。それか、自分の能力を高めて大手通信会社に就職・転職して高給をもらえる立場に立てばよいだけです。
どこかのヤクザな自称公共放送しているテレビ局と違って無理やり料金を盗られるわけではないのですから、値上げに拒絶反応が出る人は「嫌なら見るな」でしょう。
TOHOの映画館にいかなければいいだけです。
それか、国会議員になって映画料金は1800円を超えてはならないという法案を作るか、東宝の社員になって出世して権力を持って料金を1800円に戻してください。
それをする能力がない人は黙っているか東宝の株主になりましょう。
そして今回の記事を通じて僕が1番言いたいことは、ずっと楽しみに待っている2019年5月31日公開のハリウッド版ゴジラ映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」は是が非でも値上げが始まる6月ではなく5月31日中に見てやろうと決心したということです。
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