コカ・コーラといえば麗しのバフェット銘柄として有名です。
僕も投資している企業です。コカ・コーラの株主になると、コカ・コーラを飲むのが楽しくなります。
そしてレストランやハンバーガーショップでコーラを頼んだときにコカ・コーラではなくペプシコーラが出てきたときは、なんとも言えない微妙な気持ちになります。
そんな気持ちになりたくないあなたは、ペプシコの株も買ってしまうことをおすすめします。
全世界のコーラ市場をこれでほぼ制覇できます。
さて、ウォーレン・バフェットは、1988年からコカ・コーラ株を買い始めました。
当時のコカ・コーラの株価の最高値近辺での買いはじめで、チャートだけ見ている人には割高での投資と映ったようです。
しかし、バフェットの目から見れば、たとえ当時の最高値付近での投資であっても、抜群の成長力を誇るコカ・コーラは割安でしかありませんでした。
現在はコカ・コーラの成長率もバフェットが投資した頃と比較してかなり弱まわっており、バークシャーも2000年代に入ってからは買い増しは行っていません。
バフェットが投資しているコカ・コーラの含み益ってどれくらいあるんだろうと気になったことはないでしょうか。
2019年度のバフェットからの手紙に、現在バークシャーハサウェイが投資している企業の持ち株の取得価格と今の市場価値を記載した表があったので、引用してみます。
数字の単位は100万ドルで、2019年12月末時点の数字です。
会社名 | 持ち分 | 取得額 | 現在の市場価値 |
アメリカン・エキスプレス | 18.7% | 1,287 | 18,874 |
アップル | 5.7% | 35,287 | 73,667 |
バンクオブアメリカ | 10.7% | 12,560 | 33,380 |
バンクオニューメロン | 9.0% | 3,696 | 4,101 |
チャーターコミュニケーションズ | 2.6% | 944 | 2,632 |
コカ・コーラ | 9.3% | 1,299 | 22,140 |
デルタ航空 | 11.0% | 3,125 | 4,147 |
ゴールドマンサックス | 3.5% | 890 | 2,859 |
JPモルガンチェース | 1.9% | 6,556 | 8,372 |
ムーディーズ | 13.1% | 248 | 5,857 |
サウスウェスト航空 | 9.0% | 1,940 | 2,520 |
ユナイテッドコンチネンタル | 8.7% | 1,195 | 1,933 |
U.S.バンコープ | 9.7% | 5,709 | 8,864 |
ビザ | 0.6% | 349 | 1,924 |
ウェルズファーゴ | 8.4% | 7,040 | 18,598 |
その他 | 28,215 | 38,159 | |
総計 | 110,340 | 248,027 |
これを見ると、現在のバークシャーハサウェイの投資先の含み益がわかります。
表の見方ですが、例えばアップルだと、バフェットが会長を務めるバークシャーハサウェイはアップルの株式の全体の5.7%を所有しており、アップルの株式取得に352億ドル費やしており、現在の所有分のアップル株の市場価値が736億ドルあるということです。
アップルは投資額からすでに2倍以上のリターンになっています。
含み益が384億ドルとなりますので、日本円だと4.2兆円!となります。
アップルへの投資で4兆円以上稼いでいるということです(もちろんまだ売却していないので、含み益です)。
IBMを見切ってアップルへ投資して大正解でしたね。
数字だけだと、すでにコカ・コーラ株の含み益をアップル株の含み益が上回っている状態です。
コカ・コーラよりもアメリカンエクスプレスよりもウェルズファーゴよりも所有するアップル株の時価のがずっと大きいので、すでにアップルはバフェット銘柄No.1の座にいます。
コカ・コーラを見てみると、取得額が13億ドルで、取得した株式の市場価値が221億ドルですので、含み益は208億ドルです。日本円だと2.3兆円です。
上昇率のパーセンテージをみると1700%となります。
すごい数字ですね。
年平均成長率(CAGR)も見てみます。
バフェットがコカ・コーラに投資し始めたのが1988年ですので、1988年から2019年までの32年間の年平均成長率(CAGR)を算出すると、9.27%となります。
投資した1988年から年平均で株価が9.27%アップすると、32年後である2019年末に現在の株価になっているということです。
過去のS&P500の配当を含まない年平均成長率が約7%となりますので、それと比較すると2%以上上回っています。
ちなみにバークシャーハサウェイは、2019年度にコカ・コーラ社から700億円の配当金を受領しています。
バフェットの受領配当金は4,200億円 ~バフェットからの手紙~
上昇率が1番大きいのは、ムーディーズです。
買値から23.6倍に株価が上昇しています。
ムーディーズにはおそらくリーマンショックでたたき売られていた時期に投資していると思われます。
全銘柄の総計だと、1,103億ドルの投資に対して、現在は2,480億ドルまで価値が膨らんでいる計算です。
投資で15兆円以上含み益がある状態です。
この含み益だけで、日本企業だと時価総額20兆円を超えるトヨタ自動車以外のどの企業も買収できてしまいます。
バークシャーハサウェイに投資したくなってきました。
投資というのはいろいろと試行錯誤して手法や投資対象銘柄も変わっていくものですが、自分のいつかの完成形のポートフォリオの相当部分をバークシャーハサウェイに投資してもいいなあと思ってきました。
なおダメッ子バフェット銘柄のクラフト・ハインツは、バークシャーハサウェイが支配権を有している銘柄ということで、この表の対象にはなっていませんでした。