2月21日にコカ・コーラが57年連続増配を発表しました。配当王銘柄です。
コカ・コーラの増配よりも同じくバフェット銘柄であるクラフト・ハインツの36%減配のがよっぽどインパクトが大きいのですが、ひとまずコカ・コーラのことを書きます。
従来の四半期あたりの1株あたり配当金39セントを40セントに増額します。
年間だと1.56ドルから1.60ドルです。
増配率は2.6%と、アメリカのインフレ率をちょっと上回る程度の、非常にしょっぱいものとなりました。増配余力はもうないのでしょうね。
クラフト・ハインツの減配で心が痛いので、後でぐっさり減配するなら、もう増配しなくていいよ。
2.6%の増配と同時に、150万ドル(約165億円)の自己株式取得の計画を発表しました。金額としてはインパクトはありません。
ただしこの自社株買いについてはいろいろと留保が付いています。
プレスリリースの文言を読んでいくと、「subject to the company’s discretion based on various factors」(様々な事情を考慮して会社の決定に基づいて)自社株買いを実施するかを決定し、計画が修正されたりいつでも終了することがあるものであると同時に言っています。要は諸事情によっては自社株買いが実施されないこともあるよということですね。
コカ・コーラは、年間だとざっと66億ドル(約7000億円)を配当金として株主に還元しています。ものすごい金額です。
以前コカ・コーラの過去30年間の配当金額と増配率の推移を調べました。
【56年連続増配の配当王】バフェット銘柄代表格コカ・コーラの過去30年間の配当金・増配率推移の歴史(1989年~2018年)
今回の増配率は、残念ながら過去30年で最も低い数値です。レコードローです。
1989年から2019年の増配率の推移を載せます。
ここ5年間は、8.2%⇨6.1%⇨5.7%⇨5.4%⇨2.6%という推移です。
二桁増配からは10年以上遠ざかっています。
2018年通期のEPS(1株あたり利益)が1.57ドルで2019年の年間1株配当金が1.6ドルなので、EPSがそのままだと2019年の配当性向は100%を超えてしまうことになります。
コカ・コーラは2019年のEPSについて、先の2018年第4四半期の決算発表でNon-GAAPベースだと−1%〜+1%の範囲であるという予想を出しています。その予想通りだと、来年の増配もあまり期待できないものになるかもしれません。
過去10年の配当性向の推移です。数字はモーニングスターからとっていますが、何か特殊要因を反映してか2017年と2018年の配当性向が突出しています。
いずれにせよ配当余力がなくなっているので業績が拡大しないことには高い増配は期待できません。
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