「ビッグミステイク レジェンド投資家の大失敗に学ぶ」(マイケル・バトニック著 日経BP)という本を読みました。
本の名前の通り、著名な投資家の過去の失敗談を紹介するものです。
パンローリング社の投資本のように分厚くて読むのに大変な本ではなくて、薄くて軽くてさらっと読めてしまう部類の本です。
その意味では読んでも右から左で結局何も残らない本だったとなる危険性は大きいです。
1回読んだのですが、すでにバフェットとチャーリーの投資の失敗が一体何だったのかが思い出せません・・。失敗というほどの失敗だったんだろうか。
また儲け方法を紹介するハウツー本でもありませんので、投資実務にすぐ結びつく手法が得られるということはありません。
成功ではなく、失敗に目を向けるというのがユニークな本ですね。
偉大な投資家たちも失敗をして、それを乗り越えてより優れた投資家になっていったんだなあと思わされます。
紹介されている投資家は、以下の15名です。
- ベンジャミン・グレアム
- ジェシー・リバモア
- マーク・トウェイン
- ジョン・メリウェザー
- ジャック・ボーグル
- マイケル・スタインハルト
- ジェリー・ツアイ
- ウォーレン・バフェット
- ビル・アックマン
- スタンレー・ドラッケンミラー
- セコイア
- ジョン・メイナード・ケインズ
- ジョン・ポールソン
- チャーリー・マンガー
- クリス・サッカ
特に面白かったのが、ジェシー・リバモアとケインズの2人のパートです。
リバモアは時代は古いですが伝説の投機家ですね。いわゆる長期投資家ではなく投機家の部類に入る人物だと思いますが、成功し財産を築いてはその後破産しを何回も繰り返し、最期にはピストル自殺をした人物です。
勝ちっぷりも負けっぷりもかなり激しいです。
ケインズは、本職は経済学者ではなくて投資家かよというくらい投資好きな人物なんですね。
自信家で、自身の優れたマクロ経済学の知識を武器に短期の市場動向を予想して投機で稼ぐことに成功するも、それ以上の失敗を経験し、投資手法を根本的に変更して投機家からバリュー投資家になるくだりは面白かったです。
失敗は成功のもとと言いますが、同じ失敗を繰りかえすのではなく、失敗を糧により優れた投資家になっていきたいものです。
投資家は誰でも失敗しますが、その失敗をどう受け止めてステップアップの糧にできるかが成功する人とそうでない人の違いなんでしょう。
世界最高の経済学者ケインズですら景気動向は読めないという事実